今年は病気が大きく進行した年でもありました。
歩けなくなり、車椅子になって約1年が経過。
車椅子1年生。
私は10歳で病気の症状がでてきて歩きにくくなった。
10年間、どこの病院に行っても病気がわからなくて、人と違うことに悩んだ。
20歳で病気と診断され、あと10年したら車椅子と言われて生きていくことに絶望した華の20歳。
あれから10年以上経って、今年、いよいよ私は車椅子になった。
20歳の頃「人生絶望するだろう」と思っていた人生初めて車椅子に乗った「車椅子1年目」は色々なことが変わった年だった。
そこにあったのは思ったよりも絶望した未来ではなかった。
絶望どころか、一生に一度の夢だった出版が叶った年なった。
そして歩いている時よりも自由に何処へでも安心していけるようになったかもしれない。
昨年までは、転ばないように、疲れないように、最短ルートで行く方法、荷物は最小限に少なく、など工夫をして行動していた。
昨年からは歩く安定感を得るために杖を2本ついて歩いていた。
電動車椅子に乗った時から私は、ただ座っていれば目的地につく楽さに驚いた。
移動が楽しくなった。
世界中どこへでもいける気がした。
幼馴染の友達が、「髪をなびかせて私の前を風をきってる姿、何十年かぶりに見たよ」と言った。
ああ、そうか。私は病気になってからいつも誰かの後を歩いていたんだ。
マラソンやリレーをすればどんどん抜かれて最下位になり、
街中では、子供や老人にも歩いて抜かれ、
友達と遊ぶ時も、歩くペースに追いつけずにいつの間にか一人ぼっちで歩いていた。
歩く時の私はいつも、転ばないように細心の注意を払って、遅れないように必死に笑顔で歩いた。
がんばってたね、わたし。よくがんばった。
新しい私の足となった車椅子で、これからは思った速さで、やりたいように駆け抜けていこう。
スピードあげすぎに注意して、
そして悔いなく今を生き抜くんだ。
2018年12月29日
解説:2017年12月より車椅子を色々と試乗する。Yoshizuka、OX、YAMAHA、WILLモデルA、WILLモデルCなどに乗り、2018年6月よりマツナガ製作所の電動車椅子に乗る。リチウムイオン電池のバッテリーで1.5日程度しか電池が持たず面倒なこともあるが、行動範囲が広がり、不安が無くなり、より自分らしく生活を送れていることに感謝している。
10年前病気が分かって絶望していた自分に向けて書いた本「10年前の君へ 筋ジストロフィーと生きる」がAmazonカテゴリーランキング1位となる。筋ジストロフィー協会に売り上げの10パーセントが寄付される。
10年前、人生のどん底にいた自分に向けて、10年後のあなたはとっても幸せだから大丈夫、と伝えた本は、落ち込む人をもそっと支えて励ます本となっている。
https://goo.gl/phELsf
YAMAHA HPにも車椅子レポートあり。
https://www.yamaha-motor.co.jp/wheelchair/user-report/1809/