千葉県にある某スタジオは、地元でも、業界関係者の間でもめちゃくちゃ有名な心霊スポットです。

このビルはもともと産婦人科の病院とボーリング場が一緒に入っていました。外観は、一目見て誰もが気持ち悪いと感じるほど廃れていて、中に入るのには相当な抵抗があります。

実際に私自身も、決して霊感は強くないのですが、そのスタジオを訪れたときは原因不明の偏頭痛に襲われ、仕事どころでなくなってしまいました。もう二度と行きたくありません。

さらに、これは昔の話ですが、ここの産婦人科で子供を産むと、出産と同時に女の霊が現れるという噂があり、その正体は過去この病院で命を落としたお母さんだそうです。
もしかしたらスタジオに改装された今もなお、その霊が何かしらの理由で祟っているのか、それとももっと別の何かが関係しているのか……わかりません。

しかし最もわかないのは、なぜそんないわくつきのスタジオが今も使われているのか?ということです。

私はこの疑問を、スタジオスタッフの一人にぶつけてみました。すると、なんてことはないとてもシンプルな答えが返ってきました。
「しだいに慣れてしまうから」だそうです。私たちではなく、霊の方が。

これはある番組でお世話になった霊媒師の方に聞いた話です。霊というのは、見える人と見えない人がいる。
これを俗に霊感というが、霊は誰の前にでも姿を現すというわけではなく、人を選んで出てくるから、個人によって心霊体験の数に差が出てくる、ということらしいのです。そしてその霊が出るか出ないかを決める判断基準は、その人が優しいか、そうでないか。

成仏できない霊魂はあの世に行けず、何かしらの未練を抱えたままこの世を彷徨っています。すると、自分を供養してくれそうな人を探しだし、すがりつくそうです。(憑く)

そのとき、自分を浄化させてくれそうな優しい人間を選ぶのは当然のなりゆきというわけです。

つまり、何が言いたいかと言いますと、あの心霊スタジオに憑いている何かの霊も、新参者が顔を出すとあの手この手でアプローチをほどこし、やがて相手が助けてくれないと知ると、すごすごと退散を決めこむ、というわけなんです。
諦めるんですね、霊も。

世の中には、それでもしつこく憑きまとう悪霊もいるようですけど、人に迷惑をかけない程度でさっと身を引く今回のような霊はまだお行儀がいい、とは霊媒師談。

(ま、頭は痛くなったけど)その人いわく、心霊体験の第一歩は知ることだそうです。優しかろうが、心がキレイであろうが、自分の不幸や悩みやつらさを知らない人間には、霊もすがりようがありませんからね。

さて、本当のところ何が言いたいかと言いますと、皆さんも、私たち同様たくさんの霊の背景を知ってしまっています。くれぐれもたちの悪い霊には憑かれませんように。

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