何もかも否定してきた

自分の中の何もかもを

そして

何もかも肯定してきた

他人の中の何もかもを

それこそが「正」だと

それこそが「聖」だと

理が崩れる時が来た

今こそ帰れと

鳥が言う

今こそ帰れ

今こそ還れと

お前はいつかの窓辺の雀

何もかもを捨てた私を見ていた

帰るよ

還るよ

私の戸を叩くよ

私の床をふみしめるよ

私に捨てられた私の手を取りに

私は帰路についた