番外 現在これらは姿を消しています、西鉄バスにかつて存在、天然ガス自動車・CNGバスラインナップ | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 西鉄バスには、平成6年より平成29年にかけまして福岡都市圏におきまして天然ガス自動車が導入・運行されておりまして、博多駅(博多バスターミナル)~天神間で運行されておりました100円循環バス(現・「キャナルシティライン」)などにおいて使用されておりました。
 
 西鉄バスの天然ガス自動車は、2パターンが存在しておりまして、1つ目の場合が床下にボンベがある形、もう1つが上の画像にありますように天井にドーム状のボンベが設けられますCNGこと圧縮天然ガスとも呼ばれておりまして、天然ガスはそれらの部分に置く(充填する)ようにもなっております。
 
 これら車は、地元のガス会社でもあります西部ガスとのタイアップで運行されておりまして、従来の軽油とは違いまして天然ガス燃料による運行となっておりましたので、福岡市東区東浜にあります西部ガスの天然ガススタンドにおいて充填を行っておりまして、営業所~東浜充填所への回送も連日行われておりました。
 

 しかし、これら車の稼働率はあまり良くなく、最初に導入されましたタイプに関しましてはボンベの寿命などもありまして平成21年には廃車、また、「CNGバス」に関しましても近年は故障なども見られていた事などもあり徐々に廃車が進みまして、最後まで残されておりました車も、冒頭ご紹介しましたように平成29年に廃車となっておりまして、結果西鉄バスの天然ガス自動車は全廃へと至る事になりまして、既存の路線車両よりも短い車生を終えております。
 

 そう言った事もありまして、今回ご紹介しますのは、残念ながら全廃となりました、天然ガス自動車・CNGバスとして導入されておりました全7台に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 

 まず、西鉄バスに最初に導入されておりましたのが、平成6年に導入されました天然ガス自動車であります、日産ディーゼルUA(6914・U-UA440LSN改)でありました。

 
 この車に関しましては、先述のように西部ガスとのタイアップで平成6年に旧千代営業所に試験的に導入された車でありまして、天然ガスが燃料と言う車でもありますので注目される車でありました。
 
 導入後は、都市高速路線にも使用されたりもしておりまして、旧千代営業所の運行路線で活躍しておりましたが、運行末期には上の画像にもありますように土曜・日曜・祝日におきまして「100円循環バス」としての運行の機会を得るのみとなっておりまして、その結果、この車は平成21年に廃車となりまして、同期の車よりも5年近く短く一生を終える事となりました。
 

 次からご紹介します6台が、いずれもCNGバスでありまして、中型の日産ディーゼルスペースランナーのラインナップの中で導入されておりました。これらは天然ガス自動車導入から10年後の平成16年より18年まで3期各2台の計6台導入されておりまして、先述のように福岡都心の「100円循環バス」でもっぱら使用されてもいました。
 

 まずご紹介しますのは、平成16年に導入された2台(いずれもKK-RM252GAN改)でありまして、福岡都心を運行していた事もありまして、企業のラッピングが施されておりました。
 
 (9128)~平成21年撮影、「愛のスコール」ラッピング
 
 (9129)~「HIS」ラッピング
 
 これら2台は、中引戸車として導入されたものでありまして、4枚折戸が基本的でありました当時の西鉄バスの中では珍しい存在でもありまして、かつノンステップバスであったのも特徴であります。尚、この車の導入当初の行先表示は幕式でもありましたが、現在は画像のようにLED改造が施されておりました。しかし、これら2台は9128が平成28年に、9129が平成29年に廃車になっております。
 

 平成18年には、前期と後期合わせまして4台が導入されておりましたが、まずは前半導入の2台に関しましてご紹介します。

 まずご紹介しますのは、9401・9402(KK-RM252GAN改)であります。本来この年導入の中型ディーゼル車の排ガス規制はPB-規制にあたりまして、スタイルも上の画像の9128・9129とは異なっておりましたが、CNGバスに関しましてはKK-規制が引き続き名乗られておりました。こうして見ましても、フロント・リアのスタイルから西日本車体(西工)96MCの後期スタイルではありましたが、KK-規制と言うのは特殊な形の車でもあった分、わからなくはない装備ではあったように思います。
 
 (9401)~平成20年撮影、「マルタイラーメン」ラッピング
 
 (9402)~平成26年撮影
 
 これら9401・9402は、平成27年に廃車となりました。しかもまだ10年も経っていない中での廃車でもあっただけに驚きでもありましたが、先述の天然ガス自動車でありました6914のように短命で廃車となる車も見られていただけに、他の車に関しましてもそう長くは続かないのでは?と実感したほどではありました。
 

 そして、この年の後半にも2台(9534・9535)が導入されておりまして、9401・9402と同じ形式(KK-RM252GAN改)を名乗っておりました。しかし、その2台を最後に天然ガス自動車の導入は行われなくなりまして、計7台におきまして西鉄バスの大型・中型の天然ガス自動車の導入は終了となったのでありました。
 
 (9534)~平成26年撮影
 
 尚、やはりこれら車の車齢は短く、9534・9535とも平成29年に廃車となりまして、結果西鉄バスの天然ガス自動車自体は全廃へと至る事になったのでありました。
 

 今回は、西鉄バスに存在した天然ガス自動車に関しましてご紹介しましたが、本当にこれら車に関しましても平成6年式の天然ガス自動車で15年、「CNGバス」に関しましても9年~13年と、約20年前後である従来の路線バスとしますと非常に短い車齢となってしまいまして、これら車は短いなと言う事を実感させられる所であったように思います。やはりガスボンベの寿命など、そう言った理由も関係するでしょうし、また一番の原因が故障が多かった事なども早い廃車の原因に挙げられていたようでもありますが、ご覧の皆様も、そう言った天然ガス自動車が西鉄バスに存在していた事を存じていただければと思っております。