筑豊線と言いますと、現在は篠栗線と鹿児島線の一部を合わせて構成します「福北ゆたか線」、折尾~若松間を称します「若松線」、そして桂川~原田間を称します「原田線」と区分されている事はご覧の皆様もご存知ではないかと思います。
運行形態も、「福北ゆたか線」は電化されている事から篠栗線~筑豊線との直通列車が運行されておりますし、「若松線」も折尾~若松間が非電化区間ではありますが、この区間では非電化区間も運行する事ができます819系蓄電池電車が運行されておりますので、若松~折尾~直方間で「若松線」~「福北ゆたか線」と直通運行を行っております。
一方、「原田線」は上の画像1の原田駅~桂川駅間の系統しか運行されておらず、使用車両も画像2のキハ40系(キハ40形・キハ140形)気動車1両編成で運行されるほどでありまして、他の2通称線としますと利用者も少ない路線ではあります。
実際に時刻表を見ましても、運行本数は平日で8往復、土日祝日で9往復で運行される程度であります。それほど本数が少ない路線である事が伺えるのではないかとも思います。
けれども、国鉄時代~JR化直後までは筑豊線全線を運行します列車も存在しておりましたし、鹿児島線を小倉・門司港方面へも運行されていたほどでありましたし、客車列車(50系客車)での運行でもありました。それでも当時は本数が現在よりも少ない本数でありましたので、需要もそれほど多くなかった事も伺えるのではないでしょうか。
それでも、篠栗線が全線開通しました昭和43年まではまだ多くの本数を存在しておりまして、かつ博多方面を避けた形でありましたので、旅客・貨物とも優等列車も運行されていた事もありまして、片面ホームばかりとなりました現在もその名残を各駅で見る事もできております。それほど「筑豊本線」としての姿もこの区間ではそれまでは見られていた事も伺わせております。
さて、今回はかつての相対式ホームの名残も見られております「原田線」の各駅をこのほど訪問しておりましたので、皆様にご紹介してまいります。
まずご紹介しますのは、筑紫野市にあります筑前山家(やまえ)駅であります。この駅は筑紫野市の山家地区にある駅ではありますが、途中の区間では住宅地が広がる所でもありまして、そこから外れた所に駅が設けられております。私自身としましては、この駅と原田駅との間に新駅を設けまして、区間列車でも運行すればまだいいようにも思う所ではありますが、西日本鉄道(西鉄)天神大牟田線の存在もありますので、正直難しいのかな?とも思う所ではあります・・・。
この駅は、画像のように片面ホームがあるのみであります。しかし、向かい側にもかつてはホームが設けられておりまして、その名残が見られている事がお分かりいただけます。やはり、本数も少なく、かつ1運用で済んでいる「原田線」ですので、片面ホームしかないのも仕方ない所ではありましょうか。
(直方方)
(原田方)
ちなみに、この駅では西鉄などの路面電車やバスが保存されている所でもあります。ただ、見た所老朽化も見られている部分も見られておりまして、今後も残すのであれば修理を行うなどしていただきたい所ではあります・・・。
次は「冷水峠」を越えまして、筑前内野駅へと進む事にもなりますが、途中の道徳踏切でちょうど原田行き6631Dが来るという事でしたので収める事にしました。ここは直方方に「山家宝満宮」と呼ばれる神社がありまして、その通路も見られますが、せっかくと言う事でここで収める事にしました。
(原田方)
(直方方)~コンクリート部分が「山家宝満宮」の通路
そして、「冷水峠」を越えてきました、キハ40系気動車(キハ140 2041)で運行の原田行き6631Dが道徳踏切を通過します。よく見ますと大分時代に設けられました台座(「タウンシャトル」のヘッドマーク掲出のため)が残されておりまして、かつて所属していた名残が見られております。
(道徳踏切通過)
「冷水峠」を越えまして、その「冷水峠」も通行区間になります、国道200号線から外れた山手にあります、飯塚市(筑穂町)になります筑前内野駅へとやってまいりました。もちろん、この駅も無人駅でありまして、駅に入った所にあります待合室、そしてトイレがあるだけの駅でもあります。
しかし、そのトイレは現在は封鎖されておりまして、使用する事はできません。現在運行されておりますキハ40系気動車には必ずトイレが設置されておりますので、列車利用者はこちらを利用する事にもなります。
筑前内野駅の時刻表です。ご紹介しておりますように、平日8往復・土日祝日9往復で運行されているこの「原田線」ですので、この時刻表からも少なさが伺える所ではあります。それでも、先述のように国鉄時代~JR初期は7往復しか運行されていなかった事もありましたので、それからしますとまだいい方でしょうか。
筑前内野駅ホームです。ホーム自体も片面のみのホームとなっておりまして、「本線」の名目には及ばない姿が見られている事もわかります。また、現在の利用者も学生さんを中心とした利用が主のようでもありますので、この駅の利用者もそう多くはない事も伺わせる所ではあるようです。
(原田方)
(直方方)
この駅の旧ホームです。かつてはこのホームが2番ホームとして、桂川・直方方面のホームとして存在していたのではないかと思われますが、ホームの跡はこのような姿となっております。また、ホームの長さも恐らくは4両分は取られていたと思われますが、現在1両編成しか運行されないこの路線にしては余裕ありすぎの印象でしょうか。
(原田方)
(直方方)
この駅で収めておりますと、先程の折り返し列車であります原田駅からのキハ140 2041によります6630Dがやってまいりました。ちなみに、筑前山家駅から筑前内野駅間は10.2km、時間も12分はかかる長い区間でもありますので、それほどこの区間にあります「冷水峠」の存在はこの「原田線」の中でも特に難所である事が伺える所でもありましょうか。
この6630Dでは、降車される方はいらっしゃいませんでした。ちょうど迎えの方の姿もありましたので、降車される方もいらっしゃるのかなとも思いましたがいらっしゃいませんでしたので、さらに桂川駅で折り返しとなります19時09分発の6633Dの方待ちであったようでした。尚、この日の乗客は10数名ほどでありました。
さらに進みまして、上穂波駅へとやってまいりました。この駅に関しましても筑前内野駅と同じく飯塚市(筑穂町)の駅でもあります。
この上穂波駅には、飯塚市商工会筑穂支所(←筑穂町商工会)も併設した駅となっておりまして、商工会の建物の中に駅が入居したような姿が見られております。そんなこの建物は、昭和61年に建てられたそうでしたが、この駅が現在の建物に変わる前に既に無人化されておりましたが、切符売場があったと思しき所は画像のように見られておりまして、その部分はシャッターで閉じられておりました。
上穂波駅のホーム・駅名標です。こちらも後述のように向かい側にはホームも存在しておりましたが、現在はキハ40系気動車1両編成の列車しか入らないホームとなっておりますので、駅の東側が住宅も見られる中ではありますが、正直寂しい印象であると言ってもいいかとも思います。
(原田方)
(直方方)
(駅名標)
上穂波駅の飯塚・直方方面ホーム跡(2番ホーム)です。もちろん、この旧ホームに列車が入る事はありません。また、よく見ますと木が生い茂っている事もわかりますが、この木は桜の木でもありますので、春になりますと桜の花が満開となりますと花見に来られる方もいらっしゃるようではあります。
(直方方)~画像の木は桜の木です
(原田方)
ここまで、「原田線」途中駅3駅に関しましてご紹介しましたが、「福北ゆたか線」との接続駅でもあります桂川町の桂川駅に関しましても新しくなりまして収めておりませんでしたのでご紹介したいと思います。
(北口)
この桂川駅は、令和3年3月に橋上になります新駅舎と、駅の南北を結びます自由通路が完成しておりまして、これに伴いまして、駅・ホームへの階段・エレベーターが設置されてもいまして、構内のバリアフリー化もなされております。これまでもこの駅が新しくなっていた事は「福北ゆたか線」~「原田線」乗り換えもありましたので存じていましたが、今回新しくなった全体の姿を収めるに至っておりました。
(南口)
この南北間を通る自由通路です。画像は北側から南側を望んでおりますが、上の画像にもありますように、両側にはエレベーターも設けられておりますので、バリアフリーには特化した事も伺わせておりますし、常時通行する事ができるのもいい所ではありましょうか。
この間にあります改札口・駅員室です。「福北ゆたか線」の駅でもありますので、立派な自動改札機も設けられている事がわかります。尚、この駅には「みどりの窓口」が設けられてはいますが、営業時間は7時30分~12時、13時~15時となっておりまして、訪問時は営業は終了しておりました。
桂川駅南口です。現在新たな道路も設けられておりますし、ベットタウンである事もありまして宅地化も見られておりますが、国道200号線からもそう遠くない所でもありますので、今後さらにこの南口が宅地化が進む事になるのか気になる所ではあります。
そんな南口には、西鉄バス筑豊・嘉麻市バスの桂川駅バス停が設けられております。これらは以前は北口に設けられてもいましたが、現在は画像のように南口に設けられるに至っております。
(西鉄バス筑豊)
(嘉麻市バス)
このバス停からは、西鉄バス筑豊の場合は天道・飯塚バスターミナル・碓井・西鉄大隈方面(27番系統)、嘉麻市バスは幹線路線2系統(嘉穂観光運行)の嘉穂総合高校・吉隈・生涯学習館(上山田)・熊ヶ畑・稲築病院・嘉麻市役所・下鴨生駅方面へ運行されておりまして、この駅からもこれら方面へ利用する事ができるようになっております。
(西鉄バス筑豊、時刻表)
所で、この桂川駅と言いますと、画像の売店(「コラボ倶楽部」)が閉店しておりまして、ホームからも商品を買う事もできておりましたが、3月末で閉店しております。私自身も当ブログでも取り上げていたほどこれまでも気になるお店でもありましたが、やはり閉店となってしまった事は残念に思う所でしょうか。
(開店時、平成29年撮影)
(4月撮影)~閉店後
今回は、筑豊線の桂川~原田間、通称「原田線」の各駅の姿に関しましてご紹介しましたが、原田・桂川各駅以外の3駅に関しましては相対式ホームの跡が残されていた所からも、かつて本数が多く存在していた事が伺えるのではないでしょうか。現在は8(9)往復で、1運用で足りる現在の運行形態ではありますので、行き合う列車自体がないのもわかりますし、時刻表からもわかりますように日中を中心に運行されない時間帯もありますので、それだけで賄っているのもわかります。そんなこの路線も、福岡近郊区間でもありますので「大回り」やICカード利用でも通過可能区間として存在しますが、これからも引き続きの利用を望む所ではあります。