長崎県松浦市の玄関口と言いますと、上の画像1にあります松浦鉄道(MR)松浦駅ではないかと思います。
その松浦駅は、旧国鉄→JR松浦線から変わりました、第3セクターの松浦鉄道の駅でもありますが、待合スペースや物産品等の展示スペースも存在しておりまして、松浦市の玄関口としての機能も発揮している場所でもありまして、この施設は「松浦交通センター」とも呼ばれている場所でもあります。
また、この松浦交通センターでは画像2にもありますように、西肥自動車(西肥バス)・松浦観光バスのバス停も設けられておりまして、西肥バスの乗車券や回数券などもこの松浦交通センター内におきまして販売されておりますし、バス待合所としての機能も発揮しておりまして、ここから画像のように路線バス(画像はN815・日産デKC-RM211GSN)も発着しております。
そんなこの松浦交通センターでありますが、その松浦交通センターの前に西肥バスの松浦バスセンターがかつては存在しておりまして、今から9年前の平成24年に閉鎖、そして平成27年頃に解体されておりまして、その跡地には画像のようにビジネスホテルが設けられております。
(ビジネスホテル、「アミスタホテル」)




さて、今回ご紹介しますのは、その「アミスタホテル」の前に存在しておりました西肥バス旧「松浦バスセンター」に関しまして、過去の画像を使用しながら皆様にご紹介してまいります。


この西肥バス旧松浦バスセンターは、昭和40年代に建てられたものではないかと思われまして、以来松浦から伊万里・佐世保・平戸、そして松浦地区のローカル線のメインターミナルとして存在しておりまして、以下の路線が発着しておりました(これら路線は現在も松浦駅前バス停より運行されております)。
松浦バスセンター~子産坂トンネル~吉井~佐々バスセンター~大野~佐世保駅
松浦バスセンター~笛吹~世知原
松浦バスセンター~御厨駅~平戸口桟橋~平戸桟橋
松浦バスセンター~浦ノ崎~東山代~伊万里駅
松浦バスセンター~笛吹~世知原
松浦バスセンター~御厨駅~平戸口桟橋~平戸桟橋
松浦バスセンター~浦ノ崎~東山代~伊万里駅
しかし、かつては福岡・唐津・伊万里方面から、この旧松浦バスセンターを経由しまして平戸口桟橋・平戸桟橋へ運行されておりまして、特に伊万里方面からの場合は乗り換えなしで行く事さえもできておりました。けれども、現在それらは廃止されておりまして、必ず旧松浦バスセンターで乗り換えが必要となっておりました(現在も松浦駅前バス停乗り換えの形で運行されております)。また、松浦地区のローカル線に関しましてはこの時点でも松浦観光バスに移管されておりまして、西肥バス運行ではなくなるなどの変化も見られておりました。
しかし、この旧松浦バスセンターは、平成24年9月末に閉鎖されました。その閉鎖されました理由も、建物の老朽化が主な理由であったとの事でありました。
ここからは、閉鎖末期の平成24年夏撮影画像であります。旧松浦バスセンターは画像のように待合室がありましたり、乗車券カウンターなども存在しておりました。しかし、そんな中利用者は減少の一途、さらには本数もかつての本数よりも大幅に減便されておりましたし、そして先述のように施設の老朽化も進んでおりました。以下画像は入口の部分でありますが、見て見ますと、赤で「西肥バス」と書かれていた文字が消えかかっておりますし、上には電灯もあったようですが、その電灯の蛍光灯も取られておりますし、さらには錆がかかっていた事もわかります。
(入口・「西肥バス」と書かれてあります)




さて、バスセンターの中を見て見ますと、この撮影していました日は日曜でありましたので、人の姿は全くありませんでした。本当に、最盛期には毎日のようにこのバスセンターが一日中賑わっていたのではないかと思いますと、この撮影時にはより寂しくなったなとさえ思ってしまうほどでもあった事を覚えております。


このバスセンターには、上の画像にもありますように周りに看板広告も見られておりました。しかし、ほとんどが契約を切ってしまっていたり、もしくは閉店した所もあったようでありまして、それら部分に関しましては画像ありますように看板をふさいでしまっておりましたり、裏返したりしている姿が印象的でありました。


松浦バスセンターの先述の4路線の時刻です。佐世保方面に関しましては1時間に1本の割合である分比較的本数はあるようですが、伊万里方面に関しましては6本と、かなり本数が少ない事がわかります。現在は、区間運行の西分経由の便がありますので2本増えておりまして8往復での運行となっておりますし、反面御厨駅前間の区間運行がなくなりましたので平戸方面は毎日7往復のみとなったなど変化が見られております。

また、先述のようにかつては唐津経由の福岡方面への快速特急も運行されておりましたし、伊万里~平戸間の直通便も運行されておりましたが、現在は松浦で寸断されておりまして、バスで伊万里から平戸まで行く際は必ず乗換えが必要となっております。
一方、このバスセンターには松浦観光バスの時刻表も掲示されておりましたが、これらは先述のように西肥バスが運行していた路線を引き継いだものであります。尚、バスセンターに時刻表は掲示しておりましたが、実際は既に松浦交通センター発着で運行されておりましたので、バスセンターから乗車する事はできなくなっておりましたし、これら路線は日曜・祝日は運休となっておりますので、この撮影日には見る事さえできませんでした。


こちらは、バスセンターのカウンターです。ここで福岡方面など高速路線バスの乗車券や、「長崎スマートカード(現在廃止)」の購入が可能になっておりました。現在は、MR松浦駅構内に隣接します松浦交通センターにてこれら発券を継続しております(ICカードは「nimoca」を発売)。


その上にあります路線図・運賃表です。この撮影時では先述の4路線しかありませんが、以前は先述のように福岡までも運行されておりましたし、松浦地区のローカル線も運行していた事を思いますと、寂しくなったなとさえも思ってしまいます。


そんなバスセンターを出ますと、裏手の車庫にこの撮影時3台駐車しておりましたが、この松浦の車庫は伊万里営業所の現地出退勤となっておりますので、佐賀ナンバーの車(左、N773・日産デP-RM81G(現在廃車) 右、H236・日野KC-HU2MMCA)も見る事ができておりまして、大型から中型までこの車庫にて駐車する姿が見られておりました。

また、佐世保実業高校のスクールバス(N769・日産デP-RA53TE)も駐車しておりました。けれども、所属がどこになるのかはわかりませんが、こちらは佐世保ナンバーとなっておりまして、しかもほとんどが路線化している富士重工R3ボディタイプの車でもありました。尚、この車は平成2年式でありまして、西肥バスのこのタイプの車では一番新しい車でもありましたが、現在は廃車されております。


さて、バスセンター内に戻りますと、閉鎖となりましたバスセンターの中で、私が最も印象に残っておりましたのが画像の伝言板でした。この伝言板も、昔は多くの方々が使用していたようでしたが、現在は携帯電話が普及している訳ですので、この時点でも書かれる方はいらっしゃいませんでした。それでも、西肥バスの方が「窓は自由に開閉してください」と書いてある所を見ますと、こちらの部分に関しましてはまだまだ伝言板としての機能は発揮しているようにも感じさせられておりました。

こちらの画像は閉鎖されました後の平成24年秋に撮影しました画像であります。画像のように、バスセンターの周囲はべニア板で覆われておりまして、まさに閉鎖した後である事を伺わせておりました。本当に、正直賑やかな姿は閉鎖末期の時点では感じられなかった松浦バスセンターではありましたが、やはりこの姿は寂しさも感じられる所でありました。




この姿は、平成27年頃まで見られておりまして、その後解体→ホテル建設→開店へと進んでおりました。この時には、おそらくは跡地の利用がどうなるのかという事がまとまっていなかったのではないかとは思われますが、その後後述のように跡地が利用されるようにはなりますので、安心する所ではあったほどでした。
こちらの画像は、上の画像にもありますホテルがオープンしました後の姿でありますが、旧バスセンター裏にありました西肥バスの車庫も、画像のようにホテル利用客の駐車場に整備されておりました。本当に、こちらも面影はありませんが、実は上の画像のようにバス車庫であった事が伺えにくくなっているのも仕方がない所ではないかとも思う所でもありましたでしょうか。尚、隣接しておりましたJAの支店も閉鎖・解体されておりまして、その分駐車場も広くなっております。


こちらは西肥バスの車庫でありますが、車庫自体は駅東側にありました元鉄道用地に移転されておりまして、立派な車庫としての姿を見せております。駐車台数はバス8台ほど駐車が可能となっておりますし、それに加えまして運転士用のマイカー駐車場も設けられておりまして、全体的にも余裕がある駐車場となっているようであります。
また、松浦車庫の休憩施設も設けられております。休憩施設に関しましては、旧バスセンター解体前まで旧バスセンター2階を休憩所として使用されておりましたので、解体されるにあたりまして追い出される形となっておりましたが、バスの車庫とともにようやくこちらに関しましても落ち着いたのではないかとみていて思う所でもありましょうか。


こちらは、訪問時に特に私自身が好みました画像からです。この時は、平戸桟橋へ向かいます先述の元名古屋市営バスの日野ブルーリボンでありますH237(KC-HT2MMCA)が入ってまいりまして乗車されるシーンを収めておりましたが、乗車されます方々もそのほとんどが高齢者の方々でありましたが、その高齢者の方々にとりましても重要な足である事がわかる姿でもあります。これら方々の中には、足腰が弱い方もいらっしゃいましたので、これら方々にはツーステップのこの車に乗車するのは一苦労と言う印象でもありましたでしょうか。
今回は、今はこの地にホテルが建設されております西肥バス旧松浦バスセンターの姿をご紹介しましたが、このバスセンター自体も閉鎖から早いもので9年になります。それほど月日が経過している事をも伺わせてもいますが、この地がかつての松浦のバスの中心地でもあっただけに、よりそう思う所でもありましたでしょうか。とにかく、現在は松浦駅に併設しております松浦交通センターが鉄道・バスの中心地として担っている訳ではありますが、ご覧の皆様の中でご存知の方はこれで懐かしみ、ご存知ではなかった方はこういったバスセンターがかつて存在していた事を存じていただければとも思います。
