対談:春山昇華×広瀬隆雄:米国経済は?・・・(後編) | C株で稼ぐ
2008-07-31 07:33:01

対談:春山昇華×広瀬隆雄:米国経済は?・・・(後編)

テーマ:ブログ

ザイ対談:春山昇華×広瀬隆雄:米国経済は・・(後編)

☆無料で拝見できる対談記事に感謝!

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おかねのこねた:賢く、楽しく、飲茶的な投資 

by春山昇華さんのブログからリンク先へ

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雑誌:ダイヤモンド・ザイ:

混迷の世界経済を勝ち抜く投資戦略

緊急対談:春山昇華 × 広瀬隆雄

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2回:米国経済 これからどうなる!(後編)

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<アメリカ株はこれからどう動く?>

サブプライム問題が表面化するまでの景気拡大局面においては、日本だけでなく米国でも国民1人当たりの所得が増えなかったという広瀬さんのご指摘は非常に意外でした。そのような状況下でバブルが弾けたわけですから、かなりダメージは大きそうですね。そう考えると、株式市場に対してもあまり強気では臨めない気が……。

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<広瀬>:当初は消費者のマインドも萎んでいたものの、バブルの発生で住宅というアセット(資産)の価値が上がっていったので、給与が増えていないにもかかわらず、米国人は含み益を担保に家計のバランスシートをどんどん広げていった。

アセットが値下がりしても、まだ月々の給与が順調に増えていれば、いくらか諦めもつくだろう。ところが、最近の米国企業は非常にケチで、なかなか給与を上げない。

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<春山>:今や、インドなどの新興国にかなりのことをアウトソーシングできる時代だからね。証券会社の調査業務にしても、もっぱらインドに下請けを出している。中には、複数の米国大手証券のアシスタントアナリストを掛け持ちしているインド人もいるほどだ。

「オマエたちが今の給料に不服なら、もっと安い給料で外に頼むからいいよ!」といった具合で、代わりに米国内のアシスタントアナリストをどんどん解雇している。

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<広瀬>:住宅の部分についてはまさに未曾有の事態で、依然として予断を許さない。もっとも、それ以外の部分に関する米国の経済統計を見ていると、過去の景気後退局面と比べて、数字の落ち込みが異常値の域までは達していないのも確か。

こうした情勢を踏まえると、ニューヨークダウやS&P500といったインデックス(株価指数)の目立った上昇は期待しづらいが、個別のセクターでは期待できるところもある。これからは、米国株の中で勝ち組と負け組の二極化が鮮明になってくるだろう。

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<春山>:サブプライム問題の解決にはまだまだ時間がかかるだろうが、バブル崩壊後の長期低迷期における日本株でも、95年にいったんボトムをつけて切り返した局面があった。

米国の住宅価格がボトムをつけるのが09年末頃だとすれば、その半年前には米国株が反発する可能性があるだろう。ただし、そこが本当の大底になるかどうかは現時点ではわからない。

95年当時の日本でも、大底をつけたムードが高まって銀行株が大きく上昇したものの、97年にはさらに深刻な金融不安に見舞われたから。

とにかく、赤字から黒字へ転換する時は、株価は大きく上がるもの。それまでPERでは評価できない状況だっただけに、こういうケースではバリュエーションとは無関係に株価は平気で2~3割上がる。

しかし、あちこちで不良債権を抱え込んでいるわけだから、どこが大底になるのかは見当がつかない。

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<広瀬>:当面、金融や消費関連が苦しいことは明らかだね。短期的に反発する局面はあるかもしれないが、長期的なストーリーを描きづらい状況だ。これまでドル箱だった証券化ビジネスが根本から崩壊し、いわば“羅針盤”を失っている状況だから、少なくとも投資対象とするには怖すぎる。

その一方で、ここまでの景気拡大局面で比較的堅実にビジネスを展開してきたのは、ドットコムバブルの頃にはしゃぎすぎて“謹慎中”だったハイテク関連だ。ここまで利益優先主義で保守的なビジネスを営んできており、景気がさらに悪くなればそれらにも影響が及ぶものの、大事故には至らないだろう。

ただ、相場全体としては、あまり面白くない展開となりそうだが……。

むしろ、僕が言いたいのは、CDOの残高から見ても、サブプライム問題がこの程度で収まっていること自体が驚きということだよ。

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<サブプライム問題は最悪期を脱したのか?>

7月に入ってから米政府系金融機関の「フレディ・マック」や「ファニー・メイ」の経営悪化が問題視され、またも金融不安が高まっています。それでも、サブプライム問題はすでに最悪期を脱していると考えられるのでしょうか?

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<広瀬>:怖いのは、全体像が把握できない状態。危機が表面化した直後は、多くの損失が金融機関のバランスシート(貸借対照表)上に載っていなかった。しかし、簿外の損失が次々とバランスシート計上されて評価損が明らかになるとともに、SWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)などに出資してもらうという作業を進めた。

その結果、バランスシートを見れば、ダメージの規模を把握できるようになり、透明性が高まったわけだ。アセットの価格はこれからも下がっていくだろうが、その陰ではバランスシートの修復もゆっくりと進んでいくことになる。

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<春山>:おそらく、エレベーターが急降下するようなパニック的な動きは収まっただろう。これからは1階ずつ、ゆっくりと下がっていくような感じ魅力がなくなっているから、エレベーターが止まるたびに降りていく人が出るだろうが、SWFのように出資することで政治的なメリットも期待できるところは長期のスパンで資金を投じてくる。

とにかく、どこまでもパニックが連鎖しないという意味では、1年で打てるだけの手を打ってきたことは大きい。日本が住専に公的資金を入れたのは96年だったし、銀行への注入は小泉政権になってからのこと。まだまだ資金の注入は必要だろうが、最悪期は脱したと言えるだろう。

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<広瀬>:本当に心配すべきは、サブプライム問題が最悪の結果をもたらすのを回避したことによって、別のところにしわ寄せがくるという世界全体としてのリスクだろう。

たとえば、米国が危機シフトで大幅な利下げをしたことから過剰な流動性が発生し、だぶついた資金の一部がコモディティ(商品)市場へと流れ込んでいる。それに伴って、世界的にインフレのリスクが高まっているのは周知のとおりだ。

(第3回へつづく)

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