kourei123さんのブログ
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シーツの上で

シーツの皺は
湾に 扇のような波が押し寄せるように波打っている。交わりが産んだうねり。

ふと、嵐の前の灰色の海の前に佇んでいた彼女の後ろ姿を思い出した。


乱暴な波の上で 揺れながらも、浮き沈みするブイが船に乗るものの目印ならば

乱暴な風に吹かれながらも、毅然と立ち尽くす彼女は 現と幻 への境界線のようだった。

どちらも命綱。


自分が 彼女の何にひかれたのかと 問われれば、 ただ 手を伸ばさずにはいられなかった。焦点を結ばない 彼女の視線の先が 気になって仕方がなかった。それが 自分にとっての答えだった。


シーツの皺が 彼女を包み そのまま灰色の海に連れ去りそう。それはとてつもない力で 奪い去る。
肉体は完膚なきほどに叩きのめされて
生命は幻に還っていく。

後もう少し 彼女を感じていたくて 静かに寝息を立てる肩を自分の胸に手繰り寄せた。

生暖かい風が 二人を包む すでに彼女は 幻の中なのかもしれない では、自分はどこにたっているのだろうか。どこで生きているのだろうか。


今までに感じたことがないほどの すべての感覚が遮断されたかのような孤独。
まるで 自分が境界線にたたされているかのようだ。自ら足を踏み入れてしまった 現と幻の間。白い波間に揉まれるブイが やけに目立つ。

そうか、あれはまた 自分達にとっても 見失ってはいけない。
目印。


私も また誰かにとっての境界線になっているのだろうか。


命綱となっているのだろうか。

季節の匂い

桜の香る季節が訪れて

記憶の淵に 手をかける。


覗き込むほど 闇は深まり
得たいの知れない 恐れが 背中を伝う。


桜の香る季節が訪れて

その香りに惑わされる人は 時代を越えて 幾多にも及ぶ


桜の香りは
人を 狂わせる。


覗きたくないものほど、人は渇望してしまうもの。そこにそっと 一押し 桜の花びら ひらりと落ちてくる。


桜の香る季節が訪れて

その美しさは 圧倒的で、
その香りは 驚異的
に 季節を変える。


それから、新たに巡ってきた筈の季節の中で、


遠い昔の、記憶の淵を覗き込む。

眉間に皺を寄せてにらめっこ

漫画と
ケータイと
テレビ


見つめる先を
同じ 人間に移したらどうだろう?
やっぱり 眉間に皺がよってしまうのかな。

いつものニュースは 人が人を騙して
殺して
金を搾り取る


それの繰り返し。
寄せたくない皺も
寄ってしまう。寄せるのは 女の谷間だけで十分。


昨日と 今日の違いはなんだろう?
眉間の皺と 事件の謎は深まるばかり とコメンテーターがお決まりの台詞。男と女の仲は 深まるほど鬱陶しい。


明日は 明日の風が吹く
今日は 昨日からの風が吹く?風が吹いたら、飛んでいっちまいそうなものばかり 人間は集めてくる。
ガラクタと
嫉妬
自己嫌悪と
軽いプライド。
飛んでくのは 男のケツに火を着けて火の粉撒き散らし 女の元に駆けつける。
それだけで 世界は十分廻っていける。


さぁ 伊達眼鏡をかけて、眉間を伸ばし、財布に紐をくくりつけて、顔をあげよう。世の中は美しく 素晴らしい。
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