心理カウンセラー@平 史樹のブログ
  • 29Apr
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      よかったこと 4

      数日で退院した父と、タクシーで自宅に帰った。父はわたしに後ろから腰をつかまれながら、時間をかけて這うように自宅の階段をよじ登った。全身の筋肉が落ちているので、全身を使って斜面に張り付きながら上がって行く。腹も、顎も、全部「足」になる。必死の登山のようだ。五合目と八合目付近で休憩した。頂上から自室のベッドに行く数メートルでさえよろめき、壁伝いに、歩くというより少しずつ体をずらしながら移動した。ベッドにたどり着くと、安堵の表情でそのまま寝てしまった。父には環境の変化による混乱やストレスが、思った以上に強く影響すると分かり、部屋を一階に移すのはやめた。夜トイレのために目を覚ました時、知らない部屋だとパニックになってしまう。数日で自分の手でごはんを食べられるようになり、別人のように衰えた表情も、次第に父らしさが戻っていった。介護の申請はしてあったので、スムーズに福祉のデイサービスを使えることになった。朝お迎えの車が来て、夕方まで半日面倒を見てくれる。お風呂も入れてくれる。気を張り続け、腰骨も折っていた母にとっては、一息入れる良い機会となった。週に二回のデイサービスだったが、次第に元気になると、父はデイサービスの利用が苦痛だと訴え出した。父は以前から極めつけの人間嫌いだった。知らない人の輪に加わり、カラオケをしたり、ゲームをしたり、知らない職員にお風呂に入れられ体を洗われることが、父にとっては拷問のように苦痛だったのだ。父はめずらしく、素直につらいと訴えた。以前ならば不機嫌な顔で無関係なささいな事柄を怒鳴るか、何も言わない、の二通りくらいしかシグナルを発しない父だった。しかし、どうして苦痛なのか、話してくれる父を見て、初めて父の怒りや孤独以外の感情に触れた気がした。つらいと訴える話なのに、うれしかった。人間嫌いだとは分かっていたつもりでいたが、父の言葉から伝わってくる苦痛は、想像以上のものだった。多くの人の感覚とは違う極端なほどの繊細さが父にあったことに改めて気づいた。母に説明して、父のデイサービス利用はやめにした。「よかったこと」とは何か?それは退院でも回復でもない。それ以上に、父が自分の気持ちを前より言えるようになったことだ。父は、怒りを鎧にして家族を近づけなかった。その父が、体の衰えをきっかけに心の鎧の重さに気づけたこと。そして、その鎧の紐をゆるめられたことがよかった。全く予想外のことだった。性格は変わらない。でも、ちょっと態度を変えるだけでも、人と人の関わりは変わるものだと思った。関わりかたが変わると、まるで別人同士であるかのように、人間関係の質が変わる。怒りだろうと孤独だろうと、自分の中だけに閉ざしたままよりも、言葉で気持ちを共有できた方がしあわせだと思った。

  • 27Apr
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      よかったこと 3

      一日に二回、昼食と夕食の時間に合わせて父の食事介助のために病院に通った。ふとしたことで腰骨が折れてしまっていた母も、たまに行って父の世話をした。ある日、病院のテレビで新元号の話題が出ていた。父はきょとんとしている。「お父さん、来月は元号が変わるよ!」と言うと、「へー!」と驚いた。「新しい元号は、令和だよ!」、「ほー!」「陛下は、御退位遊ばせるという大御心を、御自ら御発表なされたでしょ?」、「ふーん?」「御存命のまま、東宮殿下に御譲位遊ばすんだよ」、「はー!、そうか・・・」「二百年振りの生前退位だって!」、「ははあ」「次の元号は令和だよ!」、「ほー!」「令嬢や令息の令に、平和の和だよ!」、「ああ」「うるわしく御国が弥栄えますことを祈る元号だね」、「ははは」「良い時代になるね!」、「そうだねえ」「ところで、新しい元号は何?」、「うーん」「令和でしょ!」、「あーそう」「わたしは誰?」、「・・・息子でしょ?」「名前わかるの?」、「わかるよ、ふみきだよ」父は入院二日目に、わたしの名前を思い出した。

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      よかったこと 2

      翌日の朝、病院行くと父がベッドに寝ていた。夜は暴れたらしい。看護師四人で押さえたが間に合わず、拘束されたという。目の醒めた父が、にこにこ笑う。「おはよう」と言うと、「おはようございます」と返してくる。これはまずい。「誰だか分かる?」と訊くと、にこにこしてうなづいている。「息子だよ!」と言うと、「そうですか!」と会釈する。「顔色が良くなったんじゃないの?」と訊くと、「そうですね!」と応える。生まれて初めて、父から敬語で話されてしまった。一晩でボケてしまうのか。意識が朦朧とする中、余程不安だったのだろう。医師からは入院を告げられる。脳に緊急性はないが、鼻血の経過をみると言う。脳のことは、ほっとしたが、ボケが気になった。集中治療室から入院病棟に移されて間もなく昼時になった。父は「食べる」ということを忘れていた。食事は見えるのだが、どうしたらいいのか分からない。試しに口まで運んでみると、もぐもぐやりだす。これならば食えるのかと安心し、食事を介助する。腹が一杯になった父は、そのまま寝てしまった。これは夕食も食わせないといけないな。そう思って病院を後にした。近所の病院で助かった。

  • 26Apr
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      よかったこと 1

      父が風呂に入っている。犬の散歩からの帰りがいつもより早い。どうも妙だ。風呂のドアが開いているので、ふと覗き込むと、湯船に浸かりながら父が鼻血を流している。どうしたの?と訊くと、「転んだんだよ」と飄然としている。慌ててタオルを渡す。父はタオルで鼻を押さえながらも、ぬるい湯にのんびり浸かっている。散歩中に何があったのか思案しながら、いくつか父に問いかけるが、父は至って呑気に構えている。父を風呂から上げる。ちょっと見ない間に、かなり痩せている。下着をはこうにも、足が思うように上がらない。二週間ほど前、やはり犬の散歩中にひっくり返り、頭痛でほとんど食べずにいた。病院で調べたが問題はなかった。しかし、急激に落ちた筋肉は、そう簡単に回復しない。ふらつく足での外出は危険きわまりなかったが、ふと目を離した隙に犬と出掛けて、すぐさま鼻血をたらしながら帰ってきたのだ。父は心臓の手術をして以来、血液がさらさらになる薬を飲んでいた。これは良いようで恐い。ちょっとした傷でも血が止まらないのだ。脳内の出血を、わたしは恐れた。風呂から上がり、横にさせ安静にさせたが血はにじむ。これではいかんと病院に運ぶと入院となった。病院に運んだら、父の顔色が青白くなった。声に力がない。瞳はいつもと違う色になっている。父が目の前でみるみる別人になっていく。検査では心配ないと言われる。不安のまま、わたしひとり帰った。

  • 25Feb
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      その一歩を踏み出せない時

      日常生活は送っている。病気でもない。何か、新しいことにチャレンジさえしている。でも、時間は、あの時から止まったまま。心の時間が止まっている。ショックな出来事。ひどく傷ついた出来事。取り返しのつかないような出来事。一生懸命前向きに生きているはずなのに、心から笑顔になれない時。もしかしたら、心は、あの時から前に進めなくなっているのかも知れない。自分の中の時間は、止まったままなのかも知れない。・・・しかし、時として、そんな心を、揺さぶるような出来事がある。死に直面するような出来事だ。そんな時、止まった時間をそのまま本当に止めて人生を諦めてしまうのか。それとも、止まった時間を再びスタートさせるのか。自分次第。映画「ゼロ・グラビティ」は、ある不幸な出来事以来、止まったままの時間を生きて来た女性が主人公だ。彼女の名は、ライアン。なぜ、ライアンが、くたくたになって自分を顧みる暇も与えないような激務を、地上で長年こなし続けて来たのか。さらに、なぜ、死と隣り合わせの宇宙という空間に、敢えて自らを向かわせたのか。・・・彼女の時間は止まっていた。かつて、大切な人を突然失った。諦めきれなかった。しかし、宇宙での死の恐怖が、彼女を激しく揺さぶる。彼女の時間が、再び動き出す。新しい人生が始まる。地上に降下する火だるまの宇宙船の中で、「無事にたどり着くか、10分後に焼け死ぬか、どちらだろうと、誰のせいでもない。いずれにせよ、これは最高の旅よ!」そうライアンは叫ぶ。・・・命がけでライアンを救おうとした同僚のマットが言った言葉が忘れられない。「諦めることも学ぶんだ」命をかけたマットの言葉が、ライアンをゆっくりと目覚めさせる。そして、地球に帰還する勇気が芽生える。わたしも、止まった時間を生きて来たかも知れない。わたしも、「これは最高の旅」と思えるようになりたい。止まった時間を動かすために、閉ざしていた心を開くために、一歩踏み出したい時に、この映画を、時々観ている。平史樹

  • 31Jan
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      新しい時代の始まり

      気がつけば、平成も終わりだと言う。いつか行こう、いつでも行ける、と思っていた皇居で行われる一般参賀に、慌てて出掛けたのは去る一月二日のことだった。昭和生まれのわたしは、いつまでも平成に馴染めないでいた。転校生が新しいクラスに溶け込めないまま三学期が終わろうとする頃やっと友達ができたかのように、今上陛下と皇后陛下に揺るがない親しみと敬意を感じるようになってからの、御退位の決定であった。十二月のお誕生日の記者会見に納得しつつ、一方惜別の思いもいよいよ増しながら、未練の気持ちで皇居に向かった一月二日、二重橋前で列を成して静かに数万の人らと待っていると、参賀の行われる宮殿の方角から、陛下の声が漏れ聞こえて来た。早くから来た参賀者は既に宮殿前に案内されていた。一斉に耳を凝らす、二重橋前の群衆。静まる晴天。わたしは初めて陛下のお声を間近に聴いた。「・・・新年、おめでとう・・・」全身が、温かさで覆われた。耳で聞く音声というよりは、全身が震えながら受けとめる体験だった。陛下のお言葉は、祝詞のようだった。日頃寸暇もたゆまず人の幸せを祈って祈って祈り続けるかたの、言霊の力とはこういうものかと思った。わたしにとってはそれだけで充分、皇居にお参りした甲斐があった。その後ようやく宮殿前にもたどり着き、お姿にも接することができた。しかし、初めてお声を聞いた時の衝撃は忘れられない。天皇とは英訳する際、priest-king(プリーストキング)即ち祭祀王と呼ぶ人もいる。確かに、祭祀王だ。十数万の参賀者は、皆陛下に触れ、温かさに包まれ、御神徳を頂いた初詣の参拝者のように豊かで幸せな顔をして、ゆっくりと余韻を味わいながらそれぞれの家に、そして人生に帰って行った。平成の御代から、次の御代へ。元号だけではない、時代が変わる。そんなことを思いながら、このひと月、静かな緊張感の中で過ごした。新しい時代の足音に、そっと耳を凝らしていた。ニュースをいつもより注意深く読み、天気にも敏感になっていた。天気とは天の気だ。今日、久しぶりに東京に雪が降った。雨混じりの温かい雪が、白く舞うのを見て、少しほっとした。多少の混乱はあっても、きっと越えて行ける。そんな安心を白い雪に感じた。それで、久しぶりにブログも書くことができた。平史樹

  • 30Sep
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      クミコの場合は

      現実よりも夢が大事。夢なんて見てないで現実を見ろ。どっちかな?どっちもアリだな。そんでもってクミコさんの場合は、いい会社で働いていて現実的に恵まれていると言えなくもないんですが・・・オフィスじゃ魂抜かれたカラッポ人形状態で、社長のお茶を淹れてるわけですよ。アパートに戻るとそこには映画「ファーゴ」のビデオが・・・「ファーゴ」は実話が元の映画で、最後に大金をとある場所に隠すシーンで終わるわけですが、クミコさんは大金が隠された場所を特定するために、ビデオ機がブッ壊れるまで「ファーゴ」を見まくるわけです。そして、いつの日か、隠された大金を自分が掘り出すことを決意します。いや・・・大金を掘り出すことを夢見ることが、彼女にとっての楽しみだったのかも知れません。「所詮ムリだろうけどさ・・・夢があっていいじゃん?」みたいな。会社では浮いた存在。プライベートの友だちもいなさそう・・・。そんな彼女のことを、私生活でもなんとか現実に引き留めてくれていたのがブンゾーです。ブンゾーはうさぎさんですから、耳の先からシッポの先まで100%リアルの世界。「あっ、しまった!ブンゾーに餌買って行かなきゃ!」半分幽体離脱しかけて「ファーゴ」の世界に浸るクミコさんも、ブンゾーがいるおかげでリアルな現実世界に帰って来れるわけです。遅刻しながらも会社に通えたのは、ブンゾーのおかげだろうなあ。しかしクミコさん、会社でイロイロあってプッツン。「ファーゴ」のお宝を探しに、近所に買い物に行くような格好でアメリカに飛ぶのでした。ブンゾーはどうしたかって?そう、そこです。アメリカに飛ぶ前、クミコさんは「自由にどこへでも行っていいんだよ」とブンゾーを公園に放します。あ、やばい。本当にプッツンしちゃった。ブンゾーという命綱を自ら手放してしまったくみこさんは、夢の世界へ、どこまでもどこまでも飛んで行くのでした。フランシーヌの場合は、「あまりにもおばかさん」と歌われました。フランシーヌも、夢に生きていた人かも知れない。クミコの場合は、おばかさんと言えるでしょうか?おばかさんだと、言い切れるでしょうか?映画の名前は「トレジャーハンター・クミコ」です。観る人すべてがクミコになれます。現実にプッツンして逃げ出したくなる人に。観る人すべてに「ファーゴ」があるわけではありません。自分を支えてくれる夢の世界が。この映画はリトマス試験紙になり得ます。現実に価値を置き、現実を大事に生きている人にとっては、クミコは人生の選択を誤った愚かな人間だと映るかも知れません。現実に失望し、夢を追い求める人にとっては、クミコよくやった。それでいいんだと言うかも知れません。現実も夢も大事。でもクミコが追い求めたのは夢じゃない。あれって妄想でしょ?と、クミコを皮肉な目で見る人もいるでしょう。クミコは最後までお母さんにわかってもらいたそうでした。アメリカから国際電話でお母さんと話すクミコの姿が胸に刺さりました。会社を無断欠勤したことを叱るお母さん。「会社以上に大切なことを見つけた」とクミコが言うと、「結婚するのか」と聞くお母さん。お母さんは「現実」という名の「夢」を、疑いなく信じています。お母さんなりに娘に幸せになってほしい気持ちも伝わります。それに対し、会社も結婚も否定し、クミコは泣きながら叫びます。「違うよ、お母さん!本当に大切な仕事を見つけたんだよ!」わたしも本当に大切な仕事を見つけるために歩き続けたいです。ブンゾーの世話も続けながら。平史樹

  • 05Aug
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      生産性がない?

      「生産性がない」子どもを作らないからということで、ある議員が、同性カップルのことをこう表したらしい。その議員の真意は知らない。議員は議員なりの前向きな主張があって発言したのだろう。しかし「生産性がない」という言葉がクローズアップされて、メディアに溢れている。わたしは、たまたま性的少数派ではない。しかし、「生産性がない」という言葉が心に刺さった。わたしは、寝たきりで何もできない日々を体験している。その時、自分が「生産性がない」ことに打ちのめされた。その経験は、自分のほんとうの価値を探す人生へと導いた。「存在するだけで価値がある」と心から思えるようになったのは、アーノルド・ミンデル先生にお会いした経験からだ。ミンデル先生は、一緒にいるだけで「自分は存在して良い。生きていて良い」と人に感じさせる不思議な力がある。温かく明るくユーモアにあふれる人だ。今は、「存在するだけで尊い」と思うから、カウンセラーもできる。絶望の中にも、希望を探せる。それなのに、「生産性がない」という表現に、わたしはドキッとした。今回の経験を、一層、自分のことも、人のことも、大切に生きる決意を与えた経験に変えたい。平史樹

  • 31Jul
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      車、捨てました。

      20年、24万キロ。生活を支え、生活を作って来た車を捨てて、半年ほど経った。全く使わないで庭の隅でシートをかぶって寝ていた自転車に油を差して、毎日乗るようになった。不便さは、全く感じられない。どうしても必要な時には、レンタカーを借りている。しかし、それも半年で3回ほどしか使っていない。自分にとって、自動車は本当は必要のないものだとわかった。平史樹

  • 10Jun
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      「誰もが目標を持っている」

      「Todos tenemos un plan 」という映画を観た。アルゼンチンが舞台のスペイン語の映画だ。英語の題は、「Everybody has a plan 」訳すと、「誰もが目標を持っている」planを目標と訳したのは、劇中ロサがアグスティンに語るセリフから、何か特定の「計画」ではなく、人生の「目標」とするのが適当かと思ったからだ。ロサとアグスティンは、互いに惹かれ合い、想いを確かめ合う。ロサが心許したアグスティンに、そっと胸の内を打ち明けるシーンに、そのセリフはある。ロサ 「人を傷つけずに 生きられるかな    難しいけど やってみるのが大事よね    人は皆 悪い心を持っているわ    でも本当に人を傷つけたら    その悪が膨らんじゃう    反対に親切にすれば    自分の中の悪と それから    他の人の悪も しぼんでく    それが私の目標(plan)」アグスティン 「それが誰でも 親切に?」ロサ 「うん」アグスティン 「素敵だね」ロサはアグスティンの「plan」を聞くが、アグスティンは無いという。映画は、「plan」を持つ以前に、人には何が必要なのかを教えている気がする。アグスティンは、都会で医師をしていた。はた目には成功している人生のように見える。でも、心は空虚だった。ロサに包まれて、アグスティンは子どものようだ。アグスティンは、自分に何が必要だったのか悟る。ロサの母性に、アグスティンは幼い頃必要だった愛情をやっと手に入れるように見える。ロサの愛情に触れることで、アグスティンはいつか「plan」を持てるようになるだろう。映画はしかし、そこまでは至らない。「plan」を持てなかった男の人生が、悲劇的な最期を迎える。「Todos tenemos un plan 」の邦題は、「偽りの人生」自尊心や自己肯定感が持てず、空虚で「plan」が持てない男が、「偽りの人生」をさまよい生きる。果たして、アグスティンの人生は幸せと言えるのか?そのほとんどは幸せとは言えなかっただろう。しかし人生の最期に、愛情に触れて、人となれた。「偽りの人生」は、本当の人生になった。幸せに包まれたラストには、悲しい最期とは言い切れない穏やかさや温かさがあった。そして希望も。人生には、最後までチャンスがある。人は、いくつになっても変わることができる。そんなことを思った。平史樹

  • 12May
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      バグロンから来た男

      彼と知り合って、2年になる。いつも白い服を着て、静かに厨房に立っている。無口で、カウンターに座るわたしがゆっくりウイスキーを飲むのを邪魔しないようにアチャールの用意をしたり、出すタイミングを計りながら、カレーの火加減に注意したりしている。料理人という感じがしない。詩人のような雰囲気さえある。誠実で温かい。ネパールの家庭で出すそのままのカレーをリクエストし続けて2年。これまで1度も同じカレーは出なかった。季節や体調に合わせて香辛料のバランスが変わる。西明石のカレー屋ハリーの亭主、ガウタムさん。彼は、ネパールはカトマンズのはるか西、ダウラギリ山の麓、バグロンから来た。平史樹

  • 11May
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      第5回「カウンセリングカフェぎんが」5/12(土)開催

      お茶しながら、ワインを楽しみながら、カウンセリングやセラピーを気軽に体験できるカフェ。「カウンセリングカフェぎんが」第5回目の開催は5/12(土)です。場所はいつもと同じ、中目黒です。お一人で来ても、お友達やご家族で来ても楽しめますよ。今回はカウンセリングメニューとして、心理カウンセリング、カラーセラピー(オーラソーマ・カラーリアム)、アートセラピー、心理テスト(分析付き)を500円で体験できます。ドリンク・フードメニューは、コーヒー、紅茶、ハーブティー、ジュース、ビール、ワイン、ウイスキー、ケーキ、オープンサンド、カレーをご用意いたします。カレーは野菜と牛乳、スパイスで作ります。香りをお楽しみください。たましいのせんたくに、どうぞご利用ください♪--------------------------------第5回 カウンセリングカフェぎんが2018年5月12日(土)12:00~19:00JR 中目黒駅界隈--------------------------------場所など、詳細につきましては、平カウンセリングルームまで気軽にお問い合わせください。心理カウンセラー  平 史樹平カウンセリングルーム📞 090-8036-4400✉ info@taira-c.com🏠http://www.taira-c.com/心理カウンセリングに関する専門的な内容のブログは、こちらのホームページに掲載中です。お知らせコーヒーミーティング、始めました。日比谷シャンテで心理カウンセリング、実施中!毎週月曜日にi-making日比谷シャンテ店にて、心理カウンセリングをさせていただいております。下記ホームページをご覧ください。お問い合わせやご予約はi-making日比谷シャンテ店まで直接お願い致します。i-making日比谷シャンテ店03-3503-4800i-making日比谷シャンテ店 心理カウンセリングルームhttp://i-making.co.jp/salon/都内にてカウンセリング勉強会実施中毎週月曜日に都内にて、カウンセリング勉強会を開催しております。カウンセリングを仕事にしたいかた向けの、実習をメインにした会です。心理カウンセリングの実践力の向上を目指しています。学歴、資格、経験等は問いません。基本的に時間帯は20:30~22:30 料金は2000円です。見学無料です。実践!カウンセリング勉強会土曜版は毎月1回新橋にて開催中です。現在決まっている日程は 5/19 6/16 です。基本的に時間帯は15:00~18:00 料金は6000円です。見学無料です。詳細は平カウンセリングルームまでお問い合わせ下さいませ。

  • 07May
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      未明旅行

      庭に出ると、鳥がさかんに鳴いている。姿は見えない。様々な種類の鳥が、思い思いに鳴いているのに、なぜか、耳障りに聞こえない。むしろ静けさが際立って来る。普段自分が住んでいる所に、こんなにも沢山の鳥がいたとは。まるで、熱帯雨林の森のようだ。空は、不思議な青さで、空以外の物は、全て黒く見える。匂いも違う。澄んでいて、瑞々しさがあって、夜の余韻がある。空気がしっとりと、体を包むほど湿っている。さっきまで小雨が降っていた。5月。朝4時過ぎ。雨のち曇り。異世界と繋がっているように見える空の青さに立ち尽くしていたら、鳥の鳴き声が格段に減った。朝が、来てしまった。空の色が、みるみるあたたかくなった。鳥の羽ばたく音が、交互に耳をよぎる。わたしの小さな旅は、たちまち終わってしまった。 平史樹

  • 06May
    • 月に1回、あなたのオアシスの画像

      月に1回、あなたのオアシス

      お陰さまで、先日第4回目のカウンセリングカフェぎんがを、ほのぼのと開催させていただくことができました。わざわざ足を運んでいただいたお客さま、共にカフェをもり立てて下さったカウンセラーの皆さま、本当にありがとうございました!堅苦しくない、くつろいだ場で、カウンセラーと対等におしゃべりできる、気が向いたらカウンセリングやセラピーもできる・・・そんなカウンセリングカフェぎんがのスタイルがだんだん見えてきました。プロのカウンセラーがおもてなしする、温かい人のつながりを感じられる、他にない場所の創造をめざして、さらにカウンセラー仲間と工夫して行きたいと思います。今回リピーター率が、うれしいことに4割でした。「また行きたい」オアシスを、大切に育てて行きたいと思います。次回開催は5/12㈯の予定です。たましいのせんたくに、どうぞご利用ください♪--------------------------------第5回 カウンセリングカフェぎんが2018年5月12日(土)12:00~19:00JR 中目黒駅界隈--------------------------------場所など、詳細につきましては、平カウンセリングルームまで気軽にお問い合わせください。心理カウンセラー  平 史樹平カウンセリングルーム📞 090-8036-4400✉ info@taira-c.com🏠http://www.taira-c.com/お知らせコーヒーミーティング、始めました。日比谷シャンテで心理カウンセリング、実施中!毎週月曜日にi-making日比谷シャンテ店にて、心理カウンセリングをさせていただいております。下記ホームページをご覧ください。お問い合わせやご予約はi-making日比谷シャンテ店まで直接お願い致します。i-making日比谷シャンテ店03-3503-4800i-making日比谷シャンテ店 心理カウンセリングルームhttp://i-making.co.jp/salon/都内にてカウンセリング勉強会実施中毎週月曜日に都内にて、カウンセリング勉強会を開催しております。カウンセリングを仕事にしたいかた向けの、実習をメインにした会です。心理カウンセリングの実践力の向上を目指しています。学歴、資格、経験等は問いません。基本的に時間帯は20:30~22:30 料金は2000円です。見学無料です。実践!カウンセリング勉強会土曜版は毎月1回新橋にて開催中です。現在決まっている日程は 5/19 6/16 です。基本的に時間帯は15:00~18:00 料金は6000円です。見学無料です。詳細は平カウンセリングルームまでお問い合わせ下さいませ。

  • 26Apr
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      第4回「カウンセリングカフェぎんが」4/28(土)開催

      お茶しながら、ワインを楽しみながら、カウンセリングやセラピーで癒されるカフェ。「カウンセリングカフェぎんが」第4回目の開催は4/28(土)です。毎月第2土曜日の開催を目指しております。場所はいつもと同じ、中目黒です。お一人で来ても、お友達やご家族で来ても楽しめますよ。今回はカウンセリングメニューとして、心理カウンセリング、カラーセラピー(オーラソーマ・カラーリアム)、心理テスト(分析付き)を500円で体験できます。ドリンク・フードメニューは、コーヒー、紅茶、ハーブティー、ジュース、ビール、ワイン、ウイスキー、ケーキ、ホットサンド、カレーをご用意いたします。カレーは野菜と牛乳、スパイスで作ります。香りをお楽しみください。たましいのせんたくに、どうぞご利用ください♪--------------------------------第4回 カウンセリングカフェぎんが2018年4月28日(土)12:00~19:00JR 中目黒駅界隈--------------------------------場所など、詳細につきましては、平カウンセリングルームまで気軽にお問い合わせください。心理カウンセラー  平 史樹平カウンセリングルーム📞 090-8036-4400✉ info@taira-c.com🏠http://www.taira-c.com/お知らせ日比谷シャンテでカウンセリング実施中毎週月曜日にi-making日比谷シャンテ店にて、心理カウンセリングをさせていただいております。下記ホームページをご覧ください。お問い合わせやご予約はi-making日比谷シャンテ店まで直接お願い致します。i-making日比谷シャンテ店03-3503-4800i-making日比谷シャンテ店 心理カウンセリングルームhttp://i-making.co.jp/salon/都内にて実践!カウンセリング勉強会実施中毎週月曜日に新橋にて、カウンセリング勉強会を開催しております。カウンセリングを仕事にしたいかた向けの、実習をメインにした会です。心理カウンセリングの基礎の体得を目指しています。学歴、資格、経験等は問いません。詳細は平カウンセリングルームまでお問い合わせ下さいませ。基本的に時間帯は20:30~22:30 料金は2000円です。実践!カウンセリング勉強会土曜版は毎月1回新橋にて開催中です。現在決まっている日程は 5/19 6/16 です。基本的に時間帯は15:00~18:00 料金は6000円です。

  • 13Mar
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      新しい居場所づくり

      先日第3回目の「カウンセリングカフェぎんが」を、お陰さまで賑やかに開催させて頂くことができました!心理カウンセリングや各種のセラピーなど、心理療法を身近に感じていただくための空間作りを目指して始めたこの企画ですが、たくさんの人が寄り集まると物事は思いがけない方向へと成長していくものです。「癒された~!」という反響を目指していたところ、実際は、「楽しかった~!」という感想をよく伺います。企画者として想定外の喜びです。温かい雰囲気や、安心できる雰囲気。カウンセラーもお茶しながらくつろいで会話するラフな雰囲気。夢中になれるセラピーの数々。子どもから大人まで、自然体で和気あいあいと交流できる雰囲気。リピーターさんも出始めました。これからも引き続き、この企画を温め続け、成長させて行きたいです。これまでにない、新しい居場所を創造できればと思います。次回の「カウンセリングカフェぎんが」は、4/28(土)の予定です。たましいのせんたくに、どうぞご利用ください♪--------------------------------第4回 カウンセリングカフェぎんが2018年4月28日(土)12:00~19:00JR 中目黒駅界隈--------------------------------場所など、詳細につきましては、平カウンセリングルームまで気軽にお問い合わせください。心理カウンセラー  平 史樹平カウンセリングルーム📞 090-8036-4400✉ info@taira-c.com🏠http://www.taira-c.com/お知らせ日比谷シャンテでカウンセリング実施中毎週月曜日にi-making日比谷シャンテ店にて、心理カウンセリングをさせていただいております。下記ホームページをご覧ください。お問い合わせやご予約はi-making日比谷シャンテ店まで直接お願い致します。i-making日比谷シャンテ店03-3503-4800i-making日比谷シャンテ店 心理カウンセリングルームhttp://i-making.co.jp/salon/都内にてカウンセリング勉強会実施中毎週月曜日に都内にて、カウンセリング勉強会を開催しております。カウンセリングを仕事にしたいかた向けの、実習をメインにした会です。心理カウンセリングの実践力の向上を目指しています。学歴、資格、経験等は問いません。基本的に時間帯は20:30~22:30 料金は2000円です。詳細は平カウンセリングルームまでお問い合わせ下さいませ。

  • 25Feb
    • 第3回「カウンセリングカフェぎんが」3/10(土)開催の画像

      第3回「カウンセリングカフェぎんが」3/10(土)開催

      お茶しながら、ワインを楽しみながら、カウンセリングやセラピーで癒されるカフェ。「カウンセリングカフェぎんが」第3回目の開催は3/10(土)です。毎月第2土曜日の開催を目指しております。場所はいつもと同じ、中目黒です。お一人で来ても、お友達やご家族で来ても楽しめますよ。今回はカウンセリングメニューとして、心理カウンセリング、カラーセラピー(オーラソーマ・カラーリアム)、アートセラピー、心理テストを無料で体験できます。ドリンク・フードメニューは、コーヒー、紅茶、ハーブティー、ジュース、ビール、ワイン、ウイスキー、ケーキ、ホットサンド、カレーをご用意いたします。こちらは有料です。たましいのせんたくに、どうぞご利用ください♪--------------------------------第3回 カウンセリングカフェぎんが2018年3月10日(土)12:00~19:00JR 中目黒駅界隈--------------------------------場所など、詳細につきましては、平カウンセリングルームまで気軽にお問い合わせください。心理カウンセラー  平 史樹平カウンセリングルーム📞 090-8036-4400✉ info@taira-c.com🏠http://www.taira-c.com/お知らせ日比谷シャンテでカウンセリング実施中毎週月曜日にi-making日比谷シャンテ店にて、心理カウンセリングをさせていただいております。下記ホームページをご覧ください。お問い合わせやご予約はi-making日比谷シャンテ店まで直接お願い致します。i-making日比谷シャンテ店03-3503-4800i-making日比谷シャンテ店 心理カウンセリングルームhttp://i-making.co.jp/salon/都内にてカウンセリング勉強会実施中毎週月曜日に都内にて、カウンセリング勉強会を開催しております。カウンセリングを仕事にしたいかた向けの、実習をメインにした会です。心理カウンセリングの基礎の体得を目指しています。学歴、資格、経験等は問いません。詳細は平カウンセリングルームまでお問い合わせ下さいませ。基本的に時間帯は20:30~22:30 料金は2000円+会場費です。

  • 13Feb
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      アートセラピーは楽しい!

      第2回「カウンセリングカフェぎんが」では、新たなメニューとしてアートセラピーが加わりました。パステルを使って、思い思いに彩色して行きます。これが理屈抜きに楽しい!白い紙が鏡となって、心の色が映し出されて行く感じです。自分にとって、しっくりと来る色を夢中で探し、好きなように指先で紙に色を重ねていくうちに、どんどん集中して行きました。ものすごい没入感。塗り絵を仕上げるようなもんかなあ?と思ったら大間違い。色を重ねれば重ねるほど、自分が表れ出てくる感じです。やってもやっても終わりがない。どこまでもどこまでも探求できる感じ。どんどん集中し、感覚は鋭敏になり、興奮してハイな状態に。楽しくてしょうがない。ひとりでやったら没頭しすぎて心の中のカオスの蓋が開いちゃいそうでしたが、アートセラピストのかずこ先生がうまくサポートして下さり、キリのいいところで作品として現実世界に着地することができました。やってみて、確かにセラピーだ!と思いました。心が解放された感じ。自分の中の、何かに触れた感じ。理屈抜きに「楽しい!」という感じ。第3回「カウンセリングカフェぎんが」は、3/10(土)中目黒の同じ場所にて開催予定です。カフェで日常に癒しを取り入れましょう♪参加された皆さまの作品です。人生いろいろ。--------------------------------第3回 カウンセリングカフェぎんが2018年3月10日(土)12:00~19:00JR 中目黒駅界隈--------------------------------場所など、詳細につきましては、平カウンセリングルームまで気軽にお問い合わせください。心理カウンセラー  平 史樹平カウンセリングルーム📞 090-8036-4400✉ info@taira-c.com🏠http://www.taira-c.com/お知らせ日比谷シャンテでカウンセリング実施中毎週月曜日にi-making日比谷シャンテ店にて、心理カウンセリングをさせていただいております。下記ホームページをご覧ください。お問い合わせやご予約はi-making日比谷シャンテ店まで直接お願い致します。i-making日比谷シャンテ店03-3503-4800i-making日比谷シャンテ店 心理カウンセリングルームhttp://i-making.co.jp/salon/都内にてカウンセリング勉強会実施中♪毎週月曜日に都内にて、カウンセリング勉強会を開催しております。カウンセリングを仕事にしたいかた向けの、実習をメインにした会です。心理カウンセリングの基礎の体得を目指しています。学歴、資格、経験等は問いません。詳細は平カウンセリングルームまでお問い合わせ下さいませ。基本的に時間帯は20:30~22:30 料金は2000円+会場費です。

  • 09Feb
    • 第2回「カウンセリングカフェぎんが」2/10(土)開催の画像

      第2回「カウンセリングカフェぎんが」2/10(土)開催

      明日2月10日(土)は、第2回目の「カウンセリングカフェぎんが」を、前回と同じく中目黒にて開催いたします。この日本で、気軽に心理カウンセリングやセラピーを受けられる場所を作りたい!そんな思いでカウンセラー仲間と試行錯誤中です。明日はカウンセリングメニューとして、心理カウンセリング、カラーセラピー(オーラソーマ・カラーリアム)、アートセラピー、心理テストを無料で体験できます。ドリンク・フードメニューは、コーヒー、紅茶、ハーブティー、ジュース、ビール、ワイン、ウイスキー、ケーキ、ホットサンド、カレーをご用意いたします。こちらは有料です。前回大変好評だったカレー。野菜と豆、スパイスと牛乳のみで作ったベジタブルカレーでした。今回は野菜と豆、フルーツとスパイス、牛乳と鶏肉を使ったチキンカレーを作る予定です。甘口から涙の出る辛口まで調節できます。アメブロでは直前のお知らせとなってしまいましたが、よろしければ気軽に遊びにいらしてくださいね。--------------------------------第2回 カウンセリングカフェぎんが2018年2月10日(土)12:00~19:00JR 中目黒駅界隈--------------------------------場所など、詳細につきましては、平カウンセリングルームまで気軽にお問い合わせください。心理カウンセラー  平 史樹平カウンセリングルーム📞 090-8036-4400✉ info@taira-c.com🏠http://www.taira-c.com/お知らせ日比谷シャンテでカウンセリング実施中毎週月曜日にi-making日比谷シャンテ店にて、心理カウンセリングをさせていただいております。下記ホームページをご覧ください。お問い合わせやご予約はi-making日比谷シャンテ店まで直接お願い致します。i-making日比谷シャンテ店03-3503-4800i-making日比谷シャンテ店 心理カウンセリングルームhttp://i-making.co.jp/salon/都内にてカウンセリング勉強会実施中毎週月曜日に都内にて、カウンセリング勉強会を開催しております。カウンセリングを仕事にしたいかた向けの、実習をメインにした会です。心理カウンセリングの基礎の体得を目指しています。学歴、資格、経験等は問いません。詳細は平カウンセリングルームまでお問い合わせ下さいませ。基本的に時間帯は20:30~22:30 料金は2000円+会場費です。

  • 22Jan
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      『あなたの人生の物語』を読んで

      生きている、ただそれだけでも尊い。自分には何ができるのか、何になるのか、それらは本質ではありませんでした。今、生きている。それだけで人は限りなく愛おしく、かけがえがなく、無条件に輝いていると思います。・・・小さなころからわたしは、いつか自分にも訪れるであろう死について考えることがたびたびありました。自分の中で死を、どう受け止めていくか。受け容れたくない、死。死との対決は、時間との戦いでした。時は流れるもの。その時の流れに沿って、人は望まなくても必ず死の港に、吸い寄せられるように流れ着いてしまう。以前はそう思っていました。小さな頃は、それでもまだわたしの命の日程表には余裕があって、「まだ先だ。まだ死ぬまで余裕がある」と、自分に言ってきかせて安心させていました。ここ数年、既に自分は死について、目をそらせる年齢でもないことを実感するようになりました。そんなある時、「時間は錯覚に過ぎない」という考えがあることを知りました。ある物理学者によると、時間というものは存在しないのだそうです。そうしてみると、「過去、現在、未来というものはなく、すべては今、ここにある」という考えが、単に心の世界だけでなく、現実の世界にもあてはまるのではないか?と、わたしには思えて来ました。決定的だったのが、『あなたの人生の物語』というテッド・チャンの小説を読んだ体験でした。主人公のルイーズは、未来に生まれるであろう娘が、自分より早くしかも若死にしてしまうことを知った上で、結婚と、そしてその娘の出産を選択します。わたしは初め、そんなルイーズを理解できませんでした。早世することをあらかじめ知っておきながら、その子を産めるものだろうか?切なすぎる。ルイーズの能力は、我が子が早死にするという結論だけを予測できるというものではありません。娘との会話、その時の表情、着ている服までわかるのです。もしも、我が子の人生の結末だけに気を取られ、その悲しみを避けようと結婚と妊娠を避けていたら、ルイーズは娘と生きる体験と、そのあふれるような喜びのすべてを逃してしまう。娘の存在そのものも、なかったことにしてしまう。ルイーズは娘を産むことを選びます。なぜ産むんだ!?わたしはルイーズを理解したい気持ちで一杯で、明けても暮れてもルイーズの気持ちを想像しました。わたしがルイーズと同じ境遇になっても、産むだろうな・・・。何日かかけて、この結論に達しました。すると不思議にも、わたしの人生観や時間に関する感覚も、変化していることに気づきました。人は、ルイーズほどではないにせよ、人生の結末を知っています。それは、死です。そこから目をそらさず、避けられないものとして受け容れた時、そこから得られるものは切なさでしょうか?虚しさでしょうか?わたしは、生きていることが一層輝いて見えるようになりました。自分の人生はもちろん、人の人生もです。何をするか、よりも、どのようにするか、質を考えるようになりました。小さなことに、あまり捕らわれないようになりました。死そのものに対する不安や恐怖が、全くなくなったわけではないと思います。ただ、人生のすべての経験について、結末はどうであれ、その経験ひとつひとつが、かけがえのないものとして愛おしく、尊く感じられるようになりました。これまでに失敗したことであれ、過ちであれ、すべて。心理カウンセラー 平史樹