「読み・書き・計算」で、前頭前野を活性化させようとする、東北大学の加齢医学研究所の川島隆太教授の脳科学(「物理的」な話)の別動隊の「論理的」な話が書かれた貴重な本だと思います。私は脳科学者(川島隆太教授)や高齢者を専門とする精神科医の医学者(和田秀樹氏)が、脳について何を言っても、脳は遺伝的(DNA)な要素が強いと思っています。ただ、川島隆太教授が言うように、音読や単純な計算が、全脳をまんべんなく一時的に活性化させるのは、間違いのない事実なんだろうとは思います。それに対して、和田秀樹氏の、この本は、前頭葉を使おうというより、単に頭をよく使おうという、そのための思考の癖の工夫を並べたものだろうと解釈できます。老人が陥りがちな思考の悪い癖を並べたものとも考えることもできます。この本が言っていることを実践するには、ホンモノの学歴や教養が必要なような気もします。この本に書かれていることは、元気がある老人は、みんな自然に実行していることのような感じもします。気楽に読める、何回も読んでも面白い、高齢者やその前の人が、座右の書として、タメになる本だと思います。