県大会競技スタート | 手話通訳者のブログ

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昨日のブログ記事「県大会受付」の続き。



小林氏が来てくれた。
俺は通訳に徹しているので、下記は小林氏と一郎君の会話。


一郎君、スタート合図のピストルの音、聴こえないよね?
「はい」
そうか・・・じゃ、やはり、通訳さんに合図してもらおうか。
「いえ、考えたんですけど、隣の選手のスタートを見て同時にスタートします」
そうか、じゃ、それでいこう。


スタートの時間が迫ってきた。一郎君と一緒にスタート位置へ。
緊張しているようだが、冷静さを保っている。問題なさそうだ。スタートの時がきた。
一郎君のスタート位置から10メートルの地点でしゃがんで、待機。
この位置にしたのは、スタートに問題があると再スタートになるが、ピストルの音が聞こえない一郎君はゴールまで走ってしまう恐れがあるから。

一郎君、スタート!しかし、ピストルより一瞬早かった。フライングを示すピストルが鳴った。
腕を伸ばして、一郎君を止める。
大会スタッフが一郎君に近づいてくる。

「フライング。もう一度やると失格だから、気をつけて」一郎君に通訳。

緊張の一瞬。一郎君、フライングは気をつけろ、失格だけは嫌だよね。

スタート!今回は素晴らしいタイミング。この組はほとんど差がない。
スタート地点から見ていると、一郎君の順位がわからない。

競技が終わった選手たちがいる場所へ移動。

通常、こういう通訳ならば数人の手話通訳者が派遣されるが、今回の出場が一郎君だけだからか、俺一人だった。
ご家族が話しているところへ。


「残念ながら、最下位でした」
そうですか・・・頑張ったんだけど、残念でしたね・・・・
「今日の参加競技はこれだけなので、今日は通訳終了、ということでいいですか?」
了解です。


小林さんが来てくれた。俺は通訳に徹しているので、下記は小林さんとろうママの会話。


「残念ながら、全国大会へは行けなかったね・・・」
はい。でも、初めての参加で県大会まで来たので、褒めてやりたいです。
「その通りです。何年も陸上やってる選手でも、なかなか県大会まで来れないですから」
はい・・・

「成績上位の選手が参加する地区大会が秋にあります。一郎君には参加資格がある」
えっ、そうなんですか?
「はい」
よかった!不完全燃焼で、本人は不満みたいだから、他の大会に出場できるんですね。
「そうです。頑張ってください」
ありがとうございます!たいしさん、次も通訳お願いします。



<つづく>