職権濫用罪(読み)しょっけんらんようざい | 手話通訳者のブログ

手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

 

 

 

 

日本大百科全書(ニッポニカ)「職権濫用罪」の解説

 

 

 

 

上記からの抜粋

公務員がその職務を行うにあたり、職権を濫用する罪。国家法益に対する罪の一種で、国家の司法・行政作用の適正を害する罪である。実際的には、国家権力の濫用から国民の自由や人権を守るうえで、重要な意義を有する。そこで、日本国憲法、とくに第15条2項や第36条の趣旨を受けて、職権濫用罪の法定刑は全般的に引き上げられるとともに、刑事訴訟法上も、準起訴手続の制度が新設された(262条以下)。

 現行刑法には、職権濫用罪として、公務員職権濫用罪(2年以下の懲役または禁錮、193条)、特別公務員職権濫用罪(6月以上10年以下の懲役または禁錮、194条)、特別公務員暴行陵虐罪(7年以下の懲役または禁錮、195条)のほか、後の2罪については結果的加重犯の規定(196条)がある。公務員職権濫用罪は、公務員が、その職権を濫用し、人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害する罪である。特別公務員職権濫用罪とは、裁判・検察・警察の職務を行う者、またはこれらの職務を補助する者が、その職権を濫用して、人を逮捕または監禁する罪である。特別公務員暴行陵虐罪は、裁判・検察・警察の職務を行う者、またはこれらの職務を補助する者が、その職務を行うにあたり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行または陵辱もしくは加虐の行為を行う罪、および、法令によって拘禁された者を看守または護送する者が、被拘禁者に対して暴行または陵辱もしくは加虐の行為を行う罪とからなる。

[名和鐵郎]