胃は口から入る飲食物を受け腐熟する「水穀の海」である。
胃は五臓六腑に栄養を供給する源泉。
吐酸(とさん)
すっぱい水が胃から持ちあがってきて口内に吐出されること。
吐酸のみ単独の場合もありますが、胃痛やげっぷを伴うことが多くあります。
胃酸過多・胃潰瘍・逆流性食道炎などに多くある症状です。
〈病証鑑別〉
一、肝火内鬱による、胃気不和(熱証)
→肝臓のストレスが胃に及び上逆する病状
- 吐酸やげっぷし臭いがつよくなる。
- みぞおちが重苦しい。
- 大便かせ臭くなる。
- 口が乾きやすくのどが渇く。
- いらいらしやすく落ち着かない。
- 両脇が張って痛む。
二、脾胃虚寒し、運化不能(寒証)
→胃腸消化器官の機能不足によって冷えによる代謝低下
- 吐酸があったり止まったりを繰り返し、げっぷが生臭くなる。
- 胃から胸の辺りがもやもや苦しくなる。
- 唾が口いっぱいにたまる、またはよだれが出やすい。
- 温かい飲食を好み、冷たい物は避けたい。
- 手足が冷える。
- 大便がゆるい。
三、宿食し、湿痰停飲
→食べ過ぎによって胃から腸への気が不通となる
- 胃に積熱感がある。
- 胃脘部が痞える。
- 食べ物を見ると気持ち悪くなる。
〈治療方薬〉
一、肝火内鬱による胃気不和(熱証)
- 左帰丸加味方
- 柴葛平胃散
二、脾胃虚寒し運化不能(寒証)
- 香砂六君子湯加味方
- 理中湯
- 温胃飲
三、宿食湿痰停飲
食滞実証
- 保和丸加減方
- 梔連二陳湯
脾気虚寒証
- 麴朮丸
- 八味平胃散
- 干姜丸 →胃腸虚弱消化器疾患