さて、学校週5日制って、なんで導入されたんでしょう。
当時の文部科学省が出した資料に詳しいです。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/week/index_a.htm
これを読むと、学校で勉強をするだけでは得られない、多様で、豊かな経験をさせることが、子どもに必要であると考えられていたことがわかります。
例えば、虫をつかまえるとか、魚を釣るなどの自然体験、果物の皮をむいたり、お手伝いをするなどの生活体験、町内のイベントやボランティアに参加するなどの社会体験、そんな体験を、させることが目的だったわけです。
上のグラフは、自然体験をしている子どもほど道徳観や正義感が高いとの結果を表していますけど、実際のところは、どうなんでしょうか。
最近の子どもは、魚の切り身が海で泳いでいるとか、カブトムシは電池で動いているとか、ホタルは機械仕掛けだとか思っているとは、さすがにネタだと思いますけどね(・・;)。
上記の教育上の理由以外にも、学校週5日制を導入する理由があることも指摘されています。学校週5日制が導入されたのは、1992年が最初です。しかし、そのことが議論されていた1980年代、日本は、欧米諸国から、労働時間が長すぎると非難されていました。「労働時間を、週40時間にしなさい」という圧力があったのです。その対応のために、官公庁や公立学校に、5日制を導入したのではないかという指摘です。
下のグラフを見ると、確かに米国と比べると、労働時間の差は歴然ですね。
日本人の労働時間-時短政策導入前とその20年後の比較を中心に-http://www.rieti.go.jp/jp/publications/pdp/10p002.pdf
から抜粋
ちなみに、1992年くらいから日本の労働時間ががくっと下がっているのは、バブル経済の崩壊が主要因です。
さて、子ども、大人、両側面の事情から導入された週5日制。では、この20年の間に、どんなメリットやデメリット指摘されてきたのでしょうか。