長男の情緒 | コツブニッキ

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40歳を過ぎたら、20代の頃より人生動いてます。

4月から小学校3年生になる長男は軽度の自閉症です。
就学してから目覚しい成長を見せ、
一見、健常児と何も変わりなく見えるようです。
言われなければ全く分からないとよく言われます。
でもその裏には私の涙ぐましい努力の軌跡がある訳ですが…。

引っ越して、大丈夫かな、どうかな…と心配でした。
せっかく積み上げてきた物が、崩れ落ちたらどうしよう。
担任の先生との信頼関係を一から築かなければいけないし。
前の学校の支援級は結構スパルタでした。
練馬区には古くから「練馬方式」と呼ばれる
軍隊のような厳しい療育をやっている支援級があります。
息子がいた学級は新設校だったので
いわゆる練馬方式ではなかったけど、厳しい先生だった。
一転、新しい担任の先生は優しいお母さんのようです。
お母さん…年齢的にはそうだけど、お婆ちゃんみたいに優しい。
正直、もっと厳しくして欲しいところです。

長男は転校して、甘えるようになりました。
今まで出来ていた事も拒否してやらなくなった。
授業中、席を離れる事は前の学校では全くなかったのに
今では嫌な事があるとすぐ逃げてしまう。
療育のプログラムが全然違うようです。
新学期からの療育の方向性を話し合う機会があるから
じっくり先生と取組んでいきたいです。

学校では一進一退なのだけれど、
家ではすごく変化を感じています。
情緒が豊かになったのです。
意地悪か冷たいのかと感じる態度が多い自閉児ですが
息子は優しさを見せるようになりました。
先日、キャンプに行ったんだけど
家に帰ってきてからポロポロと泣いてるんです。
キャンプのパンフレットを見つめながら
「楽しかったから…」なんて言って。
楽しくて泣く、なんて初めてだし
私だって37年間楽しくて泣いた事なんてないから、ギョッとした。
楽しくて…泣くのかよ~~⁉

それから前回、夫が熊本に来た時は
来なくていい、パパ嫌だって言ってたのに
明日来るんだよって言ったら、にっこり笑って
嬉しそうな表情を見せた。
電話でも自分から「早く会いたいよ」なんて言って。
夫、感動したんじゃなかろうか。

そしてさっき夕方も、雨の中
つくし摘みをした空き地を歩いていたのだけど
「あっ…ああ~っ‼」なんて大きな声を出してるから
どうしたのか聞いたら、
つくしを踏まないように無理な体勢で歩いていたのでした。
や、やっさし~い……‼
微笑ましくて笑ってしまった。

学校も、もうすぐリズムが掴めてくるでしょう。
情緒が豊かになった長男が、可愛くてたまりません。
熊本に来て、忙しいししんどくもあるけど
子供と一緒の時間を噛み締めて味わえるようになった。
面と向かって対峙している感じ。
東京にいた頃は横顔しか見えてなかった気がする。
余所見をして、対峙するのを避けていたようにも思う。
今のこの生活、とても幸せな事だと思います。
三人三様の成長を、毎日嬉しく眺めています。