シュウくんが大きな声で言った。

「ゲームやり過ぎると耳から汁が出るんやでぇ!」

他の子が口々に騒ぐ。

「出るわけないじゃーん!」

「そうだよ、ゲームやり過ぎると目が悪くなるだけだよー!」

「そんなもん出たらどーすんだよーっ w」

シュウくんがまた大きな声で言う。

「ホンマやでーっ!お母さんがそう言っとったもん!」


そんなやり取りを耳から出る液を想像しながら笑いを堪えて聞いていた。

私の顔は多分 むっちゃ笑っていたと思う。

話に参加してなかった女の子が「先生 なにがそんなに面白いの?」って顔で不思議そうに私を見てた。

賑やかになり過ぎてそろそろ事態を収拾しようと思ったんだけど

ゲームのやり過ぎで耳から汁が出るとは私の口から言えないし

シュウくんが信じてるお母さんが言ったことをみんなの前で否定するわけにもいかない。

だから 最初に「耳から汁が…」って聞いたときに頭に浮かんだことを言ってみた。

「もしかして ゲームやり過ぎると脳味噌が溶けちゃって耳から出ることがあるのかなー…? 」

心なしか一瞬 静かになった気がした。

タイミング良く園にバスが着き 我先に降りたい男の子たちはすっかり頭の中を切り換えて元気に降りてった。


帰宅後 娘ッちにそんな話をしていて

「耳から汁とかっ! www」って笑いながら聞いていた妹キャンが 脳味噌の件を口にしたとたん 耳を塞ぎ

「ぎゃあああぁぁぁぁーっ!ママ!幼稚園児になんてこと言うのっ!! 怖い怖い怖いっ (><。」



え?

そんなリアルに考えないで可愛らしく想像してよ(笑)

ほら、アニメとかでよくある『口から魂』くらいの感じで。

なんで「鮭の皮は蛇に似てる」とか「塩辛ってナメクジに似てるよねー」とか言っても平気な妹キャンが耳から脳味噌ごときで怖がってンの??

って思ってた時だった。

鮭の皮と塩辛にトラウマが出来てしまってる姉キャンがすごく冷静に突っ込みを入れてきた。

「それって脳味噌ってよりも耳ダレ的ななにかだよね?それにもし 耳から脳味噌が流れ出すようなことが現実にあったとしても それって脳味噌腐敗とかして出て来るんだと思うから汁ってよりも流動的なドロッとした物の可能性が… w」





…アナザヘブンのノーミソシチュー思い出しちゃったよ。。。


あぁ、理系の しかも生物専攻してる女って嫌。

もっとユーモアのある話しよーよ。