『銀河乞食軍団 外伝4 金平糖錨地、トマト爆弾事件』 | 手当たり次第の本棚
2009-07-20 15:15:34

『銀河乞食軍団 外伝4 金平糖錨地、トマト爆弾事件』

テーマ:日本SF・ファンタジイ
銀河乞食軍団というのは、もちろん、通称。
彼らの正式名称は、もちろん、星海企業株式会社、だ。
れっきとした企業なのだ。

どちらかといえば、その日常を描いている外伝では、当然、そういう面も出てくるが、お七とネンネという中堅の職工(そして中間管理職!)が主人公なだけに、この企業における、オンジョブトレーニングもしばしば描写されるわけで、本巻はことさら、そういう面が強調されているように思う。

たとえば、そろそろ新人を卒業するという(うわー感慨深いね)、ハナコクウコヒナコの三人組を、卒業研修として中古宇宙船の競り市に連れていくとか。

それが、『惑星・熱河、採鉱作業船〈ザリ蟹〉騒動』。
今はネットオークションが普通の存在になってしまったけれど、やはり、競りといえば、会場で生に競り合うのが熱気を誘うというもの。
それだけに燃える行為なので、おネジっ子たちが、ついついノリで競りに参加しちゃうなんてのは、かなり微笑ましい。
とはいえ、遊びで競りに参加して、しかもその金額を払えませんでした、なんていうのは、明らかに競売の妨害であって、これは責められるのも当然の事。
しかもこのシリーズの事だから、また厄介な存在がここに絡んできちゃう。
お七とネンネが、どうやって虎口を脱するか、いやもう、今回もきわどいけれど、それだけに笑える。

『嗚呼、大悲恋! 〈星涯〉異次元心中』……ううん、作者は、ほんとに、人情話が好きなんだなあ、と思う。仕掛けとしてやったものを含んで、心中するのしないの、というエピソード、けっこう多いよな。
しかし、もちろん、ただの心中ではないので、今回は、好きあった者同士が結婚したいけど、これまた妙にロミジュリな展開でして、そこにあやしげな拝み屋が関わってしまうのだ。
旋風大師、キサマ何者だ!(笑)
正直、物語自体はさほど見るべき筋立てはないんだけれど、金平糖錨地におけるカレーの地位が、なかなかほほえましい。
カレー、いいよね。
そして、やっぱ、二十歳前後の時って、かっら~いカレーに挑戦したくなるものなんだよな!

『金平糖錨地、トマト爆弾事件』も、ザリ蟹騒動と同じく、企業内活動に関わる物語。
平社員もなにも職位にかかわらず、何か企業に貢献するようなアイデアがあれば、どんどん出しましょう!
というのは、今でもまだ、やってる企業があると思う(たしか、バブルの頃はけっこう流行った、と思った。つまり、この物語が書かれた時代あたり)。
ここでもやっぱり、白沙基地と金平糖錨地が競い合ってたりするが、もはやここまでくると、お七とネンネのコンビに対して、五郎八と椋十コンビが登場するのが当然な感じだし、またこの2つのコンビがけっこう仲が良いんだ。
それも、ポンポン気楽にやりあえる仲という感じかな。
そして、相変わらず独断専行して、あとで大目玉をくらう三人組おネジっ子、この2つのコンビのどちらにも、とても可愛がられている。そのへんの若々しい人間関係が、とてもいい。


『銀河乞食軍団 〈外伝4〉 金平糖錨地、トマト爆弾事件』 (野田昌弘作)
ハヤカワ文庫JA359
1991年8月31日初版

とらさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントする]

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス