『トッキュー!! (15)』 | 手当たり次第の本棚
2007-06-17 19:59:23

『トッキュー!! (15)』

テーマ:冒険・アクション
真田隊長帰国する!
そして、神林・石井というライバルどうしが、真田隊長の下で活躍を始める事になる。
前巻の、インターバル的なインドネシア編をはさんで、「第2シーズン開幕」というところか。

もともと、主人公たちの憧れの存在であった真田なのだが……。
実際のところ、その指揮はどういうものなのだろう?

さて。
人間というものは、えてして、自分を基準にものごとを判断しがちなものだ。
考えてみればあたりまえの事なのだが、自分が普通にできる事は、誰でも普通にできるように思えてしまうからだ。
それが、たとえば努力して身につけた能力であったとしても、「同じグループ(職場とかクラブとか)にいる」相手であるならば、やはり、できて当然、と思ってしまう。

まあ、たいがいは、それでうまくいく(笑)。
つまり、その能力が、おおむね平均的な範囲内におさまるものならば、多少自分と能力差があったとしても、許容範囲内と考えてしまうからだ。
しかし、もしそれが、たまたまとびぬけた能力であった、としたら?

はなから、それについていけないと感じる人は、嫌気がさしたり、いじめのように感じてしまうかもしれない。
その人に憧れているという場合は、追いつこうと努力するので、それはそれで地獄の苦しみになってしまうかもしれない。
実に、真田隊長の隊には、こういった人間的な問題が発生する事になるわけだ。
その事に、真田が気づいているにしろ、いないにしろ、厳然たる能力差が存在する時、それは避けて通れない問題ともなる。
というのは、仕事が緊急性を要すれば要するほど、トップは、「能ある鷹は爪を隠す」なんて言ってられないからね。
否が応でもその能力は発揮され、そこに差を感じる部下とか後輩は、苦しむことになる。

一方、真田以外のところでも能力差に関する厳しいドラマがある。
逆に、キャリアにそれほど差がない場合、1~2年先行している者は、常に、下に追い上げられる焦燥感を感じるというやつなんだな。
神林・石井コンビはトッキュー2年目になり、今度は後輩が入ってきているので、彼らがどんどんのびてくれば、その分プレッシャーを感じる事になるのだ。

すなわち、主人公は、下から追い上げられ、上にもなんとかして追いつきたいという、苦しいサンドイッチ状態になっている。

第2シーズンのトッキュー!!は、どうやら、海難救助という現場のスリルだけでなく、まず、こういう、どこの職場や学校にもありそうな、シビアな人間関係がドラマとして展開されるようだ。



小森 陽一, 久保 ミツロウ
トッキュー!! 15 (15)
2007年6月15日初版

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