『竜神飛翔 (2) 狼の誓い』〈時の車輪11〉 | 手当たり次第の本棚
2007-01-25 23:05:13

『竜神飛翔 (2) 狼の誓い』〈時の車輪11〉

テーマ:海外SF・ファンタジイ
本巻のサブタイトルが『狼の誓い』なので、ペリン中心の話かと思えば、蓋を開けてみると、ほとんどマットが中心。(ランド・アル=ソアは影も形も出てこない)。おおもとの1冊を、翻訳では分冊しているので、これはもう、しかたがない事なのだろう。
その分、ペリンは表紙に登場しているが、村を出た頃とはだいぶ違って、貴族らしい貫禄がついてきているもよう。
思えば遠くへきたものだ、というところか。
そういや、ランドは結婚相手の候補が複数名いながら、いまひとつ相手が定まっておらず、
マットは結婚に至る悪戦苦闘をしているところ。
3人のなかでは、ペリンだけがしっかりと結婚している、というわけだ。
幼なじみの中では、その方面で、大きくリードしているペリンなのであった。

一方、悪戦苦闘中のマットは、それでもじわじわ、トゥオンに近づきつつあるような(笑)。
アエズ・セダーイとの関係も、最初の頃に比べると、だいぶ変わった。
キツネのメダルがあるとはいえ、そしてアエズ・セダーイたちに恩を売ってるとはいえ、彼女らのひとりをつかまえてお仕置きするほどになっていたとは!(笑)
これもある意味、成長のあと、と言うべきなのだろうか。

この時にマットが意図的に用いた、「おしりをたたく」という方法、なぜか、〈時の車輪〉の物語が進むに連れて、頻繁に出てくるようになった、折檻の手法なのだ。
白い塔でも使われるし、アイール人の間でも使われている。
日本人にとっては、よほど小さい子におしおきする時にしか使わないような方法で、なんか違和感を感じる事もある。

これは、欧米人と、単におしおきのやりかたが違うというだけではなく、やはり、心理的な動きが、そもそも、違うのかもしれない。
なぜなら、本来、「おしりをたたく」というのは、欧米でも、子供に対するおしおきというのが普通のようなのだね。
それなのに、あえて、生徒であるとか、弟子であるとか、修行者であるとか、に対して行う事があるというのは、意図してかどうかはわからないが、おしおきをする側とされる側の間に、大人と子供のような、絶対的なギャップがあるのだという事を認識させるためではなかろうか。
実際、マットも、今回は、「相手に(決定的な)ショックを与えるために」あえてこの方法をとった、というように書かれてる。
そう思うと、白い塔のあの人やこの人が、特定の相手に「(この方法による)おしおきを与える」ことも、非常に納得ができてしまうわけだ。

さて、本巻のラストでは、思わぬ人の生存説が浮上して、分冊にしては、うまいこと「引いた」終わり方をしている。


ロバート・ジョーダン, 斉藤 伯好, 月岡 小穂
竜神飛翔 2 (2)
ハヤカワ文庫FT
2007年1月15日初版

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