『結界師 (7)~(8) 』 | 手当たり次第の本棚
2007-01-16 21:26:08

『結界師 (7)~(8) 』

テーマ:日本SF・ファンタジイ


主人公が担う役目が、家系伝来の特殊技術に依る事から、ここまでの話は、もっぱら、同じ血を引く者たちが中心となって展開されてきたのだが、ここで、全く異質のキャラが味方として関わって来る事になる。
すなわち、夜行から派遣されてきた、主人公と同い年の少年だ。

主人公自身、あまり人付き合いが良さそうとは言えないのだが、この新キャラ、限は、それに輪をかけて人付き合いが苦手そうだ(笑)。結界師のサポートとして派遣されてきたのに、自分から、他人と協力するのは苦手と言い切ってしまう。

そこはそれ。
主人公は、家同士が仲違いしていても、これからは両家が協力する必要があると思っているくらいだから、なんとかこの、夜行の少年とも協力関係を作りたいと考える。
ちょうど、7~8巻が、その過程を描いている事になるわけだ。

こういうところ、作者はキャラの作り方と動かし方が、うまいと思う。
現代の子供は、いろいろな理由で、昔より他人とコミュニケーションをとる事が苦手だと言われている。
それがほんとかどうかは知らないが、そういう風に世間で言っている事で、子供たち自身も、
「もしかすっと、そうなのかも」
という、漠然とした刷り込みを受けているのではないかという気がする。

まあ、そうでなくても、大人になるまでは(いや、大人になっても?)、
人付き合いがうまくいかなくて、傷付いたり挫折したりの繰り返しになるわけだよね。

だからこそ、どんな難しい相手であっても、なんとか手をつなごうとする主人公には、「いいなあっ」と思えるのだ。

それと同時に、どんなヒドい奴に思えようとも、そう見える理由は、何かあるはずだ。
そういう事を、8巻ではきちんと描いている。
「あいつなんかきもちわるいよ」
「とっつきにくくて、やだよな?」
これで終わってしまわないように。
コミュニケーションをうまくとるという事は、まず相手を理解しなくてはだめだ。
そして、諦めてはいけない。

そんな事が、全く教訓臭くなく、描かれているところが、良いのだ。


田辺 イエロウ
結界師 (7)
結界師 (8)

とらさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントする]

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス