一年の半分。六月最後の日。
これまでの無病息災に感謝。
2024年6月の俳句をまとめました。
日付をクリックすると該当の俳句が聞けます。
6/1 六月の色のはじめに水の瑠璃 上田五千石
6/2 六月や風のまにまに市の音 石田波郷
6/3 六月や洗ひざらしに糊きかせ 桂信子
6/4 吹く風をとらへかねたるほたる哉 正岡子規
6/5 六月の鴉かもめになりたくて 岡本眸
6/6 蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな 芥川龍之介
6/7 あぢさゐや真水の如き色つらね 高木晴子
6/8 世の中を美しと見し簾かな 上野泰
6/9 六月や昼寝のあとの青世界 森澄雄
6/10 木下闇抜け人間の闇の中 平井照敏
6/11 ためてゐし言葉のごとく百合ひらく 稲垣きくの
6/12 いつのまに涙のまなこ昼螢 金子兜太
6/13 人のうへやがてわがうへ螢とぶ 久保田万太郎
6/14 暮れてより白きあやめの盛りかな 草間時彦
6/15 どくだみもやさしき若葉してゐたり 平井照敏
6/16 大空の見事に暮るる暑さかな 小林一茶
6/17 老鶯として声の艶声の張 後藤比奈夫
6/18 十薬が匂ふ恋しさともちがふ 細見綾子
6/19 太宰忌は男やさしき日なりけり 山田みづえ
6/20 老鶯やふんだんに使う水の音 鈴木六林男
6/21 心澄めば怒濤ぞきこゆ夏至の雨 臼田亜浪
6/22 ひそかなる恋そのままに梅雨に入る 桂信子
6/23 紫陽花に置いたる五指の沈みけり 川崎展宏
6/24 へなへなにこしのぬけたる団扇かな 久保田万太郎
6/25 青蛙喉の白さを鳴きにけり 松根東洋城
6/26 いづくにも虹のかけらを拾ひ得ず 山口誓子
6/27 サングラス外せば見慣れたる笑顔 稲畑汀子
6/28 六月の果から白い犬が来る 橋閒石
6/29 照りつけてひかりも暑し海の上 服部嵐雪
6/30 ありあまる黒髪くぐる茅の輪かな 川崎展宏
今日はそっと身の内の茅の輪をくぐろうと思う。
暑い暑い夏が来る前に。