卒業~慄然~

テーマ:

娘が意思表示をしてくれてから1ヵ月が経った。

 

薬を飲むのをやめてから笑顔も戻り、時には動けない日もあるが

平穏な日が続く。

 

思い通りに行かなく、罵声をこちらに浴びせ怒ることも少なくなってきた。

 

私がいちいち指摘したり怒らなくなったせいもあるだろう。

 

気持ちを平穏に保つのは大変だが、本人が良かれと思ってやっていることに

ケチをつけるのは自分のこだわり。

こだわりを相手に押し付けてきた日々があの事件を引き起こしていたと

気づいてからは、自分も改めるようになった。

 

仕事で夜遅く帰ってくることが続いても、娘は嫌な顔せず受け止めてくれていた。

その都度、「ありがとう」の言葉を掛けるようにしたら、娘からも「ありがとう」が

返って来た。

 

そこに甘えがあったのだろうか。。。

 

もう飲まないとわかっていたにも関わらず、病院からもらった薬は、常に飲むことを

忘れないよう目に付く場所にあった。

いつか飲むことがあるかもしれないという気持ちがどこかにあった。

 

捨てたら良かったのに、そこにいつまでも残っていた薬。

 

夜、眠れない時にいつでも飲めるよう、手にすることが出来るよう置いてあった眠剤。

 

家にいないことが多く、手を掛けてあげられない。

必要なものがすぐに揃わないイライラする性質。

それは私にもあり、娘の気持ちはよくわかる。

むしろ、自分がそうだからというのと、手にしたものがないと必ず電話してくる。

そういうことから、仕事の邪魔をされるのが嫌だという自分本位から、

薬もそのひとつで、面倒なことからの回避だった。

娘が必要とするもの、やりたいと思うことが自由に出来る事。

自分で全てが出来るよう準備しておくことが日課だった。

 

ある日。

仕事を終えて夜遅くに帰った。

さっきまで起きていたのは一目瞭然な状況だったが、好き勝手やらせているのは事実。

そこに不便さも感じていなく、また無理なこともしない。

 

お菓子を作っても、片付けないのもいつも通り。

洗い物が嫌いな娘。

 

この日も、キッチンに溜まっていた洗い物を片付け眠る。

 

朝からの鑑定。

その日は朝の仕事が終わったら珍しいオフ。

休みがあって無い仕事。

こんな日は片付けや掃除をしようと、気持ちも穏やかだった。

 

何も変わらない。

何も起こらない。

 

そこで鳴った携帯。

保育園時代から仲良くしているママ友からのライン。

 

「娘ちゃん大丈夫?○○ちゃんのお母さんからこんな写真が送られてきたんだけど。」

 

○○ちゃんは、娘と仲良くしていた子。

私の顔を見ると走って逃げていた子。

入院した時に、大丈夫の声をかけることもせずお見舞いにも来なかった子。

信じていたのに娘を裏切り、その事実を受け止め、娘から縁を切った子。

連絡を取っていると思っていなかった。

 

そこに一緒に添付されてきた写真を見て愕然とした。

 

そこにあったのは、血まみれの写真。

 

腕を盾に何本も切り刻み、中には肉の断片が見えるくらい深い傷もあった。

 

いつやった?

どうやった?

何が起きた?

 

身体が硬直し、声も出すことが出来ず動けずにいた。

恐怖で身体が震えた。

 

寝ていると思っていた娘。

 

足がすくんで動けない。

もしかした死んでいるかも知れない。。。

そう思うと怖くて、娘の部屋のドアを開けられなかった。

 

写真が幻であってほしかった。

 

続く...