卒業~意思~

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学校に行かなくなり、毎日動画を見ては寝る。

気分の良い時には起きて来て、お菓子を作る。

辛い時には、一日中ご飯も食べずに寝てる。

 

何も出来ない親。

何も出来ない娘。

 

同じ出来ないでも意味が違う。

 

何かしてあげたくても、何をしたらいいかわからなく何も出来ない私。

何かしたいのに何をしていいかわからなく、薬の副作用で頭が朦朧としてやる気が

起きず、何も出来ずに終わる一日を過ごす娘。

 

どちらともなく「何も出来ない」を、暗黙の了解で終わる毎日。

 

「いいよ。わかってるから。」

 

何をわかっているともなく、漠然と「わかっている」つもりの毎日。

 

何も言わないこと。

何か言葉にすることで、娘の気に障り、またあの苦しい日々を過ごすくらいなら

黙っていた方がいい。

 

目の端で、娘の機嫌や行動の様子を見る毎日。

話しかけることも無く、話してくることも無い。

 

ある日。

娘から話しかけてきた。

 

「ママ。

私、学校に行かない代わりに、病院も行かないことに決めた。

薬も飲まない。

 

その代わり、レッスンにはちゃんと行くって決めた。

 

レッスンに行きたいから、薬飲まない。

ていうことは、病院に行かなくていいってことだよね?

 

薬飲むと、気持ち悪くなって気分も悪くなる。

病院にいた時は気にならなかった薬が、家に帰ってきたら

吐き気とだるさで何もしたくなくなる。

 

病気治す薬なのにおかしくない?

 

これって、私、病気治って来てる気がする。

完全に治ってなくても、効いてる気がしない薬飲むのはおかしいよね?

薬飲まない方が調子いいし、ママも飲みなさいって言わないし。

だめ?」

 

そう言われて、この子のような症状・疾患を持っている親は何と答えるんだろう。

医者に聞くべきか。

 

私の迷いが娘に通じた時の行動の方が怖い。

 

私は医者ではない。

その筋の勉強もしていない。

ただ、医者任せにしたくはなかった。

娘の気持ちを尊重したい。

 

「いいんじゃない?

その代わり、おかしいなって思った時に飲んでみたら?

勝手にやめていいものでもないだろうけど、気持ち悪くなるくなら

飲まないで様子見たら?

 

その代わり、ママからお前を見ておかしいって思った時には病院に行くよ。」

 

娘の表情は固かったが、薬から解放されるということが安堵になったのか、

一息つきこう言った。

 

「ありがとうママ。

きっと治ると思う。

まだ死にたい気持ちはあるけど、死のうとは考えてない。

前のように、死ぬ方法を探してない。

 

でも、薬飲むと死にたくなる。

だから飲みたくない。

動けない自分が嫌になってくるし、必要ないって思えて来てて、

消えたくなる。

 

普通に動けるようになるまで時間かかると思うけど、好きなことだけやっていたい。

わがままだけど、ごめんね。」

 

これが、今の娘なのであれば、その意思は尊重したかった。

 

久しぶりに聞いた娘の心の声。

信じようと思った。

死にたいから、死を考えなくなった。

 

家に帰ってくる前や退院時に受けた注意の中にあったあること。

 

『刃物を家に置かないこと。』

 

知らず知らずのうちに、ありとあらゆる場面で刃物は使っている。

 

包丁

はさみ

剃刀

カッター等

 

それらを隠すことも処分することもしなかった。

あえてそのままにした。

退院してから今まで、何もなかった。

 

隠すのが面倒だったからではなく、娘を信じたかったから。

 

だから、今回も信じてみることにした。

 

生きる意志を見せてもらえた気がしたから。

 

今ある薬が無くなっても、病院には行くのはやめよう。

娘の意思を尊重しよう。

 

何かあったら、自分の責任。

 

何かあったら。。。

 

あってはいけないこと。

あるはずがない。

そう思いながら、「何かあったら」という言葉は

心の中から消えはしなかった。

 

それでも「何もない」ということを信じようとしていた。

 

続く...