卒業~事実~

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2時。

眠れる状態じゃない。

眠気もない。

 

電話が鳴る。

夫からだった。

これから戻るという

 

娘が帰ってくる。

 

嬉しいはずが、なぜか会いたくない衝動に駆られる。

 

会ったらなんて言おうか。

怒った方がいいのか。

それとも慰めるか。

話はちゃんと聞かないといけない。

 

何があった。。。

 

ドアの開く音がした。

 

夫が入ってきて言う。

 

「怒らないであげて。」

 

怒らないで?

怒られるようなことをしてきたのなら、怒るのは当然。

 

娘が入ってくる。

 

「どうしたの?」

 

「え?」

 

「ケガしたの?」

 

「うん」

 

「どうして?」

 

「・・・」

 

夫が明日にしてあげてと言う。

そんなことは許さない。

 

「言えないの?」

 

いたたまれなくなった夫が説明する。

 

死のうと思い川に飛び込んだと。。。

川に行くまで何回も死のうと、家から持ち出したフルーツナイフで首を切り

手足を傷つけ、死ぬ覚悟が出来ないまま川に到着したと。

 

聞いた瞬間、身の毛もよだつ寒気がした。

本当だった

本気だった

本気で目の前からいなくなろうとしていた

 

ショックだった

ショックを飛び越え恐怖しかなかった

涙も出ない

 

「どうしてそんなことしたの?

どうしていなくなろうとしたの?

お前を死なせるために産んだわけじゃない!!!

謝りなさい!!!

ママにじゃなく、自分に謝りなさい!!!

心配してくれた人たちに謝りなさい!!!

みんなお前のことを心配して動いてくれてた!

感謝しなさい!!!

みんなに愛されていることを気づきなさい!!!

お前ひとりがいなくなったことでどれだけの人が動いたか。

自分のやろうとしたことを反省しなさい!!!

誰がお前に死んでほしいと思うか!

傷つけた身体に謝りなさい!!!」

 

娘の気持ちよりも自分の感情が先に立ち、怒鳴っていた。

 

娘は泣きながら『ごめんなさい』と謝った。

 

「お前は誰といたいの?

死んだらもうママにもパパにも会えないんだよ。

もう誰ともいたくないの?」

 

「ママといたい。ママと一緒にいたいよ。」

 

めいいっぱい抱きしめた。

やっと帰って来た実感があった。

 

この子がいなくなったらどうしようと本気で思った。

ふたりでしばらく抱き合って泣いた。

 

夫に、傷の手当てを受けた先生から、精神科に電話した方がいいとの言付けを聞いて

行きつけの病院に電話をした。

 

電話での対応は、本来担当医のいない日だが来てもらうとのこと。

朝9時に病院を予約した。

 

娘も夫も疲れが見えた。

 

明日、病院に予約を入れたことと先生にちゃんと話をきいてもらおうと言うと、

安心したのか笑顔で「うん」と答える娘。

もう寝た方がいいと促し、寝せる。

笑顔でお休みを言って床に着いた。

 

私は、眠れない夜を過ごした。

 

続く...