子供の気持ちは奥が知れないくらい深い。

大人が考えているほど子供の考えは浅くはない。

子供の笑顔がどれだけこちらの癒しになっているか。。。

考えたことも無い現実が毎日押し寄せる。

 

全て経験から学び、その経験を活かして生きている。

でも、いつも見ていた笑顔ひとつ見えなくなるだけで、これまで生きてきた

軌跡すら見えなくなる。

 

迷い

戸惑い

恐怖

 

もう戻ってこないかもしれない笑顔。

怖ろしいほどの感情の荒波が自分を責める。

 

娘の笑顔が無くなり、どう接したらよいかがわからない。

ただ側にいるだけの時間が迷惑に思える。

 

血の繋がった我が子なのに、他人といるような時間。

面会室の狭い空間すら果てしない空虚となる。

 

毎日、聞くことは同じ。

 

ご飯は何を食べたのか。

ちゃんと眠れているのか。

今日は何をしたのか。

お菓子は何が欲しいか。

 

毎日同じ返事。

 

言われたお菓子を毎度買って持っていき、

何日も娘の笑顔が見られることなく帰る。

 

何がいいことで何が悪いことすらわからなくなる。

 

そんなある日、娘から話しかけてきた。

 

「ママは、私がいなくなってもいいと思ったことある?」

 

「ないよ。」

 

「友達のお母さんは、この子がいなかったら私死ぬかもって言いながら

その友達に、どうしてこんなこともわからない?産まなきゃよかった。って言ってた。

ママはそんなこと思ったことある?」

 

「産まなきゃ良かったはない。

お腹にお前が入った時に、堕ろそうかと思ったのはあったけど、

産まれてきた時に、そうしなくてよかったと思ったし、産んで、産まれて来てくれて

ありがとうって思ってるよ。」

 

「それは、私が今生きてるから?」

 

「もしあの時死んで、今目の前にいなくても、産んだことに後悔はしないし

ママの所に来てくれてありがとうだよ。」

 

「そうか。。。」

 

しばしの沈黙。

 

何を隠しても今の彼女には通じない。

そう思えたことで事実を話した。

 

「もういいかな。。。」と娘。

 

「何が?」と私。

 

「もう友達のことはいいかな。

考えるの面倒になってきたし、ママが私が生きていることや私を産んだことを

喜んでくれてるならひとりじゃないって思えたからもういいや。

思いやりのある友達だと思ってたけど、人ってそんなに優しくないのわかったし、

私は私の気持ちで接してたのに、通じてなかったしわかってもらえてなかったこと

わかった。

気持ち入れ替えるわ。

友達に依存してた。。。私。」

 

「そう。。。」

 

「だからもう笑顔無くなることないと思う。

ママありがとう!」

 

やっと見れた笑顔。

天使って自分の子のことをいうんだと思えた。

それと同時に、自分が無で笑顔を捨てたことを知っていたことに気づく。

 

橋から飛び降り死のうとした娘。

生きて帰って来てくれてよかったと思った。

だけど、今まさに生きていてくれてよかったと心から思えた。

 

まだまだこれからとはいえ、転機を迎えた瞬間。

娘が帰って来た瞬間だった。

 

続く...