毎月週一回。

娘はレッスンに通っている。
歌や自己表現で自分を向上させる。
 
生命を捨てようとしたあの日から3日。
レッスンに行ってる場合なのか?
入院したはいいが、こんなに早く外出の許可が下りるのか?
 
結局、許可は簡単に下りた。
 
娘のやりたい事をやらせる。
基本はここらしい。
当然、側にいないといけないが、日常に戻る瞬間。
 
レッスンに行くためにお迎えに行く。
初めての外出。
 
お昼ご飯は家で食べたいというので、買い物に行く。
 
「ママのザンギが食べたいな」
 
家にいる事が少なくなり、揚げ物はほとんど作っていない。
どれだけちゃんと料理を作っていないのか実感する。
それでも、ちゃんと食べたいものがあってよかった。
 
以前は意外と料理を作っていた。
それこそ、産まれてからちゃんとしたご飯を食べられるようになるまで、レトルトのご飯や離乳食は食べさせたことがない。
3歳までは惜しみなく手を掛けていた。
 
母の手作りご飯で育った。
娘にもそうしてあげたかった。
 
忘れていた。
仕事を理由に忘れたフリをしていた。
 
今更だけど、全てをリセットする。
その気持ちで、その思いで、全てをゼロから始めるために準備した。
物だけでなく、こちら側の気持ちも全て過去を持ち出さず、新たな気持ちで一からの経験としていく。
 
出来たてのご飯。
野菜におかず。
お味噌汁。
娘が好きな物を揃える。
 
久しぶりに作ったザンギは、思い通りの味に揚げ加減。
自分でも美味しいと思った。
 
作ってる間に、家のシャワーがいいというので、シャワーを浴びさせる。
お風呂から上がってきて、揚げたてのザンギをつまみ食い。
 
「あっついけど上手い!!!」
 
笑顔で美味しさを表現してくれた。
 
この笑顔の自由を奪っていたんだと気づく。
全ての自由に制限をかけていた。
 
今日の娘の笑顔を忘れないようにしよう。
 
家で過ごすことは不可能だと感じた。
親を気遣う笑顔。
 
そんな笑顔をこれからは見ないよう、そんな笑顔にさせないよう心に止めよう。
 
どこか虚無の笑顔には、恐怖しか感じなかった。
その奥の優しさ。
ご飯は本当に美味しかったらしい。
その満足感は伝わっていた。
 
本来の自分を取り戻してほしい。
本来の笑顔を取り戻してほしい。
 
そんなことじゃない。
これから。
全てこれから育てると誓った。
その意味と求めるものがここにあった。
 
笑顔の裏に感じた恐怖は、今後の布石になることを
今は知らない…
 
続く…