卒業~入院⑦葛藤~

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娘の優しさに触れ、新しい自分に変わる。

でも不安は取れない。

 

入院一日目が過ぎ、前日の別れ際に見た無表情の表情は今日は見られなかった。

かといって寂しさも見られない。

毎日の面会の中で変化が見られた時こそ、娘と向き合う時なんだろうと考える。

 

家に帰り、あの日の娘の記憶がよみがえる。

 

この三日間。

ろくに寝てないことに気づく。

寝なくてもいい。

むしろ眠たくない。

疲れすぎると眠れないってこういうことなのか。。。

 

何かしていないと落ち着かない自分。

何をしていいかわからない。

 

あの子がいないとこんなにも何も出来ないのか。。。

意外ともろい自分に気づいた。

 

普段から何かやってあげたりしているわけではない。

気分が良ければご飯を作り、面倒な時は互いに食べたいものを作ったり用意して済ませる。

それはお互い様。

食べる時間もバラバラで、家族で一緒にご飯を食べることなんて月に数回。

それでも、ご飯を食べている様子を見ては安心し、親としての役割を果たしている気でいた。

 

そんなことを思い出し、色々向き合ってこなかった自分に反省しないといけないなと考える。

でも、向き合ったところで娘はいない。

 

さっき別れてきたばかりなのに、家にあの子がいないことが不思議で、まだ認めていない自分がいる。

 

ひとつ考えたら、思考が止まる。

気が付いたら途方に暮れている自分に気づく。

その繰り返し。

 

翌日の準備をしないといけない。

明日はいつも行っているレッスン。

今回のことで、お休みすると思ったら

 

「レッスンは行くよ」

 

という娘。

いまいち彼女の思考についていけていない自分もいたが、今はやりたいことをやらせるのが一番なんだと思い返す。

医者からの許可も取ってある。

 

しかし動く気にならない。

考える気力も失せている。

 

娘の部屋の戸を眺める。

 

レッスンバッグはベッドの横。

靴に名札、レッスンカード。

あと、何持っていけばいいんだっけ。。。

 

実際バッグを確認している訳でなく、頭の中でシュミレーション。

 

準備しなきゃ。。。

準備。。。

 

娘がいない。

娘のいない部屋。

見たくない。

現実を見たくない。

受け止めたくない自分。

 

準備のために戸の前に立つ。

開けられない。

開けたくない。

娘がいないことを認めたくなかった。

 

ふと時計に目がいった。

 

19時に家に帰って来たはず。

気が付いたら、時間は23時を回っていた。

 

続く.