卒業~入院⑤救い~

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入院一日目。

 

前日、学校から電話が来て言われた言葉。

 

「娘さんに伝えてほしいことがあります。友達に一緒に死のうと誘わないようにお願いします。」

 

入院になる前の話。

 

誰も知らないはずなのに、一日にしてそんな情報まで流れている。

世間は怖ろしい。

それよりも、娘がどういう状態なのか。。。

入院という世間から隔離される生活が、今は彼女に必要だと思える。

 

あれから三日。

もう何日も何年も経っている気がする。

 

昨日の娘の表情。

まだ親面しようとしている自分。

 

人の気持ちに添って相手のことを思いリーディングしている自分を恥じる

『人を救う仕事していながら娘を救えてない。』

 

守る救うを根本的に知らない。

心の整理がつかない。

でも、考えている時間はない。

 

父と母にも言えてない自分。

取り繕うことなく真実を伝えればいい。

わかっていても携帯に手がいかない。

 

以前母に、

 

「あの子は繊細だから、育て方を間違えるととんでもないことになる。」

 

それがこれなのか、また頭の中がグルグルしてる。

 

そんなことを言われた記憶から連絡出来ないでいるのは確か。

意を決して母に電話する。

 

母は、諦めと納得とみじめさをちゃんと伝えてくれた。

母の言葉は、親としての心構えと優しさがあった。

 

父にも電話した。

 

父は、私をねぎらってくれた。

 

前夫の元に置いてきた初孫。

男の子だったのもあり、父の好きな野球を一緒に出来る。

もう少し大きくなったらじいちゃんとグローブ買いに行こうと言っていた。

しかし、もう会えないとわかってから、父は荒れていたと母から聞いていた。

 

「俺はもう孫に恵まれない」と悲しそうにつぶやいていた父。

そんな最中に出来た娘。

妊娠がわかった時に、また孫が出来ると一番に喜んでくれた。

女の子とわかった時の父の顔は、会えない孫の代わりではなく、生まれてくるのを心から楽しみにしてくれた。

 

そんな思いがあり、娘の成長だけが楽しみだった父。

小学校入学のお祝いも何も出来なかった子がいたからこそ、娘には何でもしてくれた。

中学入学の準備も、全て父がしてくれた。

 

入学して三か月。

休むことなく学校に行き、もう少しで夏休みを迎える直前での今回の出来事。

 

ショックだったろうに、私を責めるでなくねぎらってくれた。

 

「生きてるならよかった。お前は大丈夫か?」

 

娘に会う前に、両親の言葉に救われた。

 

続く...