ことさんがこの仕事に入るまで その3
何度も何度も
封じ込んだ予感たち
見て見ぬふりの果てに
突然の高熱
43度に達したその熱は
インフルエンザ脳症と
診断されました。
3日間熱が下がることはなく
家族が呼ばれ
目が覚めても
元の生活はできないとの宣告
その頃
家族の心配をよそに
ことさんの意識は子供に戻って
お花畑でスキップしていました。
気持ちよく遊んでいると
「死ぬか? それとも やるか?」
と聞かれ
何をやるのかよくわからないけれど
「やるぅ~!」
と無邪気に答えたら
目が覚めました。
熱でずっとうわごとを言い
叫んでいたそうです。
家族は自分たちのことが
わかるのかを心配していましたが
「みんな何してるの?」
脳には何の異常もありませんでした。
元の通り元気に戻っていました。
不思議です。
目が覚めてみて
冷静に考えて
もう逃げられないんだ。
自分にはお役目が
あるということなのだと
覚悟を決めて
会社を辞めることにしました。
会社を辞めたら
行く場所がない
当たり前だけど仕事もない。
その時はその力が
どうやって仕事になるのか
見当もつきませんでした。
何をして過ごそう・・
途方に暮れる気持ちでした。
その4へ続きます。
■ことほぎについて■