本日は、京都三上邸での『先代舊事本紀勉強會』になります。
 けさは、どうしても氣になつて早く目覺めてしまひました。
 爾の處、傳承文化研究所主催の『和歌創作講座』を十一月から復活する事になり、その準備なども重なつて、『天皇御製に學ぶ日本の心』第二冊目の出版に當つてのクラウドファンディング事業を二十一日からスタートしたのですが、松屋さんが事務局として事業を進めて下さつてゐましたが、私が餘り對應できずにゐましたが、京都から歸京してからと思つたのですが、それでは餘りに無責任かも知れぬと考へて、けさは、『天皇御製に學ぶ日本の心』クラウドファンディング事業についての記事を擧げさせて戴き、皆様からのご協力を是非是非お願ひしたいとをります。
 これを擧げた後、京都行きの準備をして、八時半頃には家を出たいと思つてゐます。
 
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【後醍醐天皇御製】
 御題「題しらず」 『續後拾遺集』
世治(をさま)り民安かれと祈るこそ
 わが身につきぬ思ひなりけれ

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「世治まり」…「世の中が平安で治まつてゐる」。
「民安かれと」…「國民が安寧である」。
「わが身につきぬ」…「私の盡きる事のない」。
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【大御心を推し量る】
 この御製の上句にこそ天皇祭祀の目的が明徴に顯はれゐます。同時に、後醍醐天皇の「建武の新政」の目的を窺ふ事ができます。上句の「世治まり民安かれと祈ること」が天皇治政の願ひで有り、究極の目的になります。
 平安安寧の世の中の現出こそが、天皇の祈りで有り、治政と云ふ事を後醍醐天皇は詠じてをられます。この御製は、正中三年(1326)以前にお作りになられてをられます。つまり、鎌倉幕府打倒の計畫が露見して、隱岐島に遷幸される以前には作られた大御歌といふことになります。
 
※『續後拾遺集』…「後醍醐天皇、勅撰和歌集二十巻・選者二條爲藤、二條爲定」
 正中三年(1326)撰進。歌數1347首。序文は無し。二十一代集の一。
 
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 この御製は、後醍醐天皇が鎌倉幕府を倒して、天皇親政を實現する根柢に流れてゐた後醍醐天皇の大御心が窺へる御製になります。また、このやうな形式で『天皇御製に學ぶ日本の心~吉野朝篇』は書き進めて參ります。
 後醍醐天皇がお作りになられた御製は、現存する總數が僅か百七十六首になります。
 これは、御歴代天皇御製の中でもその歌數がとても少ない方になります。そして、後村上天皇も僅か百五首。長慶天皇に至つては『新葉集』に遺された全二十二首。戰亂も漸く収まりつつあつた時期に御卽位された後龜山天皇が全二百八十六首といふ歌數を遺されてをります。實際はもつと澤山お作りになられたと思はれますが、吉野朝廷は其の場所を轉々とされてゐるが爲に御製を逸失されたのではなからうかと私は考へてゐます。
 また、今囘の『天皇御製に學ぶ日本の心~吉野朝篇』では、北朝天皇樣の御製にも光を當てたいと考へてをります。歴史上、餘り顧り見られることのなかつた北朝天皇御製についても現在調べてゐて、これらについても出版に當つては収錄する豫定にしてゐます。
 ただ、殘念乍ら一般受けする書籍ではありませんので中中収益では作つて貰へませんので多くの皆様の眞心に由つて日本の歴史に遺して行きたいと私は願つてゐます。
 この『天皇御製に學ぶ日本の心』は吉野朝の後には平安朝時代、古代天皇御製、奈良朝時代、鎌倉時代、安土桃山江戸時代初期、江戸時代中期、幕末期などを遺して行きたいとも考へてゐますが、今は唯唯この吉野朝時代の天皇御製を多くの方々に知つて戴きたいといふ思ひが強くなつてゐます。
 願はくは皆様の眞心によつてこの本が日本の未來に遺されることを祈つてをります。
 このクラウドファンディング事業を進めて下さつてゐる事務局の紹介文をこちらに擧げて置きますのでご理解を賜はりたいと思つてをります。
 
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 皆様ご存じかと存じますが、7月に小林隆先生の『天皇御製に學ぶ日本の心~戦国室町編』が、ぱるす出版より、出版されました。
『天皇御製に學ぶ日本の心』シリーズは、全14冊を予定しておられ、小林先生は、現在、次の『吉野朝時代編』に取り組まれていらっしゃいます。
小林先生の研究を後世の方々に残していきたいとの想いから、2冊目以降も本として、出版をしたいと考えており、クラウドファンディングを始めることとなりました。
是非是非、皆様から御賛同いただけますと幸いです!!!
また周りの方にも広報いただけますと大変有難いです。
皆様のお知恵も借りながら、進めていきたいため、ご意見等もありましたら、是非ご教授いただきたいです。
何卒よろしくお願いいたします。
【クラウドファンディング名】
「天皇御製に學ぶ日本の心」の続編「吉野朝時代編」を出版したい
https://readyfor.jp/projects/densyobunka?sns_share_token=74810e4a0f9b7d712533&fbclid=IwAR3SJF3VrnfWssaiKptjx1S0aRRGvtbBrLyOagU_quONbRIhVEGRQhnjUYE
【期間】
10月21日(土)9時~12月19日(火)23時まで
【目標金額】 
2,000,000円
【リターン例】
●お礼メールの送付
●小林隆著「新やまと ことあそび教則本入門」(全32ページ)郵送
●小林隆著「天皇御製に學ぶ日本の心~室町・戦国時代~」郵送
●小林隆著「皇后美智子さまの御歌」郵送
●小林隆による和歌添削・指導
●新刊に御名前掲載
●小林隆と巡る「鶴岡八幡宮(後鳥羽天皇、源実朝ゆかりの地)の旅(1日)」
●小林先生と巡る「吉野神宮参拝(1泊2日)」
1口 5,000円から支援可能です。ご協力よろしくお願いします。
【お問合せ先】
傳承文化研究所事務局
denshobunka.jimu@gmail.com