ビタミンE
(*次の本の原稿より、一部変更してお裾分け)
Fe+B50+C1000に加え、Eが一押し(ATPセット)。E不足があると、呼吸で得た酸素の43%が不飽和脂肪酸の自動酸化のために浪費されてしまいます。
酸素は本来、ミトコンドリア内膜にある電子伝達系で用いられるものです。つまり、酸素不足があれば電子伝達系での「好気性解糖」ができなくなります。不飽和脂肪酸の自動酸化が起こればそこで酸素が浪費されてしまいます。その結果、血液粘度が増加して血流障害を引き起こすと共に、細胞膜やミトコンドリア膜などの生体膜の不飽和脂肪酸の自動酸化により、酸素、ビタミン、ミネラルの吸収障害を引き起こすことになります。
つまり、Eがあれば、酸素、ビタミン、ミネラルのミトコンドリア内への取り込みが改善します。EはB、Cの効果を強める働きがあるということです。
実際、B+Cよりも、それにEを追加する方が患者さんの改善の効果が実感出来ます。B+Cの効果が2倍になるイメージです。
ビタミンEに関する注意点;
ビタミンEには4種類の「トコフェロール」と4種類の「トコトリエノール」があります。4種類とは、α、β、γ、δと名前がつけられています。
ビタミンEには天然型のD型と合成型のDL型があります。
代謝補酵素としての力価は天然型ビタミンE(d-αトコフェロール)が最強です。
d-αトコフェロールを最も多く含むのは小麦胚芽ですが、小麦胚芽を口にする習慣のない日本人は全員ビタミンE不足です。
一方、合成型のビタミンE(DL型)は補酵素結合部位に結合しますが代謝酵素の作用を阻害してしまいます。
ビタミンEの処方薬「ユベラ」は合成のDL型なので効果は乏しいことから、サプリメントのビタミンEは必ず合成型ではなく、天然型を選択して下さい。
最近になって、γトコフェロールの効果の報告も多く見られるようになってきました。
従って、自分は「d-αトコフェロール」と、4種類のトコフェロールが入った「ミックストコフェロール」を隔日で服用しています。
ちなみに、現在クリニックで販売しているのは、d-αが400IU含まれているミックストコフェロールです。
自分が飲んでいるビタミンE;
ビタミンE400IU*5(d-αトコフェロール)、隔日
ビタミンE1000IU*2(ミックストコフェロール、1錠にd-αが1000IU入っている)、隔日
トコミン(ミックストコトリエノール)*1
*自分が使った感覚では、「ミックストコフェロール」より「d-αトコフェロール」の方が効果が強いように思いますが。
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