就労経験のない発病後10年目の統合失調症患者、ナイアシンアミドでもうすぐ正社員

症例:現在30代前半、男性
H19、大学在学時に幻覚妄想状態で発症した統合失調症。
広島市内のクリニックに通院しているが、未就労。
H24.6、抗精神病薬を中断後、精神運動興奮となり、精神科病院に1ヶ月入院後、退院。
処方は、リスパダール6mg。
パーキンソン症状のため、上手く喋られず、流涎(唾液を垂れ流す)あり。
アカシジアがあり、ウロウロ歩き回る。
未就労で家の中で無為に過ごす。

H25.10、母親に伴われ当院を受診。
数ヶ月掛けて薬を変更。
エビリファイ12mg+ジェイゾロフト50mg+ランドセン0.5mgとし、パーキンソン症状、アカシジアは消失した。
高タンパク/低糖質食を指導し、ナイアシン+Cを開始。

その後4年間は、作業所や就労支援施設に通うも朝が起きられず休むことが多い。
ナイアシンはフラッシュが続くため飲めなくなり中断。
低糖質食は頑張ってこなそうとするが、その反動で糖質のドカ食いあり。

H29.8、ナイアシンアミド3g+C3g+B50*2開始。
H29.10、合同面接会で銀行に採用され、H29.11からパートで勤めるようになった。

H30.1、母親が本人の代わりに受診。
”3ヶ月間、朝6時に起床して無遅刻、無欠席で仕事に行っている。”
”今までの状態から考えると信じられないくらいに元気になり、頑張っている。”
”勤務態度が優秀なので、今の調子なら4月から正社員になるという話が出ている。”
今は、低糖質食もできており、糖質のドカ食いもない。
処方は、4年間変更なし。
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ナイアシンアミドはナイアシンほど即効性はないが、数ヶ月~年単位で継続するとしっかり効いてくる。
4月から銀行の正社員になれるなんて、過去10年間の経過を見ると予想がつかないほどの回復ぶり。
母親の驚きと喜びがこちらにも伝わってくる。

今後は統合失調症治療は、ナイアシン500mg+ナイアシンアミド1500mgで開始。
最近では、慢性うつ状態で自傷行為を繰り返す女性や、摂食障害で薬の過量服用を繰り返す女性にもナイアシンアミドを開始している。

元記事はこちら


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