「放課後」は、文字どおり「学校」を中心として規定される概念です。学校は、子どもにとって家庭に次いで多くの時間を過ごす場であり、大人になるための知識習得や人格形成など、多くのことを育む場として重要な役割を担っていることはいうまでもありません。しかし、学校は時間や場所などの枠組みが明確で学ぶ内容や人間関係が限定されており、生活力の育成という意味では限界があるのも事実です。
 
 それに対して放課後は、「学校や家庭ではない場所、人、活動を通して、今の自分を少し超えることにチャレンジし、自己や他者と相互干渉しながら、大人になるために多くのことを学ぶ大切な時間」です。放課後や休日における活動は、「学校が終わり(もしくは学校のない)、家庭に帰るまでの(もしくは朝から夕方までの)時間帯に、子どもが主体となって、地域の中で、友だちと時には一人で、遊びという形で展開される、非常に自由度の高い、時には冒険を伴う活動」なのです。

 言い換えれば、学齢期の子どもは学校(授業)の中でアカデミックスキルを学び、放課後や休み時間の中でソーシャルスキルやライフスキルを学びながら大人になることを準備するといってもいいでしょう。

『障害児通所支援ハンドブック』より