先ほど録画しておいた今週のビジネスドキュメンタリー番組『カンブリア宮殿』を見ましたよ。今週は富士フィルムの話でした。

想像して欲しい。自動車が売れなくなったトヨタを。事務用品が売れなくなったコクヨを。シャモジを取り上げられたヨネスケを。

つまりは、主力商品が売れなくなったら、企業はどうなるのか?どうするべきなのか?って事ですよ。…最後のは若干例えがおかしいですがw

自分の会社がそんな事になったらと思うと恐ろしいし、想像すらしたくもないかもしれないけど、富士フィルムには現実にそんな事が起きた。デジタルカメラの急激な普及によって、写真フィルムがほとんど売れなくなったのだ。年に2~3割ずつフィルム関係の売上が減って行ったんだそうだ。

フィルム業界の巨人、米国コダック社はそんな経営環境の激変の中であっさりと倒れた。しかし富士フィルムはこの10年でむしろ売上高を増やしている。

何故、そんな事ができたのか?

異業種に参入したんでしょう?

簡単にそう言う人もいるかもしれないけど、でも、そんな事はどこの企業だってやって来てる。そして往々にして失敗に終わっている。

普通の企業は、これまでの自社の経営資源や技術なら、こう言う事もやれるだろう?と言う程度の目算で参入しているんだろうけど、富士フィルムは違った。

自社の技術・経験・経営資源なら、どの分野で何をやれば、

圧倒的に勝つ事ができるだろうか?

を考えに考え抜いたのだ。…ちょっと表現違うかもしれないけどね。


そして参入した分野の一つが化粧品だった。

訳が判らないよ。

と思うかもしれないけど、実はこの分野、富士フィルムの技術が非常に有効に活かせる分野なんだよね。

美容のためには非常に有効な成分であっても、そのままではちっとも肌に吸収されない物もあるんだそうだ。そう言う物は何らかの方法でナノレベルにまで分解(超微細化)しないと吸収出来る様にはならないらしい。

で、富士フィルムはそう言う超微細化技術に長けているんだわ。何故なら、フィルムは表面に20種類もの感光物質の層を積層させて作る物だし、フィルムみたいなあんな薄い物にそんなに積層させるからには当然超微細化しているからだ。

それは何十年も化粧品だけを作って来た企業にすら容易に真似出来ない技術で、富士フィルムの化粧品は高額にも関わらず、飛ぶ様に売れているらしい。…まあ、CMに大物タレントを起用し続けられる位にはペイしているみたいだ。

環境の激変の中では確かに自分自身を変える事が必要かもしれないけど、それは今までの全てを捨てると言う事とは違う。培ってきた本質を状況の中でどう活かすかって事なんだと思う。

某海賊っぽく、ちょっと変えて言うならば、

何でもする、なんて言わなくていい。

何でも、なんてしなくていい。

お前に出来ない事はおれがやる。

お前にしか出来なくて、他の誰にも負けない事を、

お前がやれ!!

って感じですかね。

肝に命じて、この時代を生き抜いて行きましょう。



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