山を歩いていると、ふと甘い匂いがする。
バナナのように強い匂い。でもバナナがあるはずないから、なんだろうと辺りを見回す。
と、目に入ってきた変なもの。
この写真だけで分かる人はいるかな。
若い竹の切り口を覆っている、なにやらブクブクしたもの。
甘い匂いに誘われて、小さな羽虫やらクワガタがくっついている。
これは竹の断面から滴る樹液に酵母菌が繁殖したもの。樹液酵母という。
アルコール発酵しているはずなので、たまった液体は酒になっているのかなと舐めてみたけどそういう味ではなかった。単に竹の樹液がたまっているものなのか、アルコール度数が低いのか。。
いずれにせよ、これだけ力強さを感じさせる天然酵母の姿もあるまいと思い、パン生地の発酵に使ってみることにした。
ゲル状のところを採取して、小麦粉と水と一緒に培養。
クワガタは息子への土産。けっして生地に練りこんだわけではない。
数時間して、すぐに泡立ってきた。いい香り、いい香り。
そして、小麦粉と塩と酵母とでシンプルなパンを焼いてみた。
さすがにイースト菌のようには膨らまないけれど、天然酵母としては十二分の膨らみ具合。
食べてみると、甘い!砂糖は入れてないのに、バナナのような風味。
山のたくましい酵母菌でできた森のパン。
培養した酵母をおすそ分け販売します(ただいま準備中)。