ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

評価:4.2

ジャンル:コメディ/西部劇

制作年:2019

制作国:アメリカ・イギリス

上映時間:161分

監督:クエンティン・タランティーノ

主演:レオナルド・ディカプリオ

出演:ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、エミール・ハーシュ、マーガレット・クアリー、ティモシー・オリファント、ジュリア・バターズ、オースティン・バトラー、ダコタ・ファニング、ブルース・ダーン、マイク・モー、ルーク・ペリー、ダミアン・ルイス、アル・パチーノ、カート・ラッセル、ゾーイ・ベル、マイケル・マドセン


あらすじ

 人気の落ちたテレビ俳優リックは、映画スターに転身して再起を図る。そんな彼の付き人を努めるスタントマンのクリフは業界で生き残ろうと必死になるリックとは対照的なだったが、固い友情で結ばれていた。そんな中、有名映画監督とその妻が隣人として転居してきたことをきっかけに、リックはイタリアで映画出演を決意。そして1969年8月9日、ある事件が起こる。


※以下ネタバレを含みます。閲覧注意⚠️

 登場人物紹介

リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)

本作主人公、1933年生まれ。8年前、西部劇ドラマ"賞金稼ぎの掟"で人気を博した俳優。イタリア映画(マカロニウエスタンの悪役)の出演オファーを受諾し映画スターに転身再起を図る。


クリフ・ブース(ブラッド・ピット)

本作の副主人公。リックの専属スタントマン兼世話係。戦争帰還兵。ハリウッドから離れた郊外。ヴァンナイズのトレーラーハウスでピットブルのブランディと暮らす。リックの仕事減少に伴い、スタントマンの仕事が減っている。


シャロン・テート(マーゴット・ロビー)

本作のヒロイン。ハリウッドで売り出し中の若手女優。純粋で無邪気な性格の26歳。夜な夜なナイトパーティに繰り出し、自宅でも大音量で音楽をかけて踊るなど若者らしい振る舞いが目立つ。


 レビュー

①ストーリーはシンプルで見やすいが上映時間は161分と長めなので注意

ストーリーはリックとクリフを中心にかつて絶頂期であった60年代ハリウッドの華やかな一面をなぞらえながら、実在する忌まわしき事件、チャールズ・マンソン率いるマンソンファミリーによる1969年8月9日シャロンテート殺害事件へと物語は進む。上映時間は長いのでじっくり腰を据えて見るべし!


②タランティーノ視点で描いた1960年代ハリウッドを追体験出来る

1960年代のロサンゼルスの街並みや映画館、クラブの雰囲気など、非日常を体験できるのもこの映画の魅力の一つ。60年代ハリウッドに憧れたタランティーノ監督だからこそ出来る表現である事は間違いなし。


③ケレン味溢れるメリハリの効いた演出

序盤から中盤はコメディタッチな雰囲気だが、クリフがスパーン映画牧場を訪れるシーンから一変してスリラー映画の様なトーンに変わっていく。ここの緩急の付け方が見事としか言いようが無い程ケレン味に溢れ、メリハリが効いている。実在したヒッピー集団マンソン・ファミリーの何やら普通ではない異質な存在である空気感は映像表現からしっかり体感できるだろう。


④ブルース・リーの扱いは…

劇中、若かりし頃のロマン・ポランスキー監督やスティーブ・マックイーン、ブルース・リーとスターが勢揃いでニコニコなのだが、意図的だとしてもブルース・リーが小物っぽく演出されている点はマイナス。それが劇中クリフと喧嘩して車に投げ飛ばされるシーンなのだが、なんとも弱っちいブルース・リーだなと思う演出なので是非見てみて欲しい。タランティーノ監督的には最大限リスペクトした上での演出なのだろうが…


⑤いつものタラ映画と違うラスト

レザボアドッグスやパルプフィクション、キルビル、デスプルーフ、プラネットテラーなどタラ映画は何とも言えん終わり方で映画は幕を閉じてきたワケだが、今作は違って、ほっこり暖まるラストが待っているのだ。ラスト13分、シャロン・テートとそのお腹に身籠った胎児が残酷にも殺されるスプラッタ映像が流れバッドエンドで終わるのだろうなと思った矢先、何とまさかの救済エンド!その方法はチャールズ・マンソン率いるマンソン・ファミリー3人衆がシャロン・テートの家ではなくリックの家を襲ったということにするというやり方。しかもマンソン・ファミリー三人衆はリックとクリフにより返り討ちにされ、全員死亡。ここのシーンがかなりスカッとするから見て欲しい!火炎放射器最高!この一件の後、クリフは救急車で運ばれ、リックは隣のシャロン・テートの家の門で状況を話すと、家で一杯やらないかと誘われ家の中に入って行く所を最後に映画は幕を閉じる。正直この展開に賛否はあるだろうが、誰が何と言おうと"粋な演出"である事は確かだ。おとぎ話だとしても、この映画の中でシャロン・テートは確かに生き残ったのである。


 まとめ

まさかのハッピーエンドに驚きでタランティーノも丸くなったなと思う人もいるだろうが、それも踏まえてオススメしたい。セットの作りや独特な会話劇は健在だし、ブラピとディカプリオもいい歳の取り方してるんだこれが。


 挨拶

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