秋分の候、かぼちゃ不作に思い出す 過ぎし日のレーシング魂 <レースは終わってみなきゃ分からない>
「農業は 人生を賭ける 価値がある」
前回、白露の候から
気温はみるみる下がり
朝は5℃前後でも驚かなくなりました。
郷の樹木も
緑色が淡くなってきて
桜など気の早いものは
赤い葉っぱをちらほら見せ始めてます。
暦時計は
午後6時となりました!
お元気ですか?
北海道 小柴ふあーむ より
秋分 のご挨拶を申し上げます。
この2週間
主に かぼちゃ収穫をメインに
進捗しておりました。
就農当時
指導に従い作付けして
40ケース/75a(=5.3ケース/10a) だった畑も
排水改良と土地改良を重ねた結果
800ケース/43a(186.0ケース/10a) を
叩き出すようになりました。
なにごとも
後悔なきように。
それを改めて肝に銘じる
痛い経験でした。
ところが・・・
であります。
今年のかぼちゃは
どうやら厳しい作柄になっております。
事前に地域情報は
耳に入っておりました。
「さて、ウチはどうだろう?」
畑に分け入って
昨年のような獣害(アライグマで2割損失)は見られず
なんとなく「ウチは大丈夫」と
根拠なき楽観をしていたのですが・・・
結果
平年作の約6割と
惨憺たる状況となっておりました。
玉数が、少ない。
絶対数量が不足しております。
花が落ちた形跡もなく
どうやら花自体が飛んだみたい。
雌花が付かなかった。
特に株元側の一段目の花が。
ウチだけが幸運に恵まれる
と言うことはありませんでした。
天はあまねく平等に
試練を与えてくれました。
加えて、草の猛攻に晒され
畑がアカザやヒエに埋め尽くされ
大事な肥料が横取りされちゃって。
かぼちゃの樹勢が弱くて
茎葉をかき分けるというよりも
猛烈な草を漕いでいく感じ
大玉がほとんど無くて
中玉〜小玉で大勢が占められちゃいました。
なぜだ?!
高温? 旱魃? 多雨? 長雨?
記録を辿ると
いや、実感として分かってましたが
ツルが走り始める頃の
長雨に原因がありそうです。
なにせ
これだけ排水対策している畑に
十数年ぶりに中耕に入れませんでしたから。
中耕
栽培途中で畑を再度耕し
草の芽を潰し、伸びた草を埋めて
生育加速用の追肥を混ぜ込んで
作物の優勢を援護射撃してあげる工程。
6月末の長雨で
畑の水引きが間に合わず
まるで田んぼのようにドボドボとなり
機械どころか
人の足ですら立ち入れない状態に。
あの状態が
影響したのではないか
と推察しております。
定植から3週間
かぼちゃは株元を充実して
いよいよツルが走り始める時。
その先に待ち構えていた
どっぷり浸った田んぼのような土。
根は伸長を待てず
そのまま突入していき
結果、窒息。
一旦、勢いを失って
態勢を整えて再度突入。
されど開花期には
体力回復が間に合わず
花をつける力が不足して
敢えなくスキップ、か。
一本のツルに2玉成るはずが
株元の玉が飛んじゃって
半分の出来上がりに。
そんなシナリオが想像できました。
作業的には楽でしたが
そんなことで喜んでなんか
いられません。
仕事半分ということは
売上も半分ということです。
固定費は収量に関わらず
しっかり幅を利かせてますから
利益へのゲインは大きくなり
手元にお金は残らない。
ということであります。
さて、ここまでは
答えは一つ、という
算数の領域。
加減乗除の算盤勘定
であります。
農業経営が面白いのは
そうは単純にならないこと。
事象は算数ではなくて
境界条件や係数、指数、定数によって
複数解が出現するような
数学的な蠢きを見せるのであります。
まず一つ。
中玉化でケース数が減ると
出荷経費の負担が低下する。
梱包費、輸送費の
1玉あたりの負担が
低下します。
まず一つ。
中玉クラスは
市場単価が最も高い。
使いやすいサイズゆえに喜ばれ
1玉あたりの価格が
上昇します。
まず一つ。
市況が強気となり
市場単価が上昇基調となる。
気象環境は広い範囲で影響するため
市場要求量に対し産地供給量が不足し
製品への引きが強くなる。
まず一つ。
早出し群と遅出し群との間に
流通量の端境が生じる。
それは
市況の安定や強気を生み出し
生産ダメージを緩和する要因と
成りうる。
単なる一般的評論ですが
こういう要素も寄与してくる
ということであります。
ということで
結論は
「終わるまでわからない」
であります。
こういうところ
レースの世界と似ておりまして
チェッカーを受けるまで
諦めちゃならんのです。
農業市場も
ある意味でレースであり
相対的価値の順位付けであります。
どんなに雨のレースでも
走り終わってみなければ
結果は分からないのであります。
ひょっとしたら
アクシデントで空白が生まれるとか
トラブルで上位が脱落しちゃうとか
非常条件ゆえに発生する不具合が
むしろ起こりやすいのが
悪条件下のレースであります。
今年のかぼちゃも
市場との相関や
消費地や輸入物の動向や
あるいは天候による需要変動
そこに時定数が加わると
まさに数学的変化となるわけで。
少なくとも
自分の手の届く範囲では
多元多項の複次関数で推測できる世界
であります。
食管法が否定されて以降
独自販売が正義のような
誤った印象が
世間に植え付けられてますけど
世の中、そんな単純明快な世界じゃ
ありません。
系統販売にはその強みもあり
大きな市場相手の経済原則や
見えざる手(本当は見えてる)の操作によって
パイを皆んなで分け合えるような機構が
組み込まれてます。
世の中
そんな単純な正義で語れるほど
ウマシカじゃありません。
そもそも
どんな作物も
そうした基盤を構築するのに
一番の苦労があるわけで。
先人たちは
なんとか、その作物で飯を食おうと
艱難辛苦、臥薪嘗胆を重ねて
私たちに産地を残してくれたわけです。
独自販売は
それを踏み台にした上澄みの横取り
とも言われておりまして
それは
そうした歴史や先人への敬意が
足らないからだと思います。
系統販売も、独自販売も
それぞれが一長一短であり
それぞれに向き不向きがあります。
絶対正義なんかありません。
もしそれを強調する人がいたとしたら
それは、詐欺師的気質を持った
山師じゃないでしょうかね?
何かの意図と策略を抱えた
注意すべき人と思う私です。
話戻して
かぼちゃ
まだ勝負が終わったわけではありません。
そして
今年のかぼちゃは
めちゃくちゃ濃いと思います。
収穫中に手に付着する果汁が
いつにも増してべたつきが強かった。
代表もそれを感じていて
「この子たち、なんか凄く濃そうだね」
と話しておりました。
そして
サイズは控えめなのに
相対的な質量が重く感じまして。
つまり、比重が高い。
ちょっと乾燥後の味見が楽しみな
面白い一作となった
今年のかぼちゃ達であります。
生産者間で言われることに
「メロンは裏切らない」
という言葉がございまして。
これは、先ほども申しましたが
終わってみなければ分からない
潜在力を秘めた作物という意味で
ダメかな、と思う状況下でも
蓋を開けてみたら
しっかり市場がリカバリーしている。
そういうことが多々あるのが
メロンであります。
そういう点において
かぼちゃ にも
似たところがございまして
今の私たち
それを信じて
最後の一玉まで大切に取り扱っていこうと
互いに確認し合っております。
かぼちゃ、裏切るなよ?
と呟く収穫作業でありました。
ということで
秋分 のご挨拶
今回もどうもありがとうございました。
次回は「甘露」となります。
おそらく初霜や初冠雪の便りが
伴うことでしょう。
日本各地では豪雨災害が多発して
被災されてる方、特に農業関係者も
多くいらっしゃると思います。
心よりお見舞い申し上げます。
どうか少しでも
苦難が和らぎますように
祈っております。
それでは
またお会いしましょう。
季節の移り変わり激しい時期
どうぞご自愛のほどを。
北海道 小柴ふあーむ
代 表 小柴 和美
その夫 小柴 孝志
フェイスブックページ 「~勇気ある生き様~ 北海道 小柴ふあーむ」
































































































