おじゅっさんのおはなし

おじゅっさんのおはなし

~高照寺住職の真宗法話~

 

八月の寺子屋くらぶは「スーパーボールすくい」。


最近では縁日やお祭りでもよく目にします。寺子屋くらぶでも十年ほど前にセットを購入し、毎年のように開催しています。


今年は、時間無制限、団体戦二本勝負!


一回戦。ある一年生の男子がチームのメンバーと一緒にチャレンジ。ポイを水の中にグッと押し込んで、いっきに上げるとスーパーボールが五個乗っていました。同じようにもう一度水の中に入れた瞬間、紙が破れて……。わずか数秒の出来事です。


一方、二年生以上の子は紙が破れないよう、時間をかけて慎重にすくっていました。


二回戦。同じ男の子ですが、一回目と同じようにすくい、同じような結果となってしまいました。


当日、寺子屋くらぶが終わってからも、もう一度やりたいという子がいたので、特別に三回戦。


例の男の子ですが、他の子の姿を見て学んだようで、丁寧に一個ずつすくっていました。

 

そのとき、お迎えに来ていたその子のお母さんが言いました。「うちの子、スーパーボールすくいするの、はじめてなんです」


その言葉を聞いた瞬間、「しまった」という思いでいっぱいになりました。すくい方のコツを説明していなかったのです。最近はあちこちでよく見かけ、また毎年のように開催しているので、皆が知っているものだと思い込んでいたのでした……。


反省の思いとともに、何ごとにおいても、思い込みの中で生きている自身の姿が照らされた猛暑日の出来事でした。