片山廣子の取材を始めようとした私は、考えた末、芥川と廣子が親しくなった場所・・軽井沢のつるや旅館に行きました。

平成13年暮れのことです。

軽井沢でいちばんの老舗で、明治大正昭和を通じて、多くの著名作家の定宿となっていた旅館です。

こういうところは敷居が高そう・・と思いきや、帳場にいた男性の方・・あとになってこの旅館の社長だと知るのですが、とても気さくでした。

 

うちに来たとき芥川さんは躁状態で、片山さんの部屋をのぞいたり、木に登ったりしていたずらをしていた、堀(辰雄)さんはお金を持っていなかったので夏になると追い出した、犀星と芥川さんが泊まっていた部屋は汚かった・・などなど、いろんな話をしてくださいました。

そして片山廣子と縁続きの方が、いまでも泊まりに来ているといい、その方を紹介してくださいました。

思いがけず、道が開けてきました。

何事もアクションです。

 

つるや

http://www.tsuruyaryokan.jp/