障害年金は,大きく分けて「障害厚生年金」と「障害基礎年金」があります。

 障害厚生年金は、初診日において厚生年金に加入している方が障害の状態になった場合に請求が可能な年金です。一方、障害基礎年金は、初診日において国民年金に加入している自営業の方、配偶者が加入する健康保険の被扶養者(第3号被保険者)及び20歳未満の年金制度未加入の人などです。

 障害厚生年金は、障害等級が3級以上で受給することができます。また、2級以上になると障害厚生年金+障害基礎年金のダブルで受給することができ、さらに、配偶者や子どもの加給年金が受給可能となるため、2級と3級では年金額にかなりの開きが出てきます。

 障害基礎年金は、子どもの加給年金は加算されますが、2級以上でなければ加給年金を含めた年金そのものの支給がありません。

 

 そもそも、2級と3級の違いはどこにあるのでしょうか?

 大雑把な言い方をすると、「3級程度は仕事をするのに支障がある程度」「2級程度は生活をするのに(生きてゆくのに)支障がある程度」ということです。

 初診日において厚生年金に加入中の人は障害厚生年金に該当しますが、厚生年金に加入中ということは仕事を継続してやっているということで、その間に障害に至り仕事の継続が困難となったということになります。

 

 よく、「年金の認定結果は、ほぼ診断書で決まる」という言葉を聞きます。それは大方の場合当たっています。

 しかしながら、2級なのか、3級なのか、ギリギリの場合は、「病歴就労状況等申立書」(自分で書く、主張することができる唯一の書類です。)の存在は小さくはありません。

 特に、裏面の「日常生活状況」の記載欄は、ともすれば軽く見て空欄のまま出す人が多いのですが、2級と3級の境目はここでどう訴えるかで変わってくると言っても過言ではありません。

 ちなみに、私は依頼主から最低でも4~5回聞き取りをやって、医師に診断書を依頼する時には8割方完成させた「病歴就労状況等申立書」を参考資料として添えることにしています。医師や看護師、ケースワーカーの方たちは、四六時中一緒に居ないので日常生活のすべてを把握している訳ではないのです。病院側も助かっていると思いますよ。

 結果としてかなりの確率で、私が書いた病歴就労状況等申立書の内容と整合性を整えた「診断書」を作成していただいているように思っております。

 

 私は、障害年金請求代行の仕事は「ドキュメンタリー小説」の執筆だと思っています。嘘や虚構ではいけないけれども、身体的に精神的に障害で困っておられる依頼主の方の代弁者が誰かいなければならないのです。

 私がその代弁者として、微力ながらお役に立ちたいと願いつつ、日々精進している次第です。

 

                  こせら社会保険労務士事務所  所長 小 瀬 良  清