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ディファ有明、
真っ暗闇に浮かび上がるように、中央にライトで照らし出されたリングが鎮座している。

四方八方からそこに向けられた数多くの人の視線、歓声、思い。
会場には溢れんばかりの人が詰めかけ、固唾をのんでリングを見つめている。
ヒリヒリするような緊張感、一つのキックが入ると客席から歓声が一気に上がり、

また静寂のあとにパンチが入ると場内が歓声で満たされる。

その緊張と爆発の連続で、場内の興奮はさらに高まっていくようだった。

2015年8月30日、

このリングで川越が誇る最強の日本チャンピオンが防衛戦に臨もうとしていた。
それが、新日本キックボクシング協会第十一代日本バンタム級チャンピオン、瀧澤博人選手。

【日本バンタム級タイトルマッチ3分5R】
瀧澤博人(日本バンタム級王者/ビクトリー)
VS
古岡大八(挑戦者:同級1位/藤本)

瀧澤選手のこれまでの戦績は、12戦10勝1敗1分(6KO)。

相手は同級一位で、これまで幾多の熱戦を繰り広げてきた因縁の古岡選手。
ちょうど瀧澤選手の節目の対戦相手になることが多く、

2014年8月の一戦は次期王者挑戦権を懸けた試合で、

その試合を制したことで瀧澤選手は10月のタイトルマッチに挑戦する権利を得て、

一気に頂点へ駆け上がっていったのだった。

これまで対古岡選手戦は2連勝、

瀧澤選手はこの試合ももちろん、チャンピオンらしく圧勝するつもりでいた。

対する古岡選手も、3度も同じ選手に負けられないという意地はあったはず。

タイトルマッチということでもちろん瀧澤選手が勝てば防衛、ベルトをまた川越に持ち帰ることができる、

しかし負ければ王座陥落ということになり、

勝てば天国負ければ地獄、この日の結果で明日からの道が変わってしまう岐路に立たされ、

お互いの意地のぶつかり合いになる熱い試合になることが予想された。

リング上の試合は、また決着がつき両選手がリングを降りる。

「あと4試合か。。。」

瀧澤選手の試合が刻一刻と近づき、ディファ有明がソワソワし出す。

瀧澤選手を支える応援団長は、

「今日は楽勝でしょう!」と気合十分の表情で語っていた。

また瀧澤選手を支える一人、チャーシュー力の溝呂木社長も試合に駆け付け、

「一週間前に見た時は、あと3キロ減量しないといけないと言っていた。

それがさっき会った時は完全に戦闘モードの顔になっていた。準備は万端でしょう」

と話す。瀧澤選手も好きで減量前や試合後にはよく通うというチャーシュー力、

ちなみに試合前に溝呂木さんの酸素カプセルに入るのが、瀧澤選手の試合前の恒例になっている。


一年前にチャンピオンになってからも瀧澤選手を見続けてきた応援団、

本人の気持ちのゆとり、チャンピオンとしての振る舞い、

風格が身についてきたことをみな感じ取り、口々に話していました。

客席では、応援グッズを握り締め、

その試合が始まるのをさああと4試合、と呟きながら待ち構えている大応援団だった。










瀧澤博人選手は、川越の南大塚在住の24歳で、川越駅近くにあるビクトリージム川越所属の選手。
ビクトリージム川越は、東武東上線、川越線沿いに建物があるので、

車窓からジム内のリングのスパークリングの様子などを目にしたことがある方もいると思います。

そこに、瀧澤選手はいます。




2014年10月後楽園ホールで行われたタイトルマッチに見事に勝利し日本チャンピオンに登り詰め、

あれから在位一年になろうとしている瀧澤選手。


(ついに頂点へ 日本バンタム級チャンピオン誕生 

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11944787870.html
そう、つまり、チャンピオンベルトはその間ずっと川越に在り続けているのです。
瀧澤選手のチャンピオンになってからこれまでの日々をざっと振り返ると、
日本チャンピオンに到達してから周りの世界はがらりと変わり、
川越の街で声を掛けられることも多くなったという。
2015年1月には王者第一戦を後楽園ホールで行い韓国人選手に勝利、


2015年2月には川越駅近く東武ホテル二階光琳の間にて、

日本チャンピオン祝勝会が開かれました。
会の始めにリングアナウンスのように呼び込まれると、
試合の入場曲で瀧澤選手が光琳の間に登場した。




ビクトリージムの八木沼会長、ビクトリージム川越の木暮代表に続いて瀧澤選手が壇上で挨拶。
歓談タイムでは来場者一人一人に挨拶して回り、
その謙虚な姿が人を引き付け、今これだけの応援団が彼を支えています。


2015年3月には小江戸蔵里で開催した「KOEDOアジアフェス」に登場。
川越にいるチャンピオンの姿を一目見ようと
また、現役日本チャンピオンのミット打ちが至近距離で見られる機会、と
瀧澤選手目当ての方が大勢駆けつけていた。

待ち構える人人人。いよいよ、瀧澤選手の登場の時間・・・
「赤コーナー、新日本キックボクシング協会、ビクトリージム川越所属、

日本バンタム級チャンピオン、瀧澤博人選手の入場です!!」
アナウンス後、瀧澤選手の試合の入場曲である「Trust」が会場に轟く。
「ひろひと!ひろひと!」コールと手拍子が鳴り響く中、
広場に作った花道から、チャンピオンベルトを肩にした瀧澤選手が入場した!

マイクを手にすると会場を埋めた人と挨拶をし、ミット打ちパフォーマンスの開始。




時間は3分、試合と同じ時間として、試合のようにパンチやキックや打ち込んでいった。
ミドルキックが入った瞬間、その重い音に会場から「おおお」というどよめきが起こりました。

3分間に及んだミット打ちパフォーマンスが終わると、
瀧澤選手から、サプライズが。。。
「誰かミット打ちたい人いますか??」
会場がざわざわする。瀧澤選手がミットを持ち、
来場者の方のパンチやキックを受けるとの想定外の展開になった。
呼びかけに手を上げたのが一人の女性。
前に出た女性がグローブをはめ、瀧澤選手がパンチやキックの指導をして、ミットで受けてくれた。

街中でチャンピオンに身近に触れられるまたとない時間となりました。




2015年4月に川合川越市長を表敬訪問。
瀧澤選手は「次は世界のベルトを川越に持って帰ります」と川合市長に約束し、

川合市長も瀧澤選手の今後の活躍を期待すると話し、がっちり握手していました。


2015年5月にはタイ人選手との一戦も制し、
そして、2015年8月、ディファ有明の防衛戦に望むことになった。
川越に日本チャンピオンがいることを、

川越の人は信じられないような、実感がないという方もいると思いますが、
瀧澤選手はすぐ隣に居るくらいの溶け込み方で、川越の街に普通にいます。
日々のロードワークは川越駅近くのビクトリージム川越から出発することが多く、

ジャージ姿で黙々と本川越駅から連雀町、一番街の方へ駆けていくのはお決まりのコース。

途中その姿を目に止めた人から
「瀧澤選手だ!」「チャンピオン!」と声を掛けられ、拍手で見送られることもしばしば。

もちろん南大塚の大田街道も走るし、

クレアモールの人混みの中を走り、

人間観察と歩く人の呼吸を見て動きを見る練習をしていたりする。
また、瀧澤選手が川越で一番好きな場所と語る、川越八幡宮がある八幡通りを走るコースもあり、

川越の人はどこかで一度は瀧澤選手が走る姿を見ているはず。

そして、川越の街中を走ってからジムで練習を始める。

川越の道が瀧澤選手の強さを支えている。

「瀧澤選手が歩んでいく道のりを一緒に進みたい」

優しい人柄、まとっているスター性、そして圧倒的な強さ、

彼の全ての要素が人を惹き付け、周りの人を巻き込み、ファンを拡大し続けています。


彼を応援する熱い「南大塚応援団」は毎試合真っ赤な揃いのTシャツを着用し、

客席から瀧澤選手の背中を後押ししていて、
この日のディファ有明にも、南大塚駅前からバスをチャーターし会場に乗り込んでいます。

ディファ有明の大部分を応援団が占め客席を赤く染め上げていた。
試合が一つ終わると、すぐに次の試合のコールが場内に響き渡る。

瀧澤選手が登場するメインイベントまで、あと少しとなっていた。


この日の試合に向けて瀧澤選手は、一ヶ月半前から本格的な練習をスタートさせた。

昼と夜2回の練習は一日5時間に及んだ。

「キックボクシングでもボクシングでも、自分以上に練習している選手はいないはず」

その練習量が瀧澤選手の自信を作っている。

減量も今年のこれまでの2試合は55kg契約だったが、今回は53.5kg契約、

さらに体重を落とさなくてはならず、

食事を節制し、代謝を上げ、

試合前1ヵ月で7kgを落とすという計画で進められた。

食事に関しては油物はこの期間一切口にしていません。


瀧澤選手には事前に思い描いていたプランがあったという。
身長差があるので相手はリーチの差を潰してくるだろう、
こちらは距離を保って戦うこと。
この試合に関してはKOは狙わずに、

5Rきっちり戦って実力の差を誰が見ても分かるよう見せつけて勝つことをイメージにしていた。

「次の次の試合だ!」

いよいよ瀧澤選手の試合が近づき、慌しくなる応援団。

客席からロビーに出て、のぼりの準備を始める。

名前が入れ込まれたのぼりは、瀧澤選手が入場する際に

花道を作ろうというもので、毎試合行っているもの。


「あそこから上がっていって並ぼう」

事前に打ち合わせる面々、

さらに今回から新しい巨大な旗も制作し、応援団としての規模は他の選手を圧倒している。

ホールを覗き込み、「もうすぐ終わりそうだ」

「あ!終わったみたいだ!」「今だ!みんな入るぞ!」

のぼりを手にした応援団が次々に小走りでホールに入り、

瀧澤選手の入場口からの花道を作っていった。




リングアナウンスの後、瀧澤選手の入場曲が流れると

場内から割れんばかりの「ひろひと!」「ひろひと!」「ひろひと!」コールが響き渡る。

この日一番の声援で会場のボルテージは最高潮に。

そして・・・

決意に引き締まった瀧澤選手が姿を現した!

ゆっくりとゆっくりと確かめるように歩きながら、

すでにリングに立つ古岡選手に目をやり、

客席にいる赤いTシャツの応援団に拳を上げて応える。


「ひろひと!」「ひろひと!」「ひろひと!」

リングに上がる前に、祈るように静かに頭を垂れて静止した後、

颯爽と階段からコーナーポストへ駆け上がった。

四角いリングの中に入って行く前に、

またもう一度応援団がいる方に顔を向ける。



「ひろひと!」「ひろひと!」「ひろひと!」

これからこの中に入ります、みんな一緒に戦ってください、

一人一人の顔を見回すように視線を送った後、

あの青いリングの中へと、一人入っていった。。。


この試合がタイトルマッチであるという認定式が行われた後、

日本バンタム級チャンピオンベルトが瀧澤選手から返還される。

これで、チャンピオンベルトは誰のものでもなくなり、

このベルトを懸けて両者が戦うことになる。

瀧澤選手もベルトを得るための挑戦者になった。


「日本バンタム級タイトルマッチ、3分5Rマッチを行います。
赤コーナー、日本バンタム級王者ビクトリージム所属、瀧澤博人!!」
紙テープが飛び交いリング上が覆われていく。
「青コーナー、日本バンタム級一位藤本ジム所属古岡大八!!」
両選手がリング中央に歩み寄り、いよいよ決戦の幕が上がろうとしていた。
「博人頑張れ!」
「博人いけー!」
場内が歓声で埋め尽くされる。

「ひろひと!ひろひと!ひろひと!」
「大八!大八!大八!」
ついに、タイトルマッチのゴングが鳴らされた。





1R、瀧澤選手の戦略は、まずは相手の出方を集中して見ようというものだった。

相手のスピード、威力、目線、ガード、ウィークポイント、

情報収集しようと冷静に観察。

これが3度目の対戦、相手も事前に「瀧澤選手を倒す秘策がある」と口にしていて

今までにない出方をしてくるはず、

どういう戦いをしてくるのか、それを見極めるつもりだった。

瀧澤選手は「前足を削ってくるか、距離を詰めて接近戦でくるか、そのどちからの作戦でくるはず」

と読んでいた。

首相撲など接近戦なら自分は誰にも負けない自信がある、

だとしたら前足を攻めてくるだろう、とイメージしていたところ、

古岡選手は、前足を潰しにくることを秘策にしていたようだ、

試合開始直後20秒ほど経った時には相手の思惑を瀧澤選手は見抜いていた。








積極的に前足を出す古岡選手、

「これをもらわない位置にいよう」瀧澤選手は冷静だった。

キックが入った時のゴツッ、バキッとする音、リング下まで飛び散る汗、
「自分の距離で!!
いいよ!焦らないでいいよ!」
リング下から木暮代表が声をかける。
「30秒経過!ガードガード!そう!見えてるよ!」
八木沼会長からも「深く入らなくていいよ!」と檄が飛ぶ。
「ラスト20秒集中集中!」


1R終了のゴングが鳴った。

「追わないで待ってていいんだよ!相手は入ってくるんだから。左ジャブは凄くいいよ」


「ひろひと!ひろひと!ひろひと!」
「大八!大八!大八!」


2R、相手は必然的に前に出てくるだろう、だからこそ瀧澤選手は待つ戦い方を貫いた。

2Rになれば相手はもっとギアを上げてくるかと思ったが、思ったほどのスピードではなかった。

このくらいのスピードであればもらうことはない、止まって見えるくらいだ、

カウンターでいつでも合わせられる、瀧澤選手は確信を持つに至った。

「瀧澤動いて!待ってろ待ってろ!追わなくていいよ!!」
「回って回って!コーナー背負うなよ!」
「準備準備!来るよ!」
「そういいよ!」
「ラスト1分!ガード上げて!顎引いておけ!」


「瀧澤、もっと待ってていいんだよ!

相手は入ってこなくちゃいけないんだから真ん中で待って合わせればいいんだよ!

お前はチャンピオンなんだから!普段通りやれば勝てる!勝たなくちゃ意味ないんだよ!」


3R、さらに声援が大きくなっていく。
「ひろひと!ひろひと!ひろひと!」
「大八!大八!大八!」





瀧澤選手はこのラウンドが勝負が踏んでいた。

いよいよ狙いにいく。。。3Rになり、相手も疲れが見え集中力が切れてくるはず。

荒さがはっきりと現れたところにカウンターを合わせる、

その一瞬を狙っていた。相手の動きは手に取るように分かる、KO勝ちは時間の問題だ、完全に試合を支配していた。


「それでいいよ!合わせればいいんだよ!」
「集中集中!」
「1分経過!!ガードガード!距離とって!」
「ラスト50秒!ミドルいいよ!」
「瀧澤、顎引いて!」
「ラスト40秒!!」

瀧澤選手は見ていた、あと3秒後に古岡選手が入ってくる、

それに合わせて肘を出す、3、2、1・・・「今だ」

古岡選手の左ストレートに合わせるように、瀧澤選手の鋭い右肘のカウンターが飛び出し炸裂した。

見事にクリーンヒット!

肘の一番硬い部分が綺麗に当たり、その瞬間、試合が終了したことを確信した。

リングアナウンスが告げる、
「ただいま青コーナー、古岡選手肘による出血のため、ドクターチェックが行われています」
そして古岡選手の状態を確認したドクターは、これはもう試合続行不可能とすぐに判断、合図を送る。
「おお!」「よし!」沸き立つ赤コーナー。
何度もゴングが鳴らされ、試合終了が告げられた。
喜びを爆発させる瀧澤選手と応援団。
「ドクターストップにより、3R2分37秒、赤コーナー瀧澤博人選手のTKO勝ちとなります」




「ひろひと!ひろひと!ひろひと!ひろひと!ひろひと!ひろひと!ひろひと!」
いつまでも博人コールが場内にこだましていた。
すぐにチャンピオン認定式に移り、
日本バンタム級チャンピオンベルトが再び瀧澤選手に贈呈されその腰に巻かれる。


マイクを手にした瀧澤選手が話し始めた。

「自分はチャンピオンなので絶対勝つという気持ちで臨みました。

今見せたのが僕の強さです。そろそろ僕が世界の強豪と戦うところを見たくありませんか。
この試合前に大切な人を亡くしていました。天国から力をくれたんだと思っています。

夢に向かってこれからも精進していきます。

誰かの夢になれるようなチャンピオン目指してこれからも応援よろしくお願いします!

応援ありがとうございました!!」


高揚感に浸る南大塚応援団の面々、

さあ川越に帰ろう、みな軽やかにバスに乗り込み、一路南大塚に戻っていった。

先に帰って博人を迎える、「あの右肘は凄かった」など車中でも

試合の話しで持ちきりとなっていた。


それから数時間、試合を終えた瀧澤選手も別の車で川越に帰る時間となった。

早く帰りたい。早くみんなの待つ川越に帰りたい。

早くこのベルトを川越のみんなに見てもらいたい、

はやる気持ちを抑えながら、瀧澤選手は川越に戻る車中にいた。


一方、一足先にバスで川越に戻っていた応援団は、

南大塚駅北口にある「Clever」で既に祝勝会を始めていて、

「今日も快勝だったな!」

「博人ならやってくれると思ったよ!」

「防衛できて最高!」

など言い合って盛り上がっていました。


そして、早く博人の姿を見たい、

これまでの厳しい練習に耐え、たった一人で孤独なリングに上がって戦った博人を

みんなで温かく迎えたい、その心を温かめて上げたい、

店内にいるみんなが瀧澤選手の帰還の時を今か今かと楽しみにしていた。

Cleverは南大塚にできたおしゃれな洋食屋さんで、

南大塚応援団のみならず、瀧澤選手一家もご用達のお店。

そして、お店のオーナーの松本さんも熱い応援団の一人で、

以前から瀧澤選手の応援には後楽園ホールやディファ有明まで駆けつけている。


もうすぐ日付が変わろうかという時だった。

お店の前に車が停まる陰が見えた。

店内にいるみんなが、「もしかして・・・」と視線が集まる中、

扉を開けて入ってきたのが・・・瀧澤選手だった。。。!

その肩にはしっかりとチャンピオンベルトが掛けられ、

軽快な足取り、表情は明るく、ノーダメージで川越に帰ったきたのだった。

拍手で迎える一同でした。





「応援ありがとうございました!」

「応援の声聞こえてました、勇気付けられました」など

笑顔の瀧澤選手は、一人一人に感謝の言葉を述べて回る。

試合中でも冷静さを失わない瀧澤選手は、

客席のどこに応援団の誰が座っていて誰と来ているのか、

どんな様子で応援してくれているのか、なんとそこまで見えているのだという。

この冷静さ、客観、視野の広さがあるからこそ、周りへの配慮もできて、

応援する側はたまらなく嬉しくなってより好きになっていく。こんな選手、今までいただろうか。


店内では、今終わったばかりの試合をみんなで見返し、

瀧澤選手自身の解説で、あのKOシーンに至るまでの話しが披露された。



ふと、また何度も目がいってしまうのは、

お店のテーブルに置かれた、日本バンタム級のチャンピオンベルト。





川越にまた、このベルトが帰ってきた。。。

その輝き、重量感、

簡単には人を寄せ付けない、触れる者を選ぶような風格さえあるベルトは、

このベルトを巻きたいために命を懸けて戦ってきた者の、想いが込められているようだった。

みんなで掴み取り返したとはいえ、リング上で戦ったのは瀧澤選手ただ一人、

川越で祝福したいベルトは、一人の若者が戦ったからここにあるのだ。

赤コーナーからリングに上がる者はどこまでいってもただ一人、

一人でリングに上がる者の背中を押す、応援団はそれしかできないから全力で応援する。

一人だけど一人じゃない、

そこに、キックボクシングのドラマが詰まっている。

獲るだけが終わりではなく、育てて創っていくことまでを含めてチャンピオンベルトなのだとしたら、

川越の瀧澤博人選手らしい日本バンタム級チャンピオンベルトは、

みんなで育て、創り上げてきた、日本一のベルトだと言っていいかもしれない。

「本日はお忙しい中、遠い所まで応援ありがとうございました。

皆さんの声援で試合に臨むことができました。心から感謝しています。

皆さんを必ず世界に連れていくという夢が僕にはあります。

これからも一生の付き合いだと思って応援してくれたら嬉しいです。

本当にありがとうございました」

惜しみない拍手がいつまでも続いていた。


瀧澤博人選手、次戦は11月15日(日)ディファ有明の試合が既に決まっています。

また川越から大きな声援で後押しして、みんなで大きな夢を掴みとりたい。


「瀧澤博人応援団ページ」

https://www.facebook.com/pages/%E7%80%A7%E6%BE%A4%E5%8D%9A%E4%BA%BA-%E5%BF%9C%E6%8F%B4%E5%9B%A3/303536609815451?sk=timeline


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2014年10月26日、後楽園ホールで行われたタイトルマッチを見事に制し、

新日本キックボクシング日本バンタム級王者に上り詰めた瀧澤博人選手。


「ここはゴールではなく通過点」

そう語っていたように、

瀧澤選手の新たな歩みが始まった。


チャンピオンになってから3ヶ月近く、

日本チャンピオンらしい余裕と落ち着きを身にまとい、

正月返上で毎日打ち込んできた練習の成果を発揮する時がきた。

2015年1月11日東京・後楽園ホールで開催された
2015年新春第一弾興行『WINNERS 2015』。

10試合以上ある中で、メインイベントに登場する瀧澤選手の対戦相手は、韓国の偉大な王者だった。

キム・ホンス選手は元々はバンタム級より2回級上を主戦場としており、
元韓国3団体を制した王者で、現韓国バンタム級1位の選手。
テコンドーをベースにしたトリッキーな動きが特徴の選手です。

瀧澤選手の王者として迎えた第一戦の相手としては実績申し分ないもので、

まさに日韓頂上決戦にふさわしいものになりそうだった。


試合に先立って前日計量・会見が、2015年1月10日都内にて行われ、
今回の試合では普段より2キロ重い、55kg契約となった。
瀧澤選手は、今までのような減量に苦しめられることもなく、順調に練習を重ねられたと話していた。

会見では、
「明日はチャンピオンになっての初戦なのでインパクトのある勝ち方をしようと思います。
バンタム級は凄い選手が揃っているので、
明日の試合をクリアーしたらその後は誰が相手でも構いません。
このタイトルを防衛していって世界タイトルを目標にしていきたい」
と意気込みを語った瀧澤選手。
その言葉を聞いた瀧澤選手の応援団も、彼の戦いを応援で後押ししようと改めて誓い合ったのだった。


興行には、瀧澤選手と同じくビクトリージムから、
永澤聖光、
石原しょうご、
櫓木淳平の4選手が出場し、熱い試合が展開されると予想された。
特に永澤選手は、
この試合に勝てばライト級タイトルマッチへの切符を手にすることになり、注目の一戦になる。
後楽園ホールは前売りからチケットがsold outとなり、
超満員の中で試合が繰り広げられることになった。


日が明けて、翌1月11日。



夕方から始まった興行には、
メインイベントである瀧澤選手の試合はまだまだ先にもかかわらず、
第一試合から席を陣取る赤いTシャツの一団の姿があった。
胸元に書かれているのは、「南大塚応援団」。
川越の南大塚在住の瀧澤選手を応援しようと、南大塚を中心にして結成された応援団で、
瀧澤選手のプロ一戦目の時に発足し、毎試合後楽園ホールなどに駆けつけて応援しています。



また、後楽園ホールの客席を見渡すと、

応援団はキックボクシングの試合のみならず、
先月狭山市のLIVE STATIONで行われた瀧澤選手のLIVEにも足を運んでいた方々も多くいた。


(2014年12月瀧澤さんのLIVEより)


「歌うキックボクサー」と形容される瀧澤選手を両面から応援している応援団。
この日も団長、副団長はリング近くの席に座り、試合を待ち構えていました。
この試合から、二人は特注の黒のTシャツとなり、一目で分かるようになっていた。

団長は、市立川越高校の野球部のヘッドコーチを務めている。
近年の野球部の躍進の秘密と瀧澤選手の知られざるエピソードを教えてくれた。
「スポーツトレーニングの専門家に学校に来てもらって、
トレーニングを重ねているところから、うちの野球部は強くなった。
トレーナーが来る時は博人も学校に来て、高校球児たちと一緒にトレーニングしているんですよ」
とのこと。
野球部員と瀧澤選手は今ではTwitterでやり取りするほど仲良くなっているとのことだった。


瀧澤選手の試合を待つ応援団の方々に話しを伺った。


今回の韓国の元3団体王者について、
「相手にとって不足なし。世界を獲るためにはいい相手だと思います。
これが世界へのプロローグですね」
と表情を引き締めていました。
最近の瀧澤選手の様子を、
「立ち居振る舞いが一皮向けて、責任感が出てきたのを感じる」と見ている。
なにより、応援団を大切にする人間性に魅かれると話していました。

応援団の誰に訊いても、瀧澤選手の人柄を第一に挙げる人が多い。


他の選手の試合も、それぞれに応援する人がいて「頑張れー!!」と声援を送っているが、

南大塚から駆けつけた応援団の数は一際多かった。

単に強いだけの選手なら、毎試合のように川越などから後楽園ホールまでここまで集まらないと思うし、
そこに足を運ばせるのは礼儀と感謝を忘れない瀧澤選手の人柄。

さらに言うと、瀧澤さんのお兄さんもお母さんも、同じように周りへの感謝を忘れない。

一家がみんな魅力的というのは、どの応援団員も口にしていました。


2年ほど前から応援団に入って毎試合のように応援している方は、

「圧倒的な強さで王者らしい戦い方を見せて欲しい。でもどんな形でも勝ってくれれば嬉しいですよ」

と期待を込めて話していました。


この試合から応援団に入ったのが、南大塚駅北口にある『やしの樹接骨院』の角田さん。
「地域で頑張っている選手を応援したい」とこの日も会場に駆けつけていました。

そしてこの日も、お兄さんの幸人さんがずっと駆け回り、

応援団の方々との調整を担当していた。

「最近の博人は、練習量も増えて、練習の質も上がっているように思います。

本人的にもいい練習ができていると思うので、それをどれだけ試合に出せるかですね」

と話していました。話したのもつかの間、

メガホン、ペットボトルなどの自作の応援グッズを応援団に配って回るために、また動き回っていました。


リング上で続く試合を見つめながら、
瀧澤選手も始めはメインイベント前に出場していて、
そこから一戦一戦勝ち進むごとにランキングを上げ、興行の注目の一戦となり、
ベルトを掴み取るまでになったことを思った。

ただ、プロ一戦目から見つめている応援団の方に言わせると、
「博人はプロ一戦目から他の選手とは雰囲気が違った。持ってるものが違うと思ったよ」
そう思わせる何かを感じさせる選手だったという。

今、王者になった瀧澤選手はさらに謙虚になり、常に前向きに上を目指し、
そして天性のオーラで人を惹き付け続けている。


場内に轟くような歓声が沸き起こった。

ビクトリー所属の永澤選手が3-0の判定で見事に試合に勝ち、これでタイトルマッチに臨むことになった。

快進撃が続くビクトリー勢。

瀧澤選手の応援だけでなく、ビクトリージムの選手が出場する試合は、

南大塚応援団も一緒になって応援していました。


そして、瀧澤選手の試合が迫ると慌しくなってくる応援団。

席を離れ、続々と奥の通路に集結していました。

のぼりを手にした面々は、瀧澤選手が入場する時に花道を作ろうとしていた。

これも毎試合の恒例となっていて、花道を歩いていく瀧澤選手に最後の声をかけ、

自分達も博人と一緒に戦うから安心して上がれ、とリングに送り出す。大事な儀式なのだ。


この日の興行では10試合以上の試合が組まれていましたが、

こうしてのぼりを立てた長い花道を作っていたのは瀧澤選手の応援団だけだけだった。

場内の照明が落とされ、入場コールが響き渡った。





「赤コーナー、ビクトリージム日本バンタム級チャンピオン、瀧澤博人!!

青コーナー、韓国バンタム級一位、キム・ホンス!!」




リング中央に歩み寄る二人。「博人頑張れー!!」「博人、落ち着いていけ!!」
客席から応援団の声援がリングまで届いてくる。

後楽園ホールは、この日一番の熱気に包まれていた。


ゴングが打ち鳴らされ、瀧澤選手の王者第一戦の試合が始まった。
1R。

相手のキム・ホンス選手は韓国の元3団体チャンピオン、まずは相手の出方を探る瀧澤選手。

タフな試合になるかもしれないと警戒しつつも、

受けた技の威力は『そうでもないな』と内心思っていたことを後で振り返っていた。

『これだったら、いくらもらっても倒れることはないな』と実力を見極めていた。


いつもなら当日計量で体内の水分がカラカラで、足が滑りやすくなっていた。

しかし、この日は前日計量で水分が残っているので、足元から汗が出て、

リングマットを踏みしめるストッパーになって動きやすかったと言います。




リング下の木暮代表から、「くるよ!ガード上げて!」指示が飛ぶ。

瀧澤選手のパンチやキックが当たると、場内から「オオイ!」と掛け声が飛ぶ。

子どもたちが、「ひろ ひと!ひろ ひと!」と声を合わせて応援しているのが聞こえてきた。

瀧澤の重いパンチが当たると、応援団総立ちになっていた。

「ラスト30!」

瀧澤選手が考えていたプランは、1R、2Rで相手の持っているものを全部出させてから仕留める。

順調な出だしの1Rだった。


「相手は韓国の偉大なチャンピオン、1Rから倒しにいくよりも

時間をかけてしっかり見極めて戦った方が、瀧澤博人を周りに知らしめることができる」

なんとも冷静に、客観的にゲームプランを練っていた瀧澤選手だった。


インターバルで、八木沼会長のアドバイスに耳を傾ける瀧澤選手。

表情はいたって冷静だった。


2Rに入っても冷静に戦う瀧澤選手。深追いせず、距離を保った戦いとなった。

ドスっという重い音とともに相手を捕らえるパンチ。

応援団は「博人、いけ!!」

「前出ろ!前出ろ!」「オオイ!」とずっと声援を送っていた。




3R。最終ラウンドとなり、ゴングが鳴ると場内が一際大きな声援に包まれる。

応援団以外にも熱は伝染し、日韓戦独特な雰囲気が客席を覆っていった。

瀧澤選手の角度のいいパンチが当たると相手がぐらついた。

「オオイ!」

「ひろ ひと!ひろ ひと!」応援団が一体となってコールを送る。みんな声の限りに叫んでいた。





試合終了のゴングが鳴ると、瀧澤選手は勝利を確信したように応援団に向けて腕を突き上げた。


場内にアナウンスが流れる。

「判定に入ります」しばらくの沈黙が後楽園ホールを包み、

「勝者、赤コーナー瀧澤!!」

その瞬間、割れんばかりの拍手と絶叫が場内に溢れました。

判定の末3-0にて瀧澤選手の快勝。

1ポイントも落とさず、王者第一戦として磐石の試合運びで勝ちを収めました。

日本人やタイ人にはない、テコンドーベースの独特なステップに惑わされなかったのも勝因だった。

今回の試合を通して、

世界に向けてこれから何が必要なのか、改めて分かった1戦だったのではないでしょうか。


瀧澤選手は、「今日は王者一戦目ということで、負けられないと思っていました。

チャンピオンとして勝ちに徹した試合はできたかなと思います」と振り返っていました。



終わってみれば、ビクトリージム所属の4選手とも勝利し、

新年幸先の良いスタートとなりました。


試合が終わると、また川越に向けて戻っていく応援団だった。
試合に勝てたことを喜び合い、余韻に浸りながら帰路につく。
川越の南大塚では、駅北口にある「安兵衛」さんにて祝勝会の席がすでに用意されていました。
ここは、タイトルマッチの試合後にも集まったお店で、瀧澤選手の試合の祝勝会に欠かせないお店。
お店の大将は瀧澤選手を応援し、また、瀧澤さん一家もよくお店を利用しているそう。
応援団で先に祝勝会を始めて、和気あいあいと話しは盛り上がっていました。

団長も、「博人を世界に行かせるつもり」と気合が入ります。

みんなの雰囲気はどこか大家族的なものを感じる温かみがあって、
一人の若者を応援するために地域が一つになる様子は、
今の南大塚に地域コミュニティがあるとするなら、

瀧澤選手の応援団がその役目も果たしているのではないかと思う。


途中、試合が終わった後駆けつけた瀧澤選手も合流し、
改めて乾杯となりました。


「今日も応援ありがとうございました。韓国のチャンピオンを倒すことができたので、

これでまた世界に近づいたと思います。今日はどうもありがとうございました!!」


今回の試合では上手い試合運びもあって、無傷でリングを下り、

試合直後にも関わらず瀧澤選手は元気そうでした。
そして今日の戦いでも、「応援団の声が本当に力になりました」と

みなさんに感謝の言葉を述べていました。


安兵衛さんを後にしてもまだまだ余韻冷めやらぬ応援団。
次は南大塚駅近くに新しくできた素敵なお店、

「CLEVER」さんに向かい、美味しいワインで勝利の美酒に酔いました。
このCLEVERさんも瀧澤選手の応援団に入っていて、後楽園ホールにも応援に来ていました。

思えば南大塚には、洋食のお店自体が少ない中、市街地にあってもおかしくないお店が

「ナンツカを盛り上げたい」とこの地に生まれた。改めて掘り下げたいお店です。

ここでも話すことは、今日の試合のこと、キックボクシングのこと、話しが止まりません。

そしてふと、瀧澤選手が興味深い話しをしていました。

「リングに上がる時にいつも思うのは、リングに一歩でも入ったらもう、

命を捨てる気持ちで臨んでるんです。命を一度捨てたと思えばそれ以上に怖いものはない」
それは、自分と向き合い、厳しいトレーニングを積んでリングに上がる者こそが感じることだった。

「侍は一度刀を抜いたら、相手を殺すか自分が殺されるまで鞘にしまえない。

その心境と同じだと思います。

リングに上がるとやっぱり日本人は、どこまでいっても日本人なんだなって思いますよ。

自分の中に侍の血が流れているのを強く感じるんです。日本人ならみんな根本的に持っていると思う。

これを日本人は誇らなくては。世界に誇れるものだと思います」


この後ももう一軒行こうと、〆に庄やさん向かいました。

解散する頃はもう朝近くの時間になっていた。熱すぎる南大塚応援団です!

瀧澤選手と歩む道のり、
応援団一丸となって、これからも応援していきます。

次戦は相手が決まれば春先に防衛戦、その先にできれば年内に世界戦を目指しているそう。

世界戦となれば、川越中だけでなく日本中で話題になりそうです。

今後の活躍に注目です。。。!


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