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ここに来られる方はよく、

「川越でイチゴ狩りができるなんて!」と驚きの声を上げるといいます。

新たな時代の幕開け、相当な話題になっていくと思われる園です。

川越にはイチゴ栽培している農家さんが3人ほどいるそうですが、

中でも唯一イチゴ狩りできる場所で、絶品のイチゴを味わうことできるのが、

川越の松郷にある「川越いちご園すじの」さん。

川越城本丸御殿や川越市立美術館、博物館がある道を254号線に出ると、

交差点にあるのが川越の地場野菜などを販売しているあぐれっしゅ川越。
あぐれっしゅ川越の駐車場のすぐ裏手にテニスコートがあり、

その先にビニールハウスが6棟建っているのが目に入ります。
イチゴののぼりが立っているので見つけやすいです。


初めて来た時は、まさに灯台下暗しという思いを抱いた。
あぐれっしゅ川越にはよく来るし、伊佐沼方面に行くのに細道も通っていた。
254号線から道を入ってすぐ目に入るハウスが、実は

川越唯一のイチゴ狩りハウスだったということが、テンションが急上昇するような意外感でした。






ビニールハウスに足を踏み入れると、ぽかぽかした温暖な室温。

ここだけ季節が一足先に春が訪れているようで、上着を脱いでちょうど良い暖かさでした。
450坪というハウス内一面に、9000本のイチゴの苗が植えられて管理栽培されています。








真ん中の通路から手前の品種が章姫(あきひめ)で、奥が紅ほっぺ。

章姫は果皮が柔らかく甘さが存分に感じられる品種で、

紅ほっぺは甘さに酸味が加わりバランスのとれた品種。

今年のイチゴ狩りは1月中旬に始まり、5月末頃までできるそう。

(30分食べ放題)

■開園~2月末 小学生~大人1800円、3才~未就学児1200円、1才~2才(一人歩きできる子)200円

■3/1~5/10 小学生~大人1600円、3才~未就学児1000円、1才~2才(一人歩きできる子)200円

■5/11~終了まで 小学生~大人1200円、3才~未就学児800円、1才~2才(一人歩きできる子)200円

団体(20名程度)以下なら予約不要でイチゴ狩りできます。

筋野さんのイチゴは、このハウスでのイチゴ狩り以外にも

ハウス内での直売、あぐれっしゅ川越や伊佐沼農産物直売所、

東武東上線新河岸駅の東武ストアでも販売しています。


話しを伺っている最中にも、次々とお客さんが直売所にやって来る盛況ぶり。

ほとんどの方はあぐれっしゅなどでイチゴを買い、美味しかったのでどこにイチゴ園があるのか

わざわざ探し出してハウスに直接買いに来られるんだそう。

それに加えて、人から人へ感動の声が伝わっている口コミの力が大きい。

「川越でイチゴ狩りができる。しかもめちゃくちゃ美味しい!」

体験談を周囲に伝え人が人を呼ぶ現象が今起こっています。


初めて来ると皆さん同じように、広いハウスと綺麗に管理された栽培方法に驚くと言います。
筋野さんのイチゴは、まずその栽培の仕方に特徴がある。
イチゴ栽培というと地面で育てる姿をイメージする方も多いと思いますが、

(土耕栽培(どこうさいばい)。
地面に畝(うね)という盛り土をして苗を植える昔からの栽培方法。
黒などのビニールシートを被せ、苗だけを外に出している)

土耕栽培と違い、筋野さんのイチゴ作りは、

地面より高い所に設置されたパイプ上で育てる高設養液(こうせつようえき)栽培と呼ばれる栽培方法。
高設にすることで、採りやすさ、作業のしやすさ、

さらにイチゴの実や葉っぱが土やビニールに直接触れないので病気予防にもなるそう。
パイプ上にイチゴ専用の培養土が入れられ、苗が植えられている。
苗と苗の間には潅水(かんすい)チューブが通っていて、

一日に数回、水と液肥という肥料をあげる仕組みになっていて

さらに、お湯が通って地温を上げています。

美味しいイチゴを作るためには、細心の注意と厳密な管理の毎日の積み重ねが必要です。




2014年3月頃に苗作りを始め、10月に苗を植えて(定植)から実を成らせるまでの数ヶ月間、

毎日毎日手をかけ、管理を行き届かせ、

さらにイチゴの美味しい味わいを引き出すための手間もかけて育てていった。

そして花が開花して、

イチゴの代表的な訪花昆虫

(果実を実らせるために受粉作業をしてくれる昆虫)である「ミツバチ」の出番となる。
ミツバチは花の蜜と花粉を集めるために、イチゴの花にきて蜜や花粉を採る作業をしますが、
その時に雄しべの花粉を雌しべに付けて受粉させてくれます。

筋野さんの園ではミツバチとマルハナバチが飛び回り、

受粉から30日から40日という長い時間をかけてイチゴは赤くなり、

ようやく一個のふっくらした大きなイチゴになっていく。

ゆっくりじっくり赤くなっていくイチゴこそが、甘さが乗り美味しい一個になると言います。

「イチゴが甘くなるためには寒暖の差が必要で、寒い時期を通すことで、

徐々にイチゴの中に甘さ、栄養を溜め込んでいくんです」

と話します。
寒い日も続いたので、今シーズンは2014年12月下旬に採り始めることができたそう。


実っている巨大な章姫を一個口に含ませてもらうと、口いっぱいに甘さが広がる。

ケーキなどの引き立て役ではなく、イチゴ一個それ自体がスイーツの作品となっている完成度でした。
この大きさは苗にそれだけ力があるから大きく実らせることができ、

さらに、なんでこんなに瑞々しく甘いのか?

その理由は筋野さんによると、取りも直さず収穫のタイミングなのだという。

お店でよく売られているイチゴは、

産地から店頭に運ぶまでの日数、店頭に陳列しておく日数を計算して熟する数日前に早採りするそうですが、

産直の良さであるこの園では、ギリギリのラインまで熟させたものを収穫している。

これ以上ないくらい真っ赤に熟した完全な状態で収穫し、採ってからすぐに直売する鮮度の良さで

どの産地、銘柄にも負けない極上のイチゴを提供しています。


収穫して日数を経ることで熟成していく(追熟)ような作物(例えばメロン)と違って、
イチゴには追熟は考えられない。
だから一番良い状態で収穫するのが、一番美味しいイチゴの食べ方になる。

「80パーセントで早採りするのではなく、100パーセントになったものを採りたい」

色や艶を見て、一番美味しくなった状態で採るための見極め、たくさんあるイチゴ収穫の手間を含め、

「収穫のタイミングが一番難しい」と話します。


筋野さんのイチゴと初めて出会ったのが、2014年1月の朝市でのことでした。

川越駅から本川越駅方面へ続く川越一の繁華街クレアモール。

通り沿いにある市民憩いの場であるクレアパークで、

毎月第一土曜日の朝9:00~11:00、

生産者さんが採れたて農産物を直接販売するのが「クレアパーク公園朝市」です。

(夏の7,8,9月は8:00~10:00)

毎月の恒例なので、すでに市民に知られている野菜販売会。

一年前の朝市で、筋野さんがイチゴを出店していたのを偶然にも見かけたんです。


(2014年1月クレアパーク公園朝市より)

一年前の記事にも書いていました。

「話しを聞くと、ゆくゆくはイチゴ狩りができるようにしたいそう♪

夢にまで見た川越でイチゴ狩り、実現したら感動ですね。」と。

振り返えれば、あれから一年越しの夢が今叶っていることに感激する。


筋野さんがイチゴ栽培を始めたのは今から5年ほど前、

今の場所から少し離れたところで、小さいハウスから始めました。
当初から今のスタイルである高設養液栽培でスタートしたといいます。
それまではトマトや小松菜を作っていた農家でしたが、

ゼロからのスタートとして新たにイチゴ作りにチャレンジしようと思い立った。
そこにはどんか思いがあったのでしょうか。
筋野さんは、ささいなきっかけだったと言い、我が子との何気ない会話がヒントになったと振り返ります。
何か新しい作物に挑戦したいなという気持ちを漠然と抱いていた時に、
「子どもが好きなものを作ってやりたいな」と思い、
子どもに訊いてみたら「イチゴが食べたい!」と返事があり、

その瞬間0から1へ、踏み出していく気持ちになった。
ただ、イチゴ栽培の知識も経験もなかった筋野さんは、県に相談し、

県内で新しく斬新な栽培方法をしている農家さんが所沢にいることを教えられる。
その方の所に研修に通い、イチゴ栽培のノウハウを身に付けていきました。


実際に自分で始めたイチゴ栽培の実感は、
「こんなに手のかかるものなんだ」とその大変さに驚いたと言います。
世の中にある作物の中で、

最も手間のかかる細かい作業がたくさん続くのがイチゴ、というのを感じたという。


そして去年、ハウスを新たに建設し、

敷地も広げて本格的にイチゴに取り組み始めようとしていた矢先。。。
思い返せば去年のクレアパーク公園朝市でも、
「今年から本格的にイチゴを始めたんです」と話していて、

上手くいけば2015年からイチゴ狩りを始められる計画です、と聞いていた。
川越で新たにイチゴ栽培が始まった、しかもイチゴ狩りまで視野に入れている話しに心躍り、

来年楽しみにしていますと話していたのが一年前。


しかし・・・建ててからわずか4ヶ月後、

まだ鮮明に記憶に残るあの2014年2月の雪で新設したハウスは大雪に押され全壊状態に。
呆然自失となりつつも、ボロボロになったハウスを一つ一つ片付け、それでも諦めず、

筋野さんは再びイチゴ栽培に立ち上がった。
ビニールハウスを同じ場所にもう一度建て、

毎日丁寧な管理でイチゴたちを見守り、2015年たくさんの絶品イチゴを実らせました。

そして、2015年1月18日に開催した「川越収穫祭2015冬」で筋野さんのイチゴを取り扱わせてもらい、

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11981759677.html

このイチゴはぜひ来場者の方に知ってもらいたいと強く思っていた一品でした。

(川越収穫祭2015冬より)

この時も、来場者の方から「こんなに美味しいイチゴは初めて!」と感動の声が続々と上がり、

川越のイチゴを知ってもらう機会となりました。


筋野さんのハウスはあぐれっしゅ川越のすぐ近くなので、

例えば本丸御殿や市立美術館、博物館に来た方がイチゴ狩りに立ち寄ることも可能。

小江戸巡回バスはあぐれっしゅにも停まるし、

さらにあぐれっしゅにはレンタサイクルの自転車シェアリングのポートもあるので、

観光客が黄緑色の自転車で来ることもできる。

また、あぐれっしゅの駐車場は市内観光客も停められるようになっています。

そう考えるとイチゴ狩りは、観光地から近いという好立地で、

川越観光の強力なオプションが一つ増えたことになる。

川越の新たな世界が広がります。


園内には休憩スペースもあり、ゆっくり過ごすことができます。
地域のものを地域で食べる。

「鮮度に勝るものなし」
川越で、貴重なイチゴをどうぞ。。。!


「川越いちご園すじの」
川越市松郷城下町680-1
10:00~16:00月休
090-4619-0039


☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


あの時。

1月の川越収穫祭の時に、イチゴの美味しさに感動した面々は、

「今度ぜひイチゴ狩りに行こう!」と話し合っていて、

それは話しだけでなくみんな本気で、すぐにいつにしようか日にちを決めていきました。

そして、2月。

ようやく、あのイチゴを自分たちの手で採って食べる機会がやってきました。

楽しみにハウスに向かうイチゴ狩り一行。



入口から覗き見えるハウス内に一行がまず驚いていたのが、その高さだった。
他の地域でイチゴ狩り体験したことあるという人ほど目を開いて驚いていました。
イチゴ狩りといえば地面の土に実っていて、

しゃがまないといけないし、靴が汚れるものと思っていた、と。
だからこの日も靴をどうしようか迷ったそうだけれど、この高設に
イチゴ狩りの概念が覆された!と声を上げていました。





さらにはハウス内に入ると靴の心配など全く問題にならず、
なぜなら、ここのイチゴ狩りは靴を脱いで、置いてあるサンダルに履き替えるのです。

地面を見てもらうと、土一つ落ちていない綺麗な状態なのが分かると思います。


始めに筋野さんから説明があり、早速30分のイチゴ狩りがスタート。
章姫と紅ほっぺ、どっちから食べようか、と畝の間を歩いていき、
まずは大きな紅ほっぺを一口で頬張る。

「甘いねー!!」歓声が上がります。
粒が真っ赤で大きいほど甘くて、これ見て!凄いの見つけた!と

競い合うようにイチゴを探し、いつの間にか大きいの見つけたぞ自慢が始まっていました(笑)






(一番街にあるバウムクーヘン専門店の名店、「ノリスケさん」も、美味しい!と頬張る)


高設になっていることで隣の畝に移動するのも跨ぐことなく、下をくぐっていくだけで楽。
子どもも歩きやすく、子どもの目線くらいにちょうどイチゴがあるため大人より大きいのを見つけたりし、
(この時も小さい子が次々と名品を見つけ出していました)
また、車椅子の方も通りやすいという利点もある。


続いて章姫をがぶりと食べ、2つの品種を食べ比べる。
やはり章姫は甘みが強く、紅ほっぺは甘みと酸味のバランスがとれて、それぞれの違いを楽しみました。
30分というのは、イチゴ狩りに関しては長く感じる時間で、
30分あれば、「もうお腹いっぱい!ああ幸せ!!」
とイチゴだけで苦しくなるほどお腹いっぱいになります。


そしてイチゴ狩りのあとは、あ

ぐれっしゅ川越の近くにある農家カフェ「ましゅましゅ」さんでランチへ。
さっきまでイチゴでお腹いっぱいになっていたはずなのに昼御飯となれは別腹。



イチゴ狩りから農家カフェという、川越にいるとは思えない遠出した感に浸れる楽しい遠足でした。
こういうルートで楽しむのも川越の一面に触れられると思います♪


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昼過ぎに畑に向かうとふと作業の手を止め、畑の中からこちらに歩いてきてくれる姿が見えた。
戸田さんは既に収穫したばかりのほうれん草の準備をしてくれ、
「ほうれん草は今が一番味が乗っていますよ」
といっぱいに詰め込まれた袋を手渡してくれた。
ここは川越の福原地区。戸田さんの家はこの地でほうれん草や里芋などを作る農家で、
この土で大事に育てられた絶品ほうれん草を受け取るためにやって来た。
戸田さんは福原地区の体育協力員連絡協議会の理事を務め、
元旦マラソン 」など地区の行事も支えている方。


また数年前から戸田さんは一人でさつま芋作りを始め、今でも作り続けていることは注目です。

そのさつま芋は今では川越のお店で使用され、美味しいと評判になっている。
昨年は戸田さんのさつま芋作りを追いかけました。

(余談ですが、伊佐沼にあるうどんの伊佐沼庵の古民家は、

戸田さんの実家を移築したものです)


福原地区の肥沃な大地は、さつま芋や里芋など土の中で育てる野菜は特に美味しくなる。
収穫祭には、福原の冬野菜は絶対に欠かせないと思っていた。
戸田さんからほうれん草を受け取ると、これをおひたしにしてもらうために
すぐに一番街の辻の吉野屋さんに持ち込みました。
吉野屋さんは現在残る川越の肉屋の中で最も古い歴史があり、
小江戸黒豚という川越のブランド黒豚を扱っているお店。
惣菜や弁当の素材もこだわったものを使用していて、今回の調理を全般的にお願いしました。
川越の養蜂家、野々山さんの蜂蜜、川越のイチゴ農家、筋野さんのイチゴと合わせて

吉野屋に届けにいきました。

他の各担当も、吉崎屋さんに食材を届けるなどそれぞれ動いてくれていて、

夜のお祭りの準備はいよいよ最終コーナーを回ったところだった。
どんな会でも自らが主催になれば不安は尽きないものと実感する。
無事に開催できるか不安を抱きながらも、

今までにないこの画期的な試みの価値を感じてくれる方は多いはず、
どんな賑わいになるのか楽しみな気持ちが上回っていった。

2015年1月18日(日)に開催したのが
「川越収穫祭2015年冬」でした。

川越で採れた旬の野菜とブランド豚「小江戸黒豚」を使用した「食」、

川越にゆかりのあるアーティストの生演奏による「音」、

そしてそこに集まる「人」。

川越Rotomという建物を貸し切り、全てを一つの場でゆっくりみんなで楽しむ川越収穫祭 冬。

食材を作った生産者の方にも来てもらい、トークセッションを行います。

また、採れたて野菜の販売会ももちろん実施する。

■会場は川越Rotom(川越市松江町2-4-5)

■開場18:00、開演18:30

食事+2ドリンク付き

音楽演奏は、LiLoさん、田中亨さん


タイムスケジュール
18時~開場
18時半~スタート
18時45分ごろ~トークショー
永野さんと中村さんがステージにのぼり、トークショースタート。
19時40~音楽 田中享さん(from MUGENLIFE)演奏
20時15~音楽(30分) LiLo(バイオリン飯田理乃さんとのコラボ)演奏


川越収穫祭は、2014年秋に続く2回目の開催で、

自分の関わり方としては前回の農家さんの紹介だけにとどまったのと比べると、
今回は準備や段取りなど、実行委員として深く関わったものとなりました。
実行委員のメンバーには、食材を提供してくれた農家さんたちや

ライブを担当してくれたMUGEN LIFEの杵渕なども加わり、時間をかけて内容を練っていきました。
扱う農家さんも前回から増え、
また、バージョンアップさせる形で考えたのがトークセッションを入れることだった。
農家さん二人に壇上に上がってもらい、

田んぼや畑のこと、作業の様子、農業を始めたきっかけなどを訊く企画を入れました。

事前に行った打ち合わせの様子。
食材を使い、どんな料理にするか話し合い決めていった。
「手の込んだものだけでなく、素材をシンプルに味わって欲しいよね」
「それなら、人参とベビーホウレンソウを生で食べてもらいましょうか?」
「それいいね!」
「人参なら、大根と小江戸黒豚の煮物にも使って、違う味わいも楽しんでもらいましょうか。

味が染み込んでより美味しくなりますよ」
生産者だからこそ知る活かし方、素材を調理するお店だからこそ知る使い方、
プロが集まった熱い話し合いは、聞いているだけでワクワクするものだった。

川越にはこだわり農家さんがたくさんいる。
お米作り、野菜作り、川越の食の現場をこれまで何度も取材してきました。





一口に農家さんといっても古くから農業をやられている方に新規で農業に飛び込んでいる方がいる。
どの農家さんの口からも語られたのが、食への思いだった。
生活やもの作りを究極的に突き詰めていったら、やはりたどり着くのは食、
川越の田んぼや畑で、真っ直ぐ見据えながら、それぞれが食の大事さを訴える生産者の表情が忘れられず、今も胸にあります。

地道にだけれど真摯に作ることを一番としている農家が川越には実はたくさんいる。
それは、見方を変えれば、
川越にもの作りの職人や作家さんがたくさんいるのと同じ状況が農の世界にも当てはまるとも言える。

物も、食も、作り手の思いや熱は実は重なっているのだ。


川越のことを知れば知るほどその事実に触れる機会がたくさんあり、
しかし、それが全く知られていないことにもどかしさを感じ、
おそらく、いつまで経っても状況は変わらないだろうと思ったので、ここで動こうと思った。


一つ確信があるのが、今まで川越のもの作り作家さんをたくさん見てきましたが、
一人を知るとそこから繋がって別の素敵な作家さんを知り、と次々に縁が繋がっていった今までの様子が、
今川越の農家さんでも同じ状況に対面しています。
一人知るとそこから繋がって別のこだわり農家さんに繋がっていく。
食の分野の作家さんも、もの作り作家さんと同じように見られる時代が来るはず。
前回の収穫祭から扱う農家さんが増えたのは、そういう繋がりがあるからだったんです。
きっと出会いはこれからも増えていきます。

17時、会場となる川越Rotomに入ると、

ライブに出演してくれるLiLoさんや杵渕さんがリハーサルの真っ最中だった。






川越Rotomは、松江町にある川越キリスト教会の隣にあるライブハウスで、
昨年オープンしたばかりの新しい音楽スポット。

ライブハウスというと音楽だけの場所と思われるかもしれませんか、
お店は一軒家を改装したもので、今までイメージされるようなライブハウスとは少し違い、

いろんな企画が行われている場所。
こういう収穫祭の企画も了承してくれるお店です。
会場をここにしたのは、

パーティー的な雰囲気で音楽やトークセッションをやるなら音響が良い場所がよかったし、

気軽に入れる雰囲気のところがよかった。一軒屋のライブハウスはうってつけでした。


会場にはテーブルが並べられ、辻の吉野屋の吉崎さんが作った料理の準備ができていました。
お米農家の中村さんも既に到着していて、お米や野菜販売の準備を始める。
続いて永野さんが人参や長ネギを持ってやって来ました。
受付を担当するのは、新河岸にあるリンパマッサージサロン「メザンジュ」の梅田さん。
また、蜂蜜の野々山さんが急遽、収穫祭に顔を出してくれるとの連絡が入り、

いろんな生産者が一堂に介する面白い雰囲気になりそうだった。






川越収穫祭2015冬。料理に使用する食材は、
お米は南古谷地区から中村さん、
野菜は福原地区から永野さん、戸田さん、狭山市青柳から小峰さん、
蜂蜜は川越の野々山養蜂園、
イチゴは川越のイチゴ農家筋野さん。
パンは新河岸にあるブーランジェ・リュネットからリュスティックとバケット、
バジルソースは吉崎さん栽培の無農薬バジル。


これらの素材を使った当日のメニューは、
大根と豚バラの煮物(吉崎さんの小江戸黒豚)、
里芋のそぼろあん(永野さんの里芋に鶏挽き肉をあわせて)
無農薬で育てたバジルをペーストにしたバジル風味のチキンソテー(吉崎さん栽培のバジル)
ほうれん草のおひたし(戸田さんのほうれん草)
ご飯(中村さんのお米)
大根の甘酢漬け(中村さんの大根をお漬物を)、
白菜の漬物(中村さんの白菜をお漬物に)、
ベビーホウレンソウのサラダ(永野さんのベビーホウレンソウを生で)
人参スティック(永野さんの人参を生で)
はちみつ試食(リュネットさんのバケットに野々山さんのはちみつをつけて)
イチゴ試食(筋野さんのいちごの試食)

という内容でした。


18時、開場とともに多くの参加者の方がやって来てくれた。

早速、中村さん、永野さん持参のお米や野菜を購入する人が殺到し、

みるみるうちになくなっていく。気付いたら見事に完売していました。

大事に育てられた有機野菜を求めている人は想像以上に多い、

だけれど気軽に購入できる場は少ないので、こういう機会にまとめ買いをする姿が見られました。

直売ということもあり、お米も野菜も実はそんなに高くありません。


今回の来場者は、食の意識が高い方、音楽が好きな方、

そして、川越のお店の方やサロンオーナーの方が多く見られたのが印象的だった。

川越織物市場で行われているアートクラフト手づくり市の主催者も来てくれていました。

素材にこだわったものを自店で提供する方々が来られていたのは、

それだけこの収穫祭に期待するものがあったと思うし、

ハードルが上がっていた分、やりがいも感じていました。

また、期待以上のものを提供できる自信も持っていました。

「美味しい素材は実は足元にある。川越には凄い農家さんがいることを知ってもらえる」

一体どんな反応があるのか、どんな声が聞こえるのか、楽しみにしていました。


18時半、杵渕さんの乾杯の音頭で、川越収穫祭2015冬、スタートしました。






「今までの人生で一番美味しかったほうれん草のおひたし!」との声が上がったおひたし。

これがそう、昼間戸田さんから受け取ったほうれん草です。

大根・人参と小江戸黒豚の煮物には、

「豚肉めっちゃうまい!大根と人参にも味がしみてる~!」と歓声が上がり、

「お米が進む~♪」とお米をお代わりする人がいた。

お米が大好きなんです、とバイオリンの飯田さんは話していて、

中村さんのお米は美味しい!と感激していました。

大根の甘酢漬けや白菜の漬物もご飯が進みます♪


里芋のそぼろあんの柔らかく粘る里芋に舌鼓を打ち、
チキンソテーのチキンの美味しさもさることながら(さすがの評判、吉野屋の肉!)、

そこにかけてもらったバジルソースがさらに大好評でした。

バジルは川越ハーブの会元会長でもある吉崎さん栽培のもの。

「このベビーホウレンソウと人参スティックやばい、ここから離れられない」

とほうれん草と人参のお皿の横にずっといた女性(笑)

確かにいつまでも食べていたくなる野菜でした。


リュネットさんのリュスティックとバケットはそのままでも十分美味しいですが、

そこに野々山さんの蜂蜜をたっぷりつけて食べる贅沢。

さらに、遠くまで甘い香りが漂う筋野さんの紅ほっぺを食べると、胸いっぱいに幸せ感が広がります。

皆さんに旬を味わってもらい、歓談してもらいつつ、

18時45分頃から1時間という時間をとって、中村さんと永野さんに壇上に上がってもらい、

トークセッションを始めました。

普段の田んぼや畑の様子、仕事の話し、農業に就いたきっかけ、川越弁の話しなど、

多岐に渡るトークを展開。

途中、数年前台風でお米がだめになった話しに触れた時には、

中村さんは涙ながらに当時の話しを振り返っていました。

台風で稲があちこちの方向に倒れると、機械が入らないので手で刈らなければならない。

穂をつけるまで大事に育てた稲を、

廃棄するために、手で刈らなければならないという喪失感。

それは想像を絶する苦しみだったはず。会場がしんとなって聴き入っているのが分かりました。


他にも壇上で急遽来ていただいた野々山さんにも話しを伺い、

小江戸黒豚のことは吉崎さん、

ハーブの事を梅田さんに話してもらいました。

やはり、今回の収穫祭ではトークセッションを入れてよかったと思った。

「美味しい」と頂くだけでなく、
それを作るためにどんな過程、裏側があるのか、それを聴いてもらいたいと思っていた。

「へえ!」「知らなかった!」という反応が時折起こり、
川越にそんな話しがあったんだ!と初めて知ることに驚いていた方が多かった。
そして、農家さんの話しは、イコール川越という街の風土の話しでもあり、

誰にとっても興味あるものと改めて感じました。


トークセッションの後はライブタイム。

まずはMUGEN LIFEの田中亨さんの登場です。

田中さんの第一曲目に、
まさにそういうことだな、と感動しました。きっと意図して選んでくれたんだと思う。

聴いていて、川越の田んぼや畑の風景を思い起こしていました。






その曲とは、「カントリーロード」だった。

https://www.youtube.com/watch?v=-GubMPTjvRE&feature=youtu.be



そして二組目はLiLoさんがバイオリンの飯田理乃さんとのコラボで登場。

ドキドキとワクワクで眠れなかったと話していたLiLoさん、
素敵な歌声とバイオリンで観客を魅了しました。

このライブでは、 「うらかわ」ソングも初めて発表しました。

ちょうどこの場にうらかわを代表するcotofogのオーナーがいたので、

急遽曲名を決めてもらおうという展開に。

突然のふりで決まりませんでしたが、うらかわの曲が一番良かった!と語る方も多くいたので、

どんな曲名になるのか期待したいです。


大切に育てられた食材を頂く時の音楽として、お二組とも

これ以上ないくらいとてもぴったりなライブでした。


ライブが終わり、再び照明が灯されると、川越収穫祭2015冬も終了の時となりました。

空になったお皿が並び、皆さん本当にたくさん食べていただきました。

空っぽのお皿がなによりこの日の成功を表しているよう。

たくさんのご参加、ありがとうございました。

川越の食にまつわるイベントはこれで終わりではありません。

さらにさらに掘り下げ、広げ、展開していきたいと思っています。

アンテナを立てるとキャッチできるようになる。

いろんな農家さんを知る機会が増え、知ってもらいたい方、野菜はどんどん増えています。


次回開催では、今回の改善点を踏まえてバージョンアップできたらと思います。
また、今年はファーマーズ・マーケット開催に向けて動いていきますので、
そちらもよろしくお願いします。
野外で川越のこだわり農作物販売、その食材を使った料理提供、
雑貨、ワークショップ、音楽、トークセッションを予定しています。
LiLoさんには、できれば・・・ファーマーズ・マーケットのテーマソングも作ってもらいたい、

と密かに目論んでいます。。。(笑)


これからの展開、ぜひ楽しみにしていてください♪


川越収穫祭2015冬。

生産者、お店、ミュージシャン、力を合わせて今だけの旬をお届けしました。

完。


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