「川越style」

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「川越の素材で彩りたい」。

川越産に対する思いはどこまでも熱く、地域に密着したお店でありたいという願いはどこまでも深かった。

KOEDO×イタリアン。

まずその店名、KOEDOと冠するからには生半可な気持ちではないでしょう、二人の覚悟が表れているのが分かる。

 

2017年8月にオープンしたのが、「KOEDOイタリアン ルーチェ」さん。

お店があるのが、本川越駅から歩いてすぐのクレアモール。工事中の頑者さんの道を突き当たって左へ、餃子の王将さんの並び手前にあります。クレアモールでは珍しい個人店の新店のオープン。

 

 

 

 

 

 

「KOEDOイタリアン ルーチェ」 
川越市新富町1-1-11信富イハラビル1F
LUNCH 11:00〜15:00
DINNER 17:00〜24:00
土日祝11:00〜24:00
月曜日休み
席数14席(カウンター6席・4名テーブル2席)
TEL049-226-5688

・・・と分かりやすい経路でも、もしかしたら現場で通り過ぎてしまうかも。広い間口・店内のお店ではなく、通り沿いに派手な看板が掲げられているわけでもない。普通に歩いていたら見過ごしてしまいそうな佇まいですが、いや、それはあくまでクレアモールの他のお店との比較でそう見えるだけで、ルーチェの二人がやろうとしていることは、ここでもどこでも一貫していて、クレアモールだから派手に目立たせるという発想はない。きっとお店に来る人たちは、ここを目的として来るから関係ないのかもしれない。むしろ、目指して来る人が集まっているからこそ、他のチェーン店とは異質なまさに個人店ならではの雰囲気が店内に漂っている。

ルーチェさんがある新富町一丁目はマンションなどの地域住民も多く、近所の人が早速贔屓にして定期的にお店を利用しているという。

 

気軽にルーチェを体験するなら、まずはランチから。ランチセットには、数種類のパスタやオムライスが揃っています。

 

 

 

 

 

 

 

トマトソースに思わず惹き込まれる。これは・・・手作りしているトマトソースだ。
パスタのトマトソースは丁寧な手仕込み。手作りするお店というのは意外に少なく、個人店ならではと言えます。

それにルーチェと言えば、パスタはうにクリームパスタが特に人気。これを目当てに来る人も多く、今はルーチェを代表する看板メニューの一つになっています。

それぞれの素材へのルーチェの眼差し。

素材を活かし、素材をシンプルに調理して、美味しく頂く。
同じメニューであっても、農産物という素材自体は農家という人が作るもので、その時によって状態・味は変わっていく。それが自然であり、そういうものだと受け止めているルーチェの田巻さんは、農産物を見極め、活かし、その日の料理をアレンジしていくのも料理の楽しみであり腕の見せ所であると受け止めている。

農産物、農家へのリスペクトが感じられるシェフだた。

農産物に均質な同じものを求めているよりも、

全てが違うものなんだと受け入れている言葉に、

農産物とは一期一会なんだと臨む姿勢に、

農産物への敬意が伝わってきます。だからこそ、ルーチェの地元産農産物への想いは本物であると確信しました。

 


お店を始める時からルーチェの大事なコンセプトとして、料理には積極的に川越産農産物を使っていこうと決めていました。

そもそも店名に「KOEDO」を表記していることからも並々ならぬ意気込みが伝わる。
川越は観光客も多く川越に川越らしさを求めている人も多い、それに地元愛が強い川越ならではで川越産農産物もやはり人気。「川越Farmer's Market」があれだけ人気になっていることからも分かります。
ルーチェさんのメニューを見るともうあちこちにこれでもかと「川越産」という文字が踊る。

もちろん時季によって変わりますが、川越の利根川農園さんや鳴河農園さんの野菜に、卵は川越の江田養鶏場さん、豚肉は川越の大野農場さんの小江戸黒豚を使っています。ビールはもちろんCOEDOビール。
ルーチェさん曰く、「全部を川越産で揃えたい」。
野菜に関しては一年中全てを川越産で揃えるのは難しいですが、そうしたいのだ、と話すこの言葉から地元産への思いがいかほどか伝わるでしょう。良く知る人には分かりますが、小江戸黒豚をここまで使うお店というのも珍しく、お店の売り。
それから、イタリアンに欠かせないバジルなどハーブ類は川越Farmer'sMarketお馴染みの大河内さんのものも使用している。

(川越産トマトを手にするルーチェの田巻さん)

 

(川越の大東地区の田んぼ)

 

 

 

(川越の江田養鶏場の卵。ランチのオムライスはじめ、ルーチェの卵は全て江田さんのものを使用)

 

(川越の利根川農園さんのトマト)
最近の川越の新しいお店は、オープン当初から地元産農産物を積極的に使いたいと話す人が本当に多くなりました。今から3、4年前だったらこんなことはなかった、、、隔世の感があります。この動きはもう逆にはならない、さらにもっともっと地元意識は強まっていくことと思います。それが当たり前のような状況になっていくはず。
これまでは、飲食店の人が地元産を使いたいと思っても、地元の農家さんのことをどこで知ればいいのか情報がなく、つてもないのが普通だった。
新しくお店を開く人が、いきなり地元の農家とどんどん繋がっていくことは通常考えられない。

しかし今は、川越Farmer'sMarketがある。

要望に応えて橋渡しできるインフラがあります。
川越Farmer'sMarketの活動の浸透もあるのかもしれませんが、まさか「全部を川越産で揃えたい」と口にするお店が誕生するとは。

その言葉に衝撃を受けたのは、例えば、川越Farmer'sMarketが飲食店を開く・プロデュースするならこうだろうなという形をルーチェが体現しようとしていて、川越Farmer'sMarketよりも先に、たった二人で実現しようとしていることに驚きました。

農家さんが手塩にかけて作った農産物を使い、美味しい食へ昇華させるのがシェフの田巻さんの仕事。

 

 

 

 

ルーチェを切り盛りしているのは、田巻さんと福井さんという二人。

二人は一体どんな繋がり、そして共に飲食店を始めようと展開していったのか。

ルーチェのシェフである田巻さんは埼玉県朝霞市出身、ホール担当の福井さんは兵庫県出身。お互いに飲食業の経験は豊富である。

二人は以前、同じ居酒屋で働いていて知り合い、その後は、田巻さんは和食店をはじめ都内中心に飲食店を展開している「創コーポレーション」で7年働いていました。
「株式会社 創コーポレーション」
http://www.soh-corporation.co.jp/
渋谷区にある「門」、「八寸」、「温故知新」、「産直青魚専門 恵比寿 御厨」、「一献楽食 とら 渋谷道玄坂」、豊島区にある「炉ばたと鮮魚 千石」、新宿にある「比内地鶏専門 焼鶏 新宿 比内亭」、目黒区にある「餃子バル 大豊記」など様々な飲食を提案。
さらにゼックスのイタリアンでも働いていました。
 

福井さんは美容師の道へ進み、やはり飲食業の魅力に立ち戻っていった。接客業が好き、お客さんとの距離が近く、ダイレクトな反応が返ってきて、たくさんの人と出会える仕事として飲食店にやはり惹かれ、独立を決意。

その時に一緒にやろうと声をかけたのが・・・そう、かつて一緒に働いた、田巻さんでした。楽しかったあの時の雰囲気、また一緒にできたら、と。

お店を構える場所として、なぜ、川越だったのか・・・??

実はシェフの田巻さんは朝霞出身で川越のことを良く知っているのもあるし、さらに飲食業に入る前に、本田技研工業株式会社の狭山工場に勤めていたことがあり、その繋がりから川越には身近な縁を感じていた。

川越にお店を開いてみると、ホンダ関係の人が続々と訪れてくれて、改めて横のつながりの大きさを実感している。

川越でお店を開くと決めた時から、川越の食材を調べていき、小江戸黒豚の美味しさに料理人として惹き込まれ、料理の想像が膨らんでいった。では川越の野菜は、では川越の卵は、と広がっていったのでした。

昼からしっとりの夜の時間へ。今日もルーチェにはワインと料理のマリアージュを楽しみにした人が集って来る。

親しい人たちでテーブル席に、また、一人でやって来てカウンター席でワインと料理を味わう光景というのもルーチェらしい。女性一人でも気軽に入れます。

ルーチェの真骨頂、川越産、という花が存分に咲くのがやはり夜の時間帯。

メニューにずらりと川越産が並びます。この時のメニューは・・・

アンティパストは、KOEDO野菜の自家製ピクルス、小江戸黒豚の冷しゃぶラタトゥイユ、川越産トマトのアボカドカプレーゼ、お肉屋さん(辻の吉野屋)のレバパテ、それいアンチョビ&オリーブ、市場直送!!本日のカルパッチョ、釜揚げシラスとオリーブのブルスケッタ、生ハムとサラミの盛り合わせ、イタリアンシャルキュトリーなどなど。

野菜は、川越産トマトとフレッシュバジルのサラダ、KOEDO野菜のバーニャカウダー、KOEDO野菜のチーズフォンデュ、

フリットは、川越ごぼうのフリット、カマンベールチーズのフリット、牛トリッパのフリット。

アラカルトは、川越卵のチーズオムレツ、チーズたっぷりラザーニャ、しらすと生海老のアヒージョ、小江戸黒豚のポルペッティーのトマト煮込み、あさりとムール貝のシャルドネ蒸し、小江戸黒豚のアローストなどなど。

パスタは、しらすとKOEDO野菜のペペロンチーノゴルゴンゾーラ クリームニョッキなど。それに人気のうにクリームパスタも夜も健在で外せないところ。

ドルチェにはジェラートとティラミスがあります。

メニューから立ち上ってくるこれでもかという川越。

川越野菜が舞い踊り、小江戸黒豚がどっしりと構える。オールスター川越食材と言えるような素材を駆使しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてまた、田巻さんがお勧めする極上のワインのお代わりを注いでもらい、酔いしれながら、改めてこのお店の川越的意義について思いを馳せるのだった。。。

 
 
 
 
 
 
 

近年の川越のクレアモールは、クレアモールを大動脈としてそこから伸びる脇道の先に個性的な個人店がお店を構える傾向が続いてきました。新興勢力は時を経てやがて熟成し、そんな裏道に広がる個人店カルチャーを「うらかわ」と称するようになって盛り上がってきました。

そこからまた段階が進み、裏から表へ、表舞台であるクレアモールに個性的な個人店KOEDOイタリアン ルーチェが登場したことが一つのターニングポイントになるかもしれなかった。

ルーチェのようなお店の広さのことを川越人が気にしないのは、川越市内の個人店に慣れ、個人店文化が浸透している証左とも言えるかも。

そしてやはりと言うか・・・

鋭敏なアンテナを張っている川越人のこと、ルーチェさんのことも目ざとく見つけ、「クレアモールに面白いお店が出来た」と早速話題にし、応援しようとしているのも川越人らしい気質。

むしろ、狭さを「この狭さがいい!」と逆に面白がるのが川越の面白いところで、狭さがまるで表にありながら「うらかわ」のような雰囲気に繋がっていると口々に話す。川越の個人店文化もここまで成熟してきました。

川越にはいろんな形態の個人店がたくさんある、裏道にある小さな個人店、古い建物を活用した個人店、そういうお店を面白がる、応援する風土があるのが川越の懐の広さでしょう。

川越人はルーチェのことをもちろん個人店文化の範疇で見ていて、それがクレアモールにあるという在り様にまた惹き込まれていくのでした。

さらにもう一つ面白い切り口があって。

川越市内ではなく各地からの資本のお店がしのぎを削るクレアモール上にあって、これだけ川越にこだわり、川越を深堀りしようとする新店というのが逆に新鮮に映る。しかも若者です。

ここまで地元産にこだわる飲食店というのが実は珍しく、それが観光エリアでもなく、うらかわでもなく、クレアモールで展開していることの意味は、きっとこれから大きくなっていく。

街の変化は、グラデーションのように少しずつ変わっていくものですが、ルーチェのオープン前後は色の違いがはっきりと分かるくらいの街の変化を示してくるよう。と、後々振り返ることになると思います。

 

農と商の繋がり。

ルーチェの二人の地元産への想いは、既に熱い行動となって表われています。オープン直後から川越の農家の現場を見たいというリクエストがあり、何人かの農家を紹介し、畑に伺っています。

ここに至るまでに川越的ダイナミックな展開、というか、川越らしい横の繋がりであっという間の展開だったのですが・・・

ルーチェで扱っている肉を卸しているのが、一番街にある肉屋「辻の吉野屋」さん。もちろん川越の肉屋と取引しようとしたわけですね。

「辻の吉野屋」- 川越一番街商店街

http://www.kawagoe.com/kurobuta/shop.html
そして、ルーチェの地元産への想いを聞いて辻の吉野屋さんが紹介した川越の農家が、利根川農園さん。

利根川農園さんから川越Farmer's Marketに連絡が来て、さらに川越の農を橋渡しするという展開になっています。紹介するのみならず、実際に畑の現場を見てみたいということで、ルーチェの田巻さんは鳴河さんと大河内さんの畑に赴いています。

川越の福原地区の人気農家、鳴河さんの畑へ里芋などの現場を見学に。この時はこれから本格的に収穫が始まろうとしているタイミングで、既にいい出来となっていました。

知識で知るのと、現場の畑は全く次元が違うもの。

農業ってこうだろうなという「想像」は、畑の現実を前にあっけなく崩れ去ります。この時もそうだった、田巻さんはリアルの農業に触れて、想像を超えた現実に圧倒されていました。そしてさらに、農に惹き込まれ、地元産農産物を深堀りしていこうと決意したのでした。

 

 

 

 

田巻さんは里芋をお店に持ち帰り、里芋を使った料理を提供。

これもまたアイディア溢れる一品で胸ときめく一皿。
刺激を受けるともっと知りたいと思うのが人情。
もっと川越を知りたい、もっと川越の農を知りたい、という田巻さんの積極性には驚きつつも、どんどん応えたいと思う川越Farmer’s Market。
大河内さんのハーブガーデンにも訪れていました。

 

 

 

 

大河内さんといえば、自ら手塩にかけるローズ・ハーブガーデンが何度も雑誌に取り上げられ、薔薇の最盛期には市内のみならず遠方からの人含め月に400人以上の見学者が来るという知る人ぞ知る川越の有名人。
2017年7月2日のファーマーズではハーブソルトのワークショップを開催してくれました。といういきなり大物に橋渡ししました。

 

(前編「川越Farmer'sMarket」2017年7月2日メイン会場蓮馨寺 市内各地で開催

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12290466838.html

 

 

 

 

 

 


田巻さんは、大河内さんが栽培する数えきれないほどのハーブに興味津々。一つ一つ香りを嗅いだり、どんな料理に使えるだろうかとイメージを膨らませているようでした。この日持ち帰ったたくさんのハーブは、ルーチェで料理に使われていった。

(鳴河さんの里芋や大河内さんのハーブ類が美味しい食に)
こうして川越の飲食店のシェフが、川越の畑に赴くことが活発になってきた今の川越。

農業をブランド化するために、商業者との連携は欠かせないものと考えていて、川越の飲食店に積極的に川越の農を紹介してきましたが、この数年のファーマーズの活動があって、いよいよ商業者の人の意識も本格的に変わってきました。地元産を使うのは当たり前で、地元の畑の現場にも足を運びたいと声を挙げる人が増えています。

農と商は連携することで相乗効果となり、結果、川越産農産物のブランドイメージの向上へと繋がっていく。農と商は常に一体として考えています。
田巻さんから、もっと見てみたい!という願いがあり、野菜農家の現場に足を運ぶ予定があります。
・・・と、ここまでの話しがあってお察しの通りですが、ルーチェさんは、次回2018年1月21日のウェスタ川越で開催される冬のファーマーズに出店が決まりました。

(「川越Farmer’s Market」14,000人以上の来場者で賑わう2016年12月4日

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12226437606.html
イベントでは一体どんなメニューを出品してくれるでしょう。
冬までの間に川越を今よりもっと深堀りしているはずです。
2018年1月21日のイベントは、ありったけの川越ストーリーを詰め込んで、みんなで分かち合うパーティーのような場に。
なにより、全てにおいて質を追求した出店者しか登場しないというスペシャルな場を。
川越を発信するイベントは増えましたが、いや、川越はもっと魅力がある、もっと知られていいことがある、発信源となってきたファーマーズが、より深く、より大きく、川越を一つにしたい。
かけがえのない一日のために、数ヶ月という時間をかけて準備をしていきます。

そう、そのストーリーにルーチェさんも新たに加わった。
この新たな出会いから何かが育っていきそうな予感。
 

KOEDO×イタリアン。

イタリアンは地元の食材を大事にし、シンプルな調理で美味しい食に仕立てることを大事にする文化であるように、ここ川越でも同じ意識で食に臨みたい。その気持ちが川越産農産物への眼差しであり、店名にKOEDOを冠していた。大仰なことではなく、イタリアンの本質と同じく、地元を見つめるという意味での、KOEDOでした。

 

二人とも、「お客さんの笑顔が自分の笑顔になることが飲食店の醍醐味」と口を揃える。

自分が幸せになるために、先にお客さんを幸せにすること。

 

お客さんと共に歩む、川越ストーリーが始まった。

 

「KOEDOイタリアン ルーチェ」 
川越市新富町1-1-11信富イハラビル1F
LUNCH 11:00〜15:00
DINNER 17:00〜24:00
土日祝11:00〜24:00
月曜日休み
席数14席(カウンター6席・4名テーブル2席)
TEL049-226-5688

 


 

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