川越style「もっこ館カフェテラス」石原宿の賑わいをここに 赤間川沿い | 「川越STYLE」

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石原町の物語は続いていく。


一つだったピースが、また一つ、また、と埋まり、

やがて大きな絵になっていた。

そんな街の様子が、川を臨む席の目の前にあった木のパズルにも、現れているようだった。

「一番街の近くに川が流れてるんだ」

何気なく足を延ばし、急に視界が開ける橋まで来ると、

多くの観光客がそう言葉を漏らすのが聞こえる。
今までは、川があるね、で終わっていた。

そこから踵を返して来た道を戻るというのが、いわゆる川越観光で見られる様子だったけれど。。。

一つの建物があることで、人の流れが生まれ出していき、

一つの建物がまちづくりまで担っていた。

 

川越の観光地、一番街や菓子屋横丁から西へ進み、赤間川に架かる高澤橋まで来ると、

 

川の向こう岸になにやら気になるスポットが目に入ってくるのが分かる。

「あそこになんだか趣のある建物が見える、ちょっと行ってみようか」

そんな風にして橋を渡って来る人が今多くなっていることが、一番の変化かもしれない。

橋を渡って川沿いを歩いていくと、

道路沿いに、いよいよあの建物が眼前に聳え立った。


  



 

 

赤間川沿いに出来た「川越 石原宿 もっこ館」。

敷地の奥に続く建物は、3つの空間に分けられてお店が入っています。

手前から、フォトスタジオ マカロンさん、

真ん中がカナダ国旗はためくMaple Leafさん、

一番奥に入るのがbackyard cafeさん。
そして、赤間川沿いにあるひと際古い大きな建物が、

古民家カフェ「もっこ館カフェテラス」さんです。2015年4月にオープンしました。





この古民家にはいろんなものが詰まっていて、
1階が「もっこ館カフェテラス」、

2階は「フリースペース&ギャラリー石原宿」、
裏には「ちょっと昔 くらしの道具小屋」があり、

これらは三澤屋木材の三澤さんが運営しているもので、

さきほどの、奥に続く建物も三澤さんがお店に貸しているもの。

さらに言えば、川向こうには「木のおもちゃ 木のパズル もっこ館」も三澤さんが展開していて、

多面的に展開、バラエティーに富んでいるスポットです。


1階のもっこ館カフェテラスへ足を踏み入れる。やっぱりこの建物といったらまずはカフェです。




 




 

 

 



 

この木の空間にまず惹き込まれていく。

築110年になるという古民家は、一つ一つの部分に興味がそそられる。

一体これまで何に使われていたんでしょう。三澤さん曰く

「今となっては正確には分からないんだけど、

造りを見るとかつては商人宿に使われていたんじゃないか」とのこと。

近年は三澤さんが建材倉庫として使ったり、木のおもちゃを扱ったりしていました。


 

 

古民家に大きくとられた窓、

 

古い趣きある空間に燦燦と光が注がれ、際立つ陰影に惹き込まれます。

どこに座っても景色が絵になる。

ただ、映画館では巨大スクリーンの近くで見たいという人なら、

やはり赤間川沿いの窓際に座りたい。

カウンター席なら大きな窓がそのまま大きな額縁となって、景色を切り取ります。

川向こうには見立寺があり、生い茂る木々が安らぎを与えてくれる。

通い、よく見ると時季によって咲く花が変わっていくことに気付き、

少し前なら紫陽花が綺麗に咲き、「絵」に彩りを加えていました。


 
 

食事はパスタは、ミートソース、和風キノコ、ツナトベーコンのトマトクリーム味、辛し高菜、

ご飯は、焼豚丼に中華丼、カレーライス、

土日祝限定で、サンドイッチがあります。
 


 

 

 


  


もっこ館カフェテラスで、これはぜひ、と特にお勧めなのが、ケーキ。

良い素材にこだわり、カフェテラスの三澤さん自身も「ケーキはぜひ味わってもらいたい」と話しています。

アップルパイ、焼きチーズケーキ、クルミのショコラ、ブルーベリーシフォンケーキ、

それにパウンドケーキは欠かさず注文するという人が多い人気の一品。

デザートとしてはバニラ、ストロベリー、ラムレーズンのアイスクリームにコーヒーゼリーもあります。
 


 


  


  


 

 

 

そして、外階段から2階に上がると、
「フリースペース&ギャラリー石原宿」が広がる。

室内をレンタルしていて、集まりや作品展などいろんな用途で使うことができます。

パーティーなどの使い方もOKとのこと。

この時は、川越百万灯夏まつりの「OH!通りゃんせKAWAGOE2015」の写真展が行われていました。




 

 

2階は以前、河越藩狐衆が「狐宵の市」の会場としても使用していたことも記憶に新しい。

 

 

 

(2016年4月狐宵の市より。)

 

木がふんだんに感じられる古民家、

 

そして古民家内には、あちこちに木のおもちゃなどがちょこんと置かれていることに気付く。

なんともそのマッチ感がいい。手に取って遊ぶ子どもたちの光景もありました。

 


 


 

もっこ館カフェテラスを運営している三澤屋木材の三澤さんは、現在17代目になるという人で、

会社は年数で言うと軽く500年以上前からあります。


(もっこ館カフェテラスと同じ赤間川沿いにある作業場)

 

まさにこの場所に生まれ、育ったからこそ、この地をもっと盛り上げたい、

 

三澤さんの熱や行動は全て、石原町、が原動力になっているよう。

赤間川に架かる高澤橋から西に延びるのが、高澤通り。

石原宿と呼ばれた地域で、かつては旅籠が7~8軒もあったのだという。

旅籠というのは旅宿のこと、

各地の行商人、町芸人、旅人などが川越に物を売りに来ては、この地の宿を使っていた。

人が集まってくればお店も集まってくる、商店街が形成されます。

当時の活気は相当なものだったでしょう。

目を凝らして通りを見てみれば、

大きな包みを背負い、これから街に村に商いに出かけていく人たち、

歩き疲れ宿に集う人たちの喧騒が感じられてくる。。。

 

さらに言えば、川越の明治の大火の後に蔵造りの建物が建てられましたが、

 

わずかな期間にあれだけの町並みが出来たというのは驚くべきことで、

その裏には、各地から大工などの職人が集結していて、

彼らが宿として使っていたのもこの辺りかもしれない、と三澤さんは話す。

つまり、蔵造りの町並みを縁の下で支えた場所。と言えば、

改めて感じ方、見え方が変わるのではないでしょうか。

大正時代になり鉄道が整備されてくると人の流れが変わり、

石原宿の旅宿は一軒、また一軒と姿を消していきました。

 

今の高澤通りは車の往来は多いですが、お店、というのはほとんどない。

 

「もう今では旅籠があった場所も特定できない」と三澤さんは口惜しそうに話しますが、

それでも、石原町は古い建物があちこちに残っていて、川越のディープに触れることができる。
  

 

三澤さんは、石原町を盛り上げようと一人で一手に引き受け続け、

 

もっこ館を作ったのもそうだし、
もっこ館カフェテラスの裏には「ちょっと昔 くらしの道具小屋」も作って併設している。

展示品は、菓子屋横丁の旧田中屋から譲渡された物と、

三澤家を改装した時に出てきた物。
 

 

 











 

田中屋は、菓子屋横丁復活の象徴のようなお店、
それまでお店が次々に閉まり、シャッター通りと化していた横丁をなんとかまた盛り上げようと
田中さんが開いたのが田中屋という駄菓子屋で、
暗闇に一つの光が灯ったことでまた人々の注目を集め、復活ののろしとなった。
今の菓子屋横丁を語る上では避けて通れない超重要なお店です。

 

田中さんとは三澤さんはずっと懇意の仲でした。
そのお店も、惜しまれつつ2009年11月15日閉店。
閉店後、店内の片づけをしているその最中に三澤さんは駆け付け、
「捨てないでくれ!」とすぐにトラックで店内のものを引き取ったのだという。
それを大事に保管しておいて、もっこ館カフェテラスの裏に、

田中屋の物を合わせた博物館のような展示室を設けた。
室内は自由に見学することができます。

いよいよその熱が、周りに伝播して広がっていく時が来た。

昨年からじわじわと起こり出した石原町の新たな展開が、

時間をかけて広がりを見せるようになってきて、川越の風景がまた変わり始めている。

その様子はここでももう何度も取り上げてきましたが、

ただその動きも、しっかり中心を見極めようとするならば、

ここに三澤さんがいたからこそ、だということ。

いよいよ、石原町の核心的なお店へ辿り着いた。

 

三澤さんがここに、石原町に、賑わいを作りたいと思ったのは、

 

高澤通りは以前はお店が軒を連ねる活気ある商店街だったが、

時代とともに廃れ、お店の姿もほとんどなくなってしまった。

「石原宿の賑わいを復活させたい」

それまで製材工場だった建物を改修し、

お店を誘致しようとしたところから石原宿復活の物語は始まった。

その建物が、今、マカロンさん、Maple Leafさん、backyard cafeさんが入る建物のことです。

当時はここに製材機があり、丸太などを切っていました。

ちなみにですが、今3店が入る建物を建てたのが戦後すぐの昭和21年。
その前は、現松江町にある佐久間旅館の別館が建っていて、

三澤さんの伯母さんが結婚した時に別館を県庁の近くの地に移築したのだそう。

そこで別館は残っていましたが、空襲を受けて消滅。

移築して空いた場所に、三澤さんは製材工場を建てたのでした。

 

今、賑わっている状況からはもう想像し難いですが、

 

(いつだって、新しいものが出来るとそれがなかった時の状況が実感できなくなりますが)

この場所に飲食店を誘致するなんて話し、壮大な夢は、

普通の市民感覚からいったら

「いやいや、こんなところにお客さんは来ないでしょ」というのが大方の感覚だったと思う。

近くに一番街、菓子屋横丁があるといっても、

そちらに食べるお店はあるし、

こちらまで足を延ばして新河岸川を越えてもらうというのは絶望的にハードルが高く、

賛成する人はほとんどいなかったはず。

しかし、三澤さんに迷いはなかった。

かつて賑わっていた場所が、もう二度と賑わわないとは言えない、いや、賑わいは作れる。

新たな装いとなった建物は、空間が区切られ、3つのお店が入れるよう作られていました。

え!三澤さん、ここに3店も呼ぶつもりなんだ、、、今思えばそれも率直な感想。

ここに入るお店があるんだろうか、街の人は半信半疑な中でも、三澤さんの行動は止まらない。

建物は完成してもまだ入るお店が決まらない昨年冬のこと、

空っぽの建物をイベント会場として貸し出していたこともありました。

今となっては懐かしい、2015年2月28日、3月1日、二日間に渡って開催されていたのが、
「はんどめいど☆フェスタ 川越もっこ館」でした。
布・毛糸の小物、パッチワーク、オーガンジーキルト、
ビーズアクセサリー、ベビー用布小物、ポーセラーツ、クッション、
木のおもちゃ、木のガーデニング用品など20ブースの手づくりショップが並びました。

 

  

 

 

 

(「はんどめいど☆フェスタ 川越もっこ館」

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11996133196.html

最後の写真が、今MapleLeafが入っている場所です。

ここから紆余曲折ありながら、最終的にMaple Leafが入ることに繋がっていった。感慨深い写真です。

空っぽだった建物に、興味を示す人が現れ、一つ、また一つ、とお店が入っていった。

まずお店を構えたのが、建物の真ん中、

あのイベントから半年以上経った2015年10月にMaple Leafさんがオープン。

 

 

 

 

(「カナディアンバー&レストランMaple Leaf(メープルリーフ)」溝井家が織り成す物語

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12155565381.html

 

そして、2016年1月には、一番奥にbackyard cafeさんがお店を構えた。

 

 

 

(「backyard cafe」カフェとして、花屋として、赤間川沿いの魅力スポット

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12129203407.html

2016年5月には手前の空間に写真スタジオ マカロンさんが入り、3店が揃うことになった。

高澤橋の袂には中正屋さんができ、歩いて回れる距離に集中しているのが石原町の特長。

さらに、2016年7月には、

Maple Leafの溝井さんが高澤通りにある古民家を改修して新スポット

「恵比寿屋」を作ったことは伝えました。

 

 

(「恵比寿屋」築130年の古民家が川越の新スポットになっていく

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12173192354.html

 

あの当時、と言ってもまだたった昨年の話しですが、

 

こんなところにお店が入るの?という状況から、

「もっこ館今賑わってるね」と街の認識が変わっているのは、劇的というか川越らしいスピード感。

場の見え方が変わると見えるものの認識が変わるようで、

もっこ館が光を発することで石原町の魅力が照らされ、輝き出していった。

やっぱり赤間川って和むよね、川沿い散策も楽しい、

一番街からすぐ近くにこんな場所があるなんて、

近くのパンダ公園もいいね、

古い建物も残っている地域、

お寺や神社があちこちにあって落ち着く、などそれまで石原町のことそんなに言われてた!?というほどに、

石原町の魅力が多くの人の話題に上がる今。

一つ、大きな存在、大きな光があることで、

街はがらりと変わり得ることを見事に照明しているのがここ。

 

(六塚稲荷神社横の六塚会館で開催された狐宵の市

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12170339222.html


 

ピースが点在し、点から線となってまとまり、面として発信し始めた石原町。

ここで、さらなる展開を構想している三澤さんは、

石原町の魅力をこの日、ここに集約させようとしていた。

その舞台が、石原町の代名詞となっている、目の前の赤間川。

赤間川は、三澤さん自身小さい頃から親しんできた川で、

本人の言葉で言えば「庭、遊び場」だった。

ここで遊ぶことはもちろん、常に生活の横目、どころか正面に在り続けている川、

本人の感性や感情など人格すら作ってきた古里、赤間川。

三澤さんの記憶では、定かではないが川でやったような感覚がある、

それを今復活させ、石原町の新たな夏の風物詩としようとしているのが、

2016年8月20日(土)に開催する「赤間川の灯籠流し」。

石原町という括りを超え、川越の新たな歴史の1ページになりそうな予感のするイベント。

このイベントは、まさに三澤さんが旗振り役で実行委員長です。


 



(見本で作られた灯籠)
13時からもっこ館の駐車場で飲食や音楽などのイベントが行われ、

17時半から目の前の赤間川で灯籠流しが始まる。

当日参加分は少ないですが、川沿いを灯籠が流れる光景を見学することはできます。

川越で行われる灯籠流しとしては、川を下った新河岸の旭橋でも毎年行われていますが、

赤間川というのは現代になって初。
その日に向けて、もっこ館のお店たちも鋭意準備に追われています。
   
(三澤さんとMaple Leafの溝井家が打ち合わせをしていた)
もっこ館の駐車場特設会場では、Maple Leafなどが飲食を提供、

Maple Leafは上記トルティーヤをイベント用に投入予定。

他にも、三澤さんは「石原町のイベントとして、石原町のお店に出てもらいたい」と話し、

もっこ館から近くにある新しく出来たパン屋、

「パン工房Bare Bread」さんにも声をかけ、8月20日出店することが決まりました。

 

 

(「パン工房Bare Bread」石原町の住宅街に新しいパン屋さん

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12132582445.html


2016年7月10日には、赤間川で三澤さんはじめ運営スタッフで実際にリハーサルが行われ、

「想像以上にいいものになりそう」と三澤さんは自信を深めていました。

(7月10日灯篭流しリハーサル。高澤橋から川を臨む)


今の石原町の活気はもっこ館があったから。

いや、ただやはり、全てはここに石原宿があったからで、

さらに遡れば赤間川があったから。と言えるかもしれない。

 

 

ピースが埋まり、これから石原宿は一体となって盛り上がっていくはずです。

 

川は絶えずそこに流れ続け、人の生活に寄り添い、人の意識を作ってきた。

 

これまでも、

これからも、

赤間川は絶えず静かに流れ続ける。

 

「もっこ館カフェテラス」

 

川越市石原町1-18-3

月~水: 10:00~17:00
土~日: 10:00~17:00

木・金休み

090-2462-8976


 


 


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