「川越style」

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川越のなるかわ農園さんのとうもろこしなどを使用してくれていた「手打そば鎌倉」さんが8月で閉店することになりました。
美味しいお蕎麦、川越産農産物への理解、ありがとうございました。
以下、鎌倉さんのフェイスブックページより。
以前鎌倉さんの取材をした時に、お二人にじっくりとお話しを伺ったことがありました。続いて再掲致します。


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《お客様へ大切なお知らせです》
このたび突然ではございますが手打そば鎌倉は平成29年8月30日(水)をもちまして閉店することとなりました。
肩、ひざ、腰等の痛みを我慢しながらやって参りましたが、ついに悲鳴をあげてしまい苦渋の決断となりました。
笠幡で3年、その後この地に開店し、計25年。地域の皆様をはじめ、遠方からも多くのお客様にご来店いただきました。25年間長きに渡りご愛顧いただき本当にありがとうございました。
8月17日(木)〜19日(土)…夏季休暇で木曜日は定休日です。
つきましては残りわずかの営業ですが何卒よろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
 

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通りから見える蕎麦打ちの光景は、毎朝早く、7時頃には見る事ができる。

 

その蕎麦打ちの様子が、

この通りの日常風景となっていて、時折立ち止まっては見入る人もいる。

使うそば粉は北海道幌加内産。

寒暖の差がある幌加内の気候で育ったそば粉をお店では一年中使用し、

細かく挽かれた粉は茹でた時の食感がいい。

そば粉を混ぜ、捏ねて伸ばし、小気味良いリズムで包丁で切っていく。

鮮やかな手つきで、ものの20分で20人前の蕎麦が出来上がっていきました。




「蕎麦打ちは今でも難しい」

それが、栗原さんが口にした蕎麦打ちの実感であり、間違いなく蕎麦打ちの真実。

そば粉と水だけというシンプルな材料と製法だからこそ、

春夏秋冬の気温や湿度といった微妙な変化に影響され、

人の味覚も感じ方が変わり、より際立ってくる。

それでも美味しいと言わせ続けた20年以上という途方もない時間。

変わっていないようで、変え続けてきた時間でもあり、

一定の蕎麦を打つために気が抜けない朝の蕎麦打ちの時間があるからこそだった。
手がかじかむような寒さの中、今日もいい蕎麦が打たれました。

 

「手打ちそば鎌倉」さん、

 

お店があるのは、本川越駅からだと連雀町交差点を右折し、

いちのやがある松江町交差点を越えてくらづくり本舗さんのちょうど向かい。

粋な浮世絵看板に白壁の映える大きな手打ち場が目印です。

店内に入ると、カウンター席が見え、靴を脱いで二階に上がると畳のお座敷があります。

お店は昔からの常連客に、中には親子3代で通っている人もいて、

最近では若い人もふらっと入ってきては、鎌倉のファンになっていくという。

 



 






二階には個室があり、部屋をつなげて大部屋も個室にすることができます。
「顔合わせ」「お宮参り」「七五三」「ご商談」など、

様々なシチュエーションでも使われている。

お店の空間から伝わってくる、あ、ここはいい蕎麦を出してくれそうだな、という直感。

お店の底に流れている緊張感は、間違いなく店主がそこだけ張り詰めて仕事をしている証拠、

いいお店独特のうっすっらピリッと凛とした空間でした。

それは格式ばっているという意味ではなく、店主の仕事への向き合い方、情熱から生まれるもので、

いいお店には精神性を感じる、というのが密かな持論です。

鎌倉のせいろ、九割蕎麦は、

蕎麦の実の真ん中から少し外側のオフホワイト部分に、全部挽いた粉を混ぜたものを使用し、

実の白い部分のほのかな甘みに外側の香りが立ち、9割ならではの食感がいい。

十割は、蕎麦そのものの風味が感じられるもので、

せいろか十割か、どちらがいいかは好みが分かれるところ。

たまに食べる時の十割のどっしり感は、やはり、蕎麦を感じるし、

毎日のように食べるなら、せいろはさっぱりした飽きの来ない味で、するすると入る。

鎌倉に来るお客さんでも両者の好みは分かれると言います。

 

朝の蕎麦打ちで季節を敏感に感じながらの仕事は、

 

注文が入ってからさらに気を引き締めることになる。

蕎麦を茹でる段階でも、季節によって茹で時間が変わるので、

一日たりとも簡単に茹でられる日はない。

特に夏ともなれば、蕎麦が伸びるのが早くなるので、一刻も早くお客さんに届けるため時間との勝負。

お客さんがどこに座り、どのくらい待っているか、あとどのくらいで提供できるか、

お店の営業が始まった瞬間から常に店内・お客さんの状況を頭に入れ、

最高の状態の蕎麦を届けるために心を砕く。

シンプルな食べ物だからこそ、作るだけでなく接客も微妙な心遣いが必要となります。

◇つめたいそば◇
せいろ
冷たぬき
のりかけ
つけとろ
おろし
十割
天せいろ
十割天せいろ
天せいろ鎌倉
鴨せいろ

 

 

(十割)





(天せいろ)

 

◇あったかいそば◇
かけそば
たぬきそば
とじ
山かけ
親子南ばん
天ぷらそば
鴨南
そばがき

(たぬき)

 

 


ランチの時間帯なら、そばとミニ天丼セットがお勧め。
せいろそばとミニ天丼、日替わり小鉢、香の物がついたセットで、

 

鎌倉のランチでは特に人気のメニューだそう。

 

 

天丼の「たれ」には、そばつゆの基本出汁をしっかりと使い、
たれとご飯だけでも食べられてしまうような丼。(天丼はお持ち帰りもやっています)。


少々変わったお蕎麦を手繰るなら、変わりそばを。

季節を意識して、季節のものを採り入れた蕎麦で、

年末までは「ゆず切り」を提供していました。




「三色そば」から。

ゆず切り、せいろ、十割の三種類が一度の味わえるもので、

ゆず切りは、ゆずの皮を使い、更科粉と熱湯で練り、冷まし、

もう一度普通のそば打ちのように打って作る。爽やかな酸味が感じられる蕎麦でした。

ゆずの皮「だけ」を使うという贅沢ぶり。

変わりそばは、昨年は2月の「春菊切り」や、「桜切り」、
5月の「しそ切り」、秋の「さつまいも切り」と変わっていきました。

 

鎌倉といったらなんと言ってもこの、つゆ。

 

昆布と椎茸を水から煮出し、鰹節、宗田節を加えてあくを丁寧に取りながら

一時間半かけて出汁を作る。

それに、長野の特注の手作り醤油、砂糖、みりんで作ったかえしを合わせて、

計二時間かけて鎌倉のつゆが出来上がります。

出汁とかえしのバランスが絶妙で、コクに甘みに余韻が残り、

蕎麦湯で割るのが勿体無いくらい、このまま飲んでいたい。

蕎麦を浸す前につゆだけを少し口に含んで、味わいを深く感じてみてください。

このつゆを美味しいと感じられる日本人でよかった、と浸るほど。

つゆの中に見るバランスは、さらに大きく見たら

蕎麦とつゆ、天ぷら、鎌倉の場合は鴨も含めたバランスから成っていて、

蕎麦が美味しくて、つゆの美味しくて天ぷらも鴨も美味しい、この三位一体が鎌倉なんです。

もちろん、という言い方で、鎌倉の天ぷら粉は特注のもので、油も最高級品です。

 

このつゆが鎌倉の土台で、いろんなお料理に使われて世界を広げていて、

 

一品料理の定番だし巻きに、

蕎麦豆腐のつゆにも少し濃い目にしたものが注がれ、

そのつゆが蕎麦豆腐の味の決め手になっていました。

(蕎麦豆腐)

一品料理は一つ一つ手作りで、材料にこだわり、手間をかけて作っているもの。

◇おつまみ◇
そば味噌
タコの塩辛
板わさ
だし巻
そばがきの揚げ出し
鴨のくわ焼き
鴨ロース
最高級霜降馬刺
かき揚げ
天ぷら
天ぷら盛合せ
鳥もつ(夜のみ)

「そばがき」。



「そばがきの揚げ出し」。


「鴨ロース」。

お昼も夜も提供している鴨ロースは、フランス産鴨のブロックを強火で皮をパリっと。

適度に脂を落とし、血抜きし、醤油、だし、香辛料ベースのタレで炊き、鴨を1度取り出し、

冷めてからまた漬け込みます。注文のたびにそれをスライスして提供している。


「鳥もつ(夜のみ) 」。

先々代(祖父)の肝焼を継承復活。

鎌倉では、砂糖、醤油で味つけする前に酒で煮きって作ります。



「霜降り馬刺」。鎌倉オープン以来ずっとある定番メニュー。

熊本出身の鎌倉の栗原さんが自信をもってお勧めしている一品、

お客さんから「カルビみたい!!」という反応もあるそう。ビール、日本酒、焼酎、なんでも合います。


 

「夜の蕎麦屋で一杯5品セット」


デザートは、そばようかん、そばあべ川、かめ山クリーム、そばぜんざいは浮動の人気。

他にも抹茶アイスにマンゴーシャーベットがあります。

 

 

「かめ山クリーム」。丹波大納言の小豆を使った餡子はなんと4日間かけて作っているのだそう。

一日目は水に浸けて、二日目から粗目を入れてじっくり煮詰めていく。

なんだか和菓子屋さんのような手間のかけ方。

小豆を使った商品は、かめ山クリームとそばぜんざいの2つ。

その2つのためにこうして手間をかけているのが鎌倉なんです。


「そばようかん」。京都産きな粉を使用しています。

 


「河越抹茶アイス」。

 



「マンゴーシャーベット」。
マンゴーシャーベットは、イタリアンのお店にあるような

ジャラートを作る機器を使って手作りしていて、

蕎麦屋にあることもそうだし、その一品のためにマシンを導入していることにも驚きます。。。

蕎麦に対しても、料理に対しても、並々ならぬ情熱を注ぐ栗原さん。

情熱的な職人に、情熱的な接客の奥様、一歩中に入った時の熱量、

二人の連携から最高の状態で蕎麦が料理が、お客さんの目の前に提供されています。

熊本出身の栗原さんは大学卒業後、すぐに福岡にある蕎麦店に修行に入りました。
その後、弟さんが働いていた鎌倉の懐石料理店で兄弟で腕を振るっていた。
もともと「蕎麦屋をやりたい」と胸に秘めていた栗原さんは、2年経った後、
都内の蕎麦店を何軒かで働いていました。

ちなみに弟さんは、いわゆる「和の鉄人」として、

テレビの料理対決番組に出演オファーを何度も受けていた人。
栗原さんは自分でお店を開くために、全国各地のそば粉を取り寄せては、配合を変えて打って比較し、
理想の蕎麦を追求し続けた研究の日々があった。
10年間修行ののち、1992年31歳の時に川越市笠幡で独立開業、

そう、鎌倉はもともと笠幡にあったんです。駅のすぐ近くの場所でした。

小さなお店でしたが、お客さんの目の前で蕎麦打ちするような一体感もあり、

常連客に支えられたお店でした。


「笠幡のお客さんは人情味溢れる方が多かったです」

笠幡のお店を閉めるという時には、お客さんも一緒になって新しい物件を探してくれたほどで、
1995年4月に現在地である久保町に移転、
笠幡から数えて24年、久保町で21年になろうとしています。
今でも笠幡時代のお客さんがお店に通っているという話しに、鎌倉の魅力が詰まっているよう。

ちなみに、今鎌倉で使用している醤油は、あの料亭時代に使っていたもので、

高級料亭だけで消費されてしまうこの醤油は、

埼玉で使っている蕎麦屋は鎌倉だけかもしれないとのこと。

鎌倉を、蕎麦だけの店と見るのは早計で、

料理への情熱と手間を考えたら、蕎麦屋というより、もっと広く捉えたくなるお店です。

 

笠幡時代からも、今も、鎌倉を好きな人は、その愛情が皆さん深い。

 

お店に来れば一人で何人前も蕎麦を食べるような人も多く、

このお店で食事することが何より楽しみなんだ、と目をキラキラさせ、

やはり、いい素材を使い、いい仕事をするところはいい人が集まるのだ、と感じます。

 

鎌倉の川越の久保町はその昔、川越城の土塁を築くために

 

この辺りの土をさらったという云われのある地域で、

確かに今見ると土地はなだらかに窪んでいて、窪→久保という説に頷きたくなります。
喜多院と共に栄えた喜多院不動通りは、
昭和になると様々な商店が建ち並ぶようになり、
昭和初期の風情をそのまま今に伝えている貴重な通りです。

喜多院へ訪れる方が通りを歩くのが見え、着物姿の方も通り過ぎていく。

昔も今も変わらない川越と喜多院の風景。
今は毎月28日に成田山川越別院で「蚤の市」が開催されているので、
この日は通りも人が行き交って賑わいます。

(成田山川越別院の蚤の市)

日本人だけでなく、日本文化を体験したい、と外国人も多く訪れ、

蚤の市の日は鎌倉にも外国人客がやって来ては、

お店の空間の雰囲気やお店で出される一つ一つに反応し、喜んでいるそう。

日本人が外国からのお客さんに和の文化を感じてもらおうと鎌倉を選ぶケースも多いそうで、

二階の畳のお座敷には感動の声を上げという。

 

 

 

川越観光というと、まず思い浮かぶのは蔵造りの町並みの一番街ですが、

 

そこから歩いて少し進んだところに、手付かずの遺産が遺されている地域があることは、

川越観光に来る方にもっと知られてもいいと思います。
その通りの一角に、鎌倉はある。

「喜多院、成田山までのこの通り、風情あって凄くいいんですよね」

と栗原さん夫妻は頷き合っていました。

蔵造り本舗さん始め和菓子店があり、いちのやさんの鰻店、

和を存分に感じられる通りであり、

かつては、喜多院不動通りだけで蕎麦屋がも何軒もあったんです。

 

このエリアのことを感じてもらおうとした時に、まっ先に思い浮かんだのがあの方。

 

川越の深くつっこんだ散策ツアーとして、

お馴染み「小江戸川越のらり蔵りさん」が鎌倉さんとタイアップした久保町ツアーを開催したのが、

2015年6月のことでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(「小江戸川越のらり蔵り」知られざる久保町をのらり蔵り

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12044256034.html

ツアーの最後には、鎌倉さんのおそばが提供されました。

 

喜多院不動通りは、かつては参拝客向けの店、昭和になると商店街、と変遷してきて、

 

そのミックスが今見られるだけでなく、
最近になって新しいお店が出来始めてきて面白い地域です。

(「和カフェ 夢宇」喜多院、成田山、川越散策の途中に和のやさしさでホッと一息

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12042563076.html


ふと・・・

お店の入口に、見慣れた人の写真が飾ってありました。

栗原さんと一緒に写っているその人は、ご存知の人も多いと思いますが、

ボクシング世界チャンピオンの内山高志選手だった。。。

実は内山さんは鎌倉が大のお気に入りで、今でも忙しい合間を縫ってはお店に来て、

栗原さんが打った蕎麦をたくさん食べていくのだという。

もともと知り合ったのは、

栗原さんの親友が花咲徳栄高校のボクシング部の監督をしていて、

部に在籍していた内山さんが、監督に連れられて二人で初めて鎌倉にやって来たのが、

まだ世界チャンピオンになる前の事でした。

それ以来、内山さんは鎌倉に年に3回は通っているそうで、

トレーナーやジムの先輩と共に、あるいは一人でも蕎麦を食べに来る。

2年半前にドン・キホーテ川越店でサイン会を行った際にも、鎌倉さんに立ち寄ったのだそう。

内山さんの好き度は本気で、自身がラジオ出演した「NACK5の女性応援課」という番組で、

好きなお店は?という問いに鎌倉を挙げ、

内山さんをゲストにしたそのラジオ番組の収録が、なんと鎌倉の二階席で行われていたんです。

内山選手の試合には栗原さんは何度も会場に足を運んで応援しているそうですが、

 

内山選手といったら、毎年大晦日の試合が今や恒例となっていますが、

 

栗原さんは年越し蕎麦で一年に一番忙しい時期で、

「いつも試合のことが気になるけど、毎年録画して観ているんです」とお二人は語る。

2015年の大晦日も、内山選手は試合に臨み、

その日、鎌倉では数百食という年越し蕎麦を提供していました。

「年越しそば」、

そばの茎花は少々の雨風に当たっても、翌日陽が射せばすぐに起き直ります。
それにあやかって、来年こそは捲土重来を期して食べるといわれている。

 

 

(2015年の年越し蕎麦には鴨南を。鴨は一枚一枚小麦粉をつけてフライパンで焼き、

甘辛く味付けして蕎麦の上に乗せています。

ちなみに鴨せいろの鴨も同じ手間をかけていて、日本酒でフランベしている)

蕎麦を手繰りながら、気になっていたその試合結果は・・・

2015年12月31日WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ

内山高志(王者・ワタナベ) vs × オリバー・フローレス(同級7位・ニカラグア)

王者・内山さんがオリバー・フローレスを3ラウンド1分47秒TKOで下し、

11度目の防衛に成功した。

具志堅用高さんが持つ世界王座連続防衛の日本記録(13連続防衛)まで、あと2に迫っっています。

内山高志さん戦績、24勝(20KO)1分。


鎌倉の栗原さんの話しを伺っていると、

それはまるで、内山選手と同じじゃないかと思わされる。

「どんなにたくさんのお客さんが来ても、一対一だと思っています」

この言葉に全てが詰まっている。

内山選手がリングで相手と一対一で向かい合うように、

栗原さんは厨房で、お客さんと一つずつの蕎麦で向かい合っているのだ。

 

その真摯な姿勢、情熱的な蕎麦をどうぞ。。。♪

 


「手打ちそば鎌倉」
川越市久保町6-6
11:30~15:00(ラストオーダー14:30)
17:30~20:00(ラストオーダー19:30)
水曜日は昼のみ
定休日 : 毎週木曜日(但し28日・祝祭日営業)
TEL/FAX 049-226-9837
http://www.kamakura-soba
駐車場:6台


 

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