川越style「love Aquaponics」画期的な野菜栽培システム、アクアポニックス | 「川越STYLE」

「川越STYLE」

川越物語伝え人・石川真。
川越styleは、川越の動きを伝える川越物語メディア。
川越の様々なまちづくり活動に従事しています。


テーマ:

アクアポニックス、最近この言葉が巷に流れるようになっので、

耳にしたり目にしたりしたことがある方はいるかもしれません。
最近もテレビや新聞で取り上げられて大きな話題になっていました。

(2015年6月20日東京新聞首都圏版より)
その画期的な野菜の栽培システムをより多くの人に知ってもらいたい、
アクアポニックスを広めようとしている「love Aquaponics(ラブアクアポニックス)」さんには

川越Farmer'sMarketにはぜひ出店してもらいたいと願っていました。
love AquaponicsさんもFarmer'sMarketに興味を持ってもらっていて、出店了承。
7月12日の蓮馨寺には、アクアポニックスのシステムを車に乗せた展示のみならず、

来場者に野菜を収穫して持ち帰ってもらう体験と

アクアポニックスで育てたバジルを使ったバジルソースの販売も行います。

love Aquaponicsさんのシステムがあるのが、254号線を北に、落合橋を渡ってすぐのところ。
アクアポニックスというのは、自然の生態系をコンパクトに再現し、

水を絶えず循環させながら野菜を育てるシステムのことで、と
こう説明すると分かりにくいと思いますが、(自分も話しを聞いている限りでは全然把握できなかった)

説明するよりも一目見てもらうのが一番、ということで実際に見に来ました。

アクアポニックスの仕組みが作られている場所には大きな水槽が。

水槽の蓋を開けると、中には数百匹のタイが養殖されていました。

小麦胚芽や自分たちで育てた蜂の子を餌にして、

魚が出したフンを水の中にいる数え切れないほどのバクテリアが分解し、栄養素に変え、

ポンプで水を上にある野菜畑まで送ります。そして野菜の根が栄養を吸収して育っていく。

栄養素が吸収された水はだだの水に戻るので、再び下の水槽に戻ると魚たちが生きる水となる。

 

そしてまた魚がフンを出すと水中のバクテリアが分解し、

 

栄養素が溶けた水が野菜畑に上がっていき、とぐるぐる循環をしています。
これには野菜を作るための土も必要なく、農薬も肥料も必要ない。
また、魚の養殖だけだと1分間で3分の1の水を絶えず入れ替える必要がありますが、
このシステムだとフンは栄養となって活かされるので、水を入れ替える必要がない。

そういう話しに、魚の養殖を仕事にしている人にいつもびっくりされるのだそう。
もう3年以上水は変えずに循環しているそうで、タイも3年元気に生きている。

アクアポニックスの仕組みは水耕栽培と受け取られることが多いそうですが、水耕栽培と違うのは、

これは水だけで育てるというシステムではなく、
水に薬や野菜にLEDをあてることもせず、
水の循環で魚も野菜も生かされている自然界の形を利用しながら野菜を育てていること。
魚はタイでなくても、鯉でも金魚でも問題ないそう。


水槽の上の野菜畑を見ると、

この時はちょうどスイスチャードが大きく育ち、綺麗な葉を茂らせ、収穫に追われているところでした。


一つ一つの野菜はポットの入れられていて、ポット中には椰子ガラなどが入っています。

野菜が育つと、ポットから根が突き抜け、水底まで届くくらいの長さになるそう。
スイスチャードはサラダにもいいし、茹でても美味しい。
「葉っぱが大きいのでおにぎりにも使えるし、お料理に何にでも使えますよ」
と葉の生育を確かめながらLove Aquaponicsの関谷さんは話す。
畑にはさらに、ネギにレモンバーム、バジルも植えられていて、これから大きく育っていきます。
「植えてまだ3週間くらいですね」
暖かい夏なら、バジルは1ヶ月ほどで収穫を迎えることができるといいます。

 

 





アクアポニックスは今から20年以上前にアメリカで生まれ、

アメリカでは今急激にアクアポニックス農家が増えているそう。

日本でも全国で取り入れて広めようとしている人はいますが、

中でもLove Aquaponicsの関谷さんは取り組みの深さ、広がりで日本国内のトップランナー。
もともとニューアメリカンホームズという工務店を経営している関谷さんが

アクアポニックスに興味を抱いたのが、2011年3月の東日本大震災がきっかけだった。
関谷さんの元には東北出身の職人がたくさんいる。
東日本大震災の惨禍を目の前に、職人たちが

「実家は農業やっているが、もう帰れないな」と悲しそうに話すのを聞いた。
その後関谷さんのご主人が、アメリカに「アクアポニックス」という栽培システムがあることを紹介し、
これなら塩害に遭った土地や、自然災害に関係なく野菜を育てることができるし、

誰でも農家になることができると確信し、

関谷さん夫婦はアクアポニックスを日本で広めようと動き出しました。
自分たちでまずアクアポニックスでの栽培を勉強しようと

二人はアメリカに行って農業トレーニングを受け、日本で始めて3年半。


今では小学校の授業でも取り入れられたりし、広がりを実感していますが、
アクアポニックスという栽培システムを一般家庭でも広めたいと話す関谷さん。
関谷さんのところにあるのは大きな規模がありますが、
実はそんなに場所もとらず、 通常の鉢に土を入れて苗を植えてという形を、
魚の水槽一つとその上に野菜が育つスペースをとるという形に変えれば実現できるので、

新たな家庭菜園として始めることもできます。
被災者のために日本に導入したシステムでしたが、

今社会全体に関心が寄せられ、意識の高い個人の間で広がっている。
関谷さんも一般家庭に普及させようと、10万円くらいの小さなアクアポニックスを開発しているところで、

メディアで取り上げられたこともあり、既に趣味で家でやってみたい、と問い合わせも入っているそう。

そして、別の場所には関谷さんの夢の場であり壮大な実験場が作られています。
そこには、外に置いてあるシステムと温室のシステムに分けられ設置されていて、
一見すると、ここでたくさんの野菜が作られることを想像できる人はいないでしょう。

外のシステムは今製造途中で、中に魚を入れてここにもアクアポニックスを作るそう。
この敷地で100坪、全部のシステムが完成すると、

育てられる野菜の株数は畑に換算すると15反、4500坪分の畑を持つことと同じだけの数字になるそう。
アクアポニックスだとなぜそんなに収量を上げられるのか?
その秘訣は、まず野菜を密集して育てることができるのと、

なにより天候や気温に左右されないことで野菜のストレスが少なく、育ちが早いのが一番の理由だそう。
驚くのは、野菜たちの色。こんなに綺麗な色をした野菜はあまり見たことがありません。

ストレスなく伸び伸びと生きている様子が伝わります。

奥に見える温室が、

「これは次世代を担う温室だと思っているんです」と関谷さんが説明する渾身の場所。

案内されて足を踏み入れると、
先ほどより大きな水槽が置いてあり、覗きこむと、

まだ1才にならない小さなチョウザメが10匹、元気よく泳いでいました。





この水も入れ替えることなく、ずっと循環し続けているそう。

通常の魚の養殖では、病気にならないよう定期的に薬を入れますが、

アクアポニックスで魚に薬を使うと巡り巡って野菜の根が吸ってしまう。

薬のない時代から何千年も形を変えていない古代魚のチョウザメを使うということは、
「アクアポニックスには最適な魚なんですよ」と説明する。

裏を返せば、アクアポニックスだからこそ、薬を使わずに魚も野菜も育てられるということでもあります。

化学物質フリーで、魚と野菜が共存する生態系をバクテリアたちが介してぐるぐる循環させていく。

 

水槽から伸びる水が温室内の周囲をぐるりと囲み、

 

水の上は野菜畑としてポットでたくさんの野菜が育てられ、

また、これから植えられていくところでした。

 

 

 

 




先ほど見てきたアクアポニックスが小さな見本だとしたら、

これは関谷さんによる本格的なアクアポニックス畑。
ここで日々野菜が作られては、出荷されています。
この時はちょうどレタスやイタリア野菜などを植えようとしているところでした。

中はじんわり汗ばむような温かさ。暖房をいれてるのかと思ったら、

全くいれていないどころが暖房費はゼロだという。

ビニールハウスで農作物で作っている農家が聞いたら飛び上がって驚くくらいの話しです。

通常のビニールハウス栽培では経費に暖房費が占める割合が大きく大きな負担になっていますが、
「ソーラーグリーンハウス」と名付けられたこの温室は、

屋根に特別なフィルムが貼られ壁の断熱効果により、暑くしたい時は暑く、寒くしたい時は寒く、

自分たちで温度をコントロールすることができる。
取り付けられたソーラーパネルにより自家発電もしている温室は、
工務店としての技術と知識がいかんなく注がれています。
(さらに通常のビニールハウスは7年ほどで建て替えていく必要がありますが、

この温室は30年以上はもつそう)
この室内で魚を育て、野菜を作り、さらにはエネルギー作るという温室で、
非常時には魚も野菜も食糧として供給することもできる、と話す。


壁面も野菜畑になっていくそうで、

これから温室の真ん中にもタワーを下げて野菜を植えようとしている。

温室中が野菜に覆われていきそうです。


ちょうど、ケールが青々として綺麗にできていました。

美容に健康に、ケールをコールドプレスにして頂きたい方は多いと思いますが、
実はケールは畑で育てようとすると虫に喰われやすく、無農薬で作ることは難しい。

そういった野菜でも、このシステムなら完全無農薬で作ることができます。
レタスの葉を摘まんで食べさせてもらうと、甘みだけでなく青々とする味も美味しい。
これからの時期は毎日のようにいろんなお野菜の収穫に追われ、

クレソンにルッコラなど次々にできていくといいます。

ここで育てられたお野菜は志木駅近くの「Vino e Cucina PAZOO」や

坂戸市の「アルピノ」といったイタリアンレストランでも使われていて、
「関谷さんのお野菜がやって来る日は、それがメイン料理になる」というくらい人気ぶりで

いつもあっという間になくなってしまう。
いいものを食べていると五感が敏感になるようで、お客さんに
「今日はあのお野菜ないんですか?」と言われることが多く、
お店からも「もっとお野菜持ってきてください」と強い要望を受けているのだそう。

 

関谷さんのlove Aquaponicsは、昨年は鎌倉で行われた東北げんき市場や

 

川越の蓮馨寺の東北げんき市場にも出店していました。

また、蓮馨寺近くにある雑貨店の「WARMTH」さんとの交流から、

2014年3月のWARMTHさんのイベントにも出店していました。

 

 

 

 

(WARMTH三陸マルシェより http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11784928736.html

 

今後のlove Aquaponicsの展開としては、野菜販売だけでなく、

 

外の畑が完成したら農業見学なども受け入れたいと話しています。

そして、7月12日の川越Farmer'sMarketでは、

このアクアポニックスのシステムを車に乗せて見ることができるようになります。
関谷さんも蓮馨寺にやって来ますので、

実際に仕組みを見ながら本人からいろいろお話しを聞いてみてください。

love Aquaponicsとしては、アクアポニックスで育てた無農薬の生バジル販売、

そのバジルで作ったバジルソースの販売をします。
そのバジルソースは、鎌倉の東北げんき市場に出店した時に大人気だったもの。
バケットにバジルソースを合わせた試食も用意するそうです。

そして、なんと、運び込んだアクアポニックスで

インゲン豆やレタスをお客さん自身に収穫してもらい持って帰ってもらおうと企画しています。


自分の手で収穫し、その場でパクパクレタス食べる、なんていう体験は、

このマーケット以外では考えられないもの。
ぜひ、味わってみてください。

 

「Love Aquaponics」

 

http://www.loveaquaponics.com/



 

読者登録してね

 

「川越style」編集人SHINさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります