今回は、2次小説になります。
13話でジヒョクの行動と、告白を聞いたジウォンの気持ちを書いたものです。
私の勝手な妄想で書いたので、なんか違う、変。と思っても、どうかご容赦下さい。
尚、貼り付けた画像はイメージですので、それもご容赦下さい。
* * *
私はこれまで、ユ・ジヒョクという人の何を見てきたのだろう……
いつも自分のことに精一杯で、彼の心の深い思いを見過ごしていた。
もっと早く気づくべきだった。
自分が一度死んで、過去に戻ってきたのなら、彼もそうであったと…。
今、振り返れば、思い当たることはいくつかあった。
初めて彼の部屋に行き、起こることは起こる。
それは死さえも避けられないと、話した日から―
ひとりでどんな思いを抱えて、過ごしてきたのだろうか…。
ウンホの店で酔いつぶれたのは、それが原因だったのだろうか?
好きだと言われて、嬉しかったけど、住む世界が違う人だから戸惑った。
何より、新たな恋をする余裕も、誰かを信じる勇気も無かった。
けれど、彼の優しさと実直さに触れ、意外な素顔を見てきて、いつの間にか好きになっていた。
* * *
思えば、去年のクリスマスの日、始めたのは私だった。
答えを待ってくれていると思い込んでいたのに、突然拒絶され、僕では駄目なんだ、後悔すると言い、私を追い出した。
その翌々日も、彼が大学生の時から、私をずっと好きだったと言ってくれて、嬉しくて、彼と出会う為に過去に戻ったと思い、一緒にいたい、離したくないと思った。
けれど、彼はあの時も迷っていた。
彼の好意に甘え、味方が出来たと喜び、新たな恋に浮かれて、父がくれた贈り物だと思い込み、数々のサインを見逃していた。
二人で過ごしていた頃、彼は「死にたくない…」と、夢でうなされていた。
あの時は悪夢でも見たのだろうと思っていた。
今日、彼が残したメッセージを聞いて、すべて合点がいき、己の未熟さに嫌気がさした。
* * *
後悔しないと…。後悔するなら一緒に後悔したいと言ったのは自分なのに、
突然の婚約者の出現に、私は逃げたのだ。
もしかしたら、自分の知らない彼の人生に嫉妬したのかも知れない。
どんな関係でも一度始めたら、どちらかが一方的に終わらせるべきじゃない。と言っておいて、彼の気持ちも考えず、一方的に終わらせてしまったのは自分だ。
他にも考えなきゃいけないことがあると、言い訳し、彼の人生のリスクまで背負う覚悟?いや、覚悟なんて立派なものじゃない。
自惚れが自潰したからか、面倒ごとをこれ以上抱えるのが嫌だったのか……
とにかく、私は自分勝手だった。
その結果…彼はいつ目覚めるのか分からず、機械に繋がれている。
どんな理由があったにせよ、彼が私の身代わりになり、彼の家族や大勢の人を悲しませてしまった。
今の私には涙を流す資格もない。
離れるべきじゃなかった。逃げるんじゃなかった。
彼が私を助け、命がけで守ってくれたように、私もこの悲劇の根源に、立ち向かわなければならない。
この事故の“黒幕”なら見当がつく。
チョン・スミンに情報を与えた人。そして、殺人を事故に装える力を持つ人。
彼の元婚約者の、あの女性だろう。
家族ぐるみの付き合いと聞いていたのに、一度も病院に顔を出さないのが不自然だ。
* * *
彼の容態が安定し、ICUから病室に移って、ほんの少しだけ、安堵した。
だけど、いつ意識が戻るか分からない状態で、心の痛みは続いている。
この痛みには、あの女に対する憎しみと疑問が、入り混じっている。
私は、この不毛な諍いと因縁に決着をつけるべく、チョン・スミンに電話した。
自分の大切な人たちを守る為、彼女が私に執着したせいで、何をしでかしてしまったか自覚させ、今度こそ悪縁を絶ち、運命など恐れず、勝ってみせる。
* * *
案の定、彼女は走ってやって来た。
背を向けてても分かるくらいに、遠くから彼女の息遣いが聞こえ、私の背に怖気が走ったが、不思議と彼女に対して何の恐れも湧かなかった。
彼を永遠に失うかも知れないと思った時に比べれば、なんてことなかった。
何故か、こんな時でも彼の笑顔が、浮かび、私を勇気づけてくれる。
ありがとう…
そして、たくさん、ごめんなさい。
目が覚めたら、はっきり気持ちを伝えよう……ずっとそばにいたいと。
私も大好きだと…。
Fin
ここまで読んで下さった方々ありがとうございます。
お目汚しだったら、失礼しました。
それではまた次回~アンニョン~💗