へい!作者だぜ!
こっからはちょっと難有な天界となるので先に泣いておくぜ!
ではでは、ヘブンズバースト篇第肆話からでーす!
「第肆話:恋は盲目、未来は盲目」
仁科瑠璃の受験の話から始まります。11月2日です。1次試験なので最寄りの合同庁舎でと受験しました。自宅へ帰ります。家族との仲は険悪ムードっぽいです。
朝になって、朝ご飯を食べに来た仁科瑠璃ですが、
「ご飯は」
「食パンだけ」
「ああそう」
というのは母親との会話。
仁科瑠璃がキレます。
何かにつけて、父親も母親も、「ああそう」「好きにしなさい」ばかりだからですね。
弟の琥珀とは2人は仲良く会話してますが。
「昨日受験だったんだけど」
これも家族が知らない話。仁科瑠璃が話をしてないから。
「琥珀だけには優しいじゃない」
「瑠璃と違って琥珀は自分の話をしてくれるし相談もしてくれるからよ。瑠璃の事も家族だと思って心配をした事があってもそのと」
「もういい、朝からそればかり」
「瑠璃」
「うるさい!黙ってよ!」
まあこういう感じなんですね、家族は心配をしていても、長女の瑠璃は全く耳を貸さないというか、うるさい黙れ、うるさいだけの親なんかいらない、とも過去に話してましたからね。
で、11月3日、4日は連休ですので、今江宅に向かう仁科。
11月1日から今江俊樹に逢えないから、という理由もちゃーんとある。
今江家で出迎えたのは今江厚樹、俊樹の兄ちゃん。
でも、今まで自分の事をるりこ、と呼んでくれていた厚樹から、仁科さん、と呼ばれた事にビビってます。
俊樹も不在。(実はこの3日と4日って水泳部の後輩、後藤貴斗と防衛大学校まで行ってます)
11月5日火曜日も俊樹不在。ラインをしても既読が付かない。電話をしても着信拒否されてます。総合進学部3年7組にも押しかけます(これは校則違反だけどね)。
でも室井富貴に見つかったね。入口に一番近い所に居るのは今、室井だけ。
そこでやっと、総合進学部3年は11月1日から自由登校になってる、という事実を知ります。仁科は情報科学部なのでそういう受験に対する特権とかがない。
でも仁科が茫然となるのは、瀬下奉が服飾デザイン専門学校受験の話をこの方々が知っているという話で、それは今江俊樹から聞いたという事。瀬下君は仁科のクラスメイトです。
でも仁科が進学するか就職するかを全員知らない。元就や五馬なら知ってるけど不在だから。今江もいませんよ。
今江からの情報ってのは瀬下奉の受験だけなわけですね。仁科瑠璃の話を一切してないって事です。
3年7組の和気藹々とした状況にも圧倒されてます。でも、仁科が気付きますね。
五馬が不在だって事です。
「あの、五馬は?」
しーんと一瞬なりましたよ。
「別の所でやってんの?まあどうせあいつのことだからさらっと合格しちゃうとか分かってるけどさ」
「五馬ならすんなりだしうらやましい」
こうして仁科は教室へ戻り、担任から呼ばれてたぞと言われるので、例の受験の話となります。
担任は鳥羽理恵先生といって女性です。受験であまり、というか問題が全然解けなかったという仁科ですが、他に自衛隊に入る方法を聞いてますね。
でも仁科の防衛大学校受験の意志が固すぎたので、担任としては応援するしかなかったという鳥羽先生です。
1次試験で合格すれば2次試験に進めるので、その面接の練習をしましょうかとも話してくれてますが、もし札幌駐屯地でと指定されたら嬉しいですよねとも言ってくれてます。陸上自衛隊ですからね。
でも、総合選抜採用試験との併願に何故しなかったのか、という話も出てます。
仁科は知りませんよそれも。
そんなこんなの仁科を待ち構えていたのは室井富貴、正門の外。室井富貴の自宅ってすげえ近いからね。
この室井富貴からの話も痛い。今江俊樹を10月28日の朝にわざと止めた室井の話ですからね、公衆の面前ででっかい声でわざと話していた今江俊樹の効果がこんな所までもかよとなりますがね。
室井富貴が言いたい事ってのは、総合進学部3年7組の士気を下げるな、という事。
そして、今江俊樹の本気の受験を邪魔してごめんなさい、と謝れという事。
あと、五馬無動の話を赤の他人が勝手にしてんじゃねえよ、という事もある。
クラスメイトの結束力ってのは最強なんだよね、総合進学部3年7組って。
今江俊樹が軸になってるのもあるけど、各個人が個性豊かで団結力もあるのは、あれだよ、プロ並みの掃除を全員でびしばしやってしまってきたあれだよ。
今江俊樹がクラス委員長としてしっかりし過ぎている事もある。
町田潤がクラス副委員長としてケアが素晴らしい事もある。
そういう2人を中心にとしながら、男子と女子がもはや一致団結となっている3年7組の抱える問題は今や、受験もだけど五馬無動の容態だからね。
さて、仁科瑠璃の高校1年の時からの小遣いせびり会話が来ましたよ。
デート代として毎週3000円とか4000円とかですね、たまにあの大好きなモデルガンが最新式でと出ると3万円とかくれとも言ってますよ。
最初はちゃんと母親も父親もすごく心配してくれる親でした。でも交際している相手も苗字を教えて貰えないし、将来は陸上自衛隊にという話もすれば猛反対されますので、うるさい、黙れ、うるさいだけの親なんかいらない、となります。それが何度も何度も続けば、親ももう何を言っても聞いてくれない、と諦めます。
お金をまだとしてくる瑠璃にも、父親名義のクレジットカードを渡すという感じ。
かなりの請求額になってるみたいよ。それも何に使ってるのかと父親に聞かれても、うるさい黙れ、ばかりですから、好きにしなさい、ああそう、というだけになりますね。
弟の琥珀は姉の瑠璃と違って勉強を頑張ってます。防衛大学校に入りたい、と言い出したのは中学1年の時。瑠璃が高3の時に琥珀は中3なので、3歳は年下ですね。
防衛大学校に入りたいって言ってる琥珀の意図というのは、いい意味での待遇面。
入学金も授業料もかからない、学生でいる限りは月々報酬が出るし、金銭的に余裕がない仁科家の事を想っての選択。実はもう父親も病態悪化してますし、母親も精神的に危うい事も琥珀は知っているので、2人を安心させたいという意味でも、危なくない自衛隊の職域があるんだとかも話してます。最前線で危険な事は自分には出来ないけれど、後方支援としてデスクワークとかで頑張りたい、という言葉も強いね。
そして琥珀は、お姉ちゃんも陸上自衛隊でデスクワークとかあるから危険ばかりじゃないんだよとも言ってますが、勉強が嫌いな瑠璃には無理です。
でもこういう琥珀の話を立ち聞きしていた姉の瑠璃は、陸上自衛隊に入るには防衛大学校に入ればいいんだ、と分かりました。
そして仁科瑠璃は不合格になりました。11月20日にです。今江俊樹に連絡したいけどブロックされたまま、着信拒否されたまま。なのでまた今江宅にと向かいます。
母親が応対してますよ。今江正義という名前の俊樹の母親です。
厚樹の案件の後片付けで忙しい、という話をしてますが、これは今江俊樹の件ね。
前にエガール=ツヴァイが勝手に今江俊樹の借用としていた学生寮を個人的に使っていた事に対して今江厚樹が動いてたってだけ。やっぱ弟が好きな兄ちゃんだね。
でも仁科はやっと!今江俊樹の声を耳にしますよ!とぼとぼ歩いて行った先で!
後藤貴斗のバイト先、回転寿司屋さんの裏側入り口付近ですね。ここで後藤と今江が喋ってます。後藤が賄いを作れるようになったので、と言われて今江が食べていくーと嬉しそうにしてますが、
「食べていきませんか?あんまり体重とか増えないやつですよ、魚だし」
「えええええ、うれしーいー」
「今江先輩って体重とか気にしてたじゃないですか」
「後藤がめっちゃ優しい~」
「食べてってください、味見してください」
馬鹿なんですよ、基本が。後藤君はね。こうして試作品第一号を食べる事になった今江俊樹は後藤が入れる裏側からと中に入れてもらいまして、仁科は堂々と店の入り口から入り、2人の会話が聞こえる場所まで移動。
ちょっとここで後藤貴斗の就職の話が出てますが、このお寿司屋さんの正社員にならないかって話、でも後藤君が考えているのは永久就職の方!なのでコイバナにとなってますよ~。
なので、告白の言葉としてどういうのが妥当なのかってのを後藤君が相談してます。
「未来永劫、あなたと共に生きたいです、死ぬまで」
「み、みら、みらいえ、」
「死ぬまで一緒に生きて居たいですって言葉」
「今江先輩にもそういう人いたんですね」
「まあね~」
「結婚とかしたい感じですか」
「したいわー」
「舎弟じゃなくてですね」
「最愛の人と言ってくれないか」
「あいあいのひと」
「あなただけしか愛せませんという意味」
「あなただけしか愛せませんのでお婿さんにしてください」
「おうおう」
「でもちょっと最初の告白にしたらまずくないですか」
「うーん、じゃあ単純に、『あなたが好き』でいいんじゃないの」
ここで仁科瑠璃が立ち上がりますね。
後藤が気付きますので、今江がバイト入り時間だろと後藤を行かせてからですが。
今江俊樹が無言です。こわーい。しかもお茶を一杯用意して飲んでる間に、べらべらと仁科が3年7組で何を言われたかとか話してますよ。飲み干した後に、空になったコップを強めにテーブルに叩きつけるというのも今江俊樹なりの激怒ゲージ振り切れよ。
「今日は時間あるから聞く」
ここで仁科、頑張る。めっちゃ考える。悩む。さっきの『あなたが好き』を言うだけだけど勇気が必要ですね。でもやっと言う、と決意した時に今江俊樹が席から立ち上がり、そこに後藤が店員として来るとか、それは常連客の急な体調不良に対する応急処置で動いただけ。
仁科がすっごく時間を掛けていた時、今江は周囲を見ていて、そのお客さんが危ないな~という感じでいたものの、やっぱりとなった時がその瞬間ね。
今江と後藤タッグで老夫婦は救急車で病院へ。今江も最初から見てたので付き添いで行っちゃいました。仁科は閉店時間まで今江が戻って来るのを待ってましたが、今江は帰宅しちゃってます。後藤も経験がありますが、救急車の中で吐かれたんですよ。
で、閉店時間になれば、後藤君が大好きな先輩女性、簾藤さんという方に言われて、仁科を家まで送る事になりますが、仁科家で瑠璃を心配していた母親に後藤君は誤解されました。
仁科母から「あなたが俊樹君なのかしら」と言われるともう後藤君がぎゃはーとなりますね。後藤君が一番恐怖としている人間は今江俊樹だけですからね!
なので、今江先輩がという話をして何とか誤解を解きました。おバカな台詞でですがね、嘘は言いませんからね。
「うちの娘とその方は交際をしていたのかしら」と聞かれれば、さっきのあれ、
「それはないと思いますよ、今江先輩には好きな人いますから、俺聞いちゃったんです、何だっけ、み、みらい、み、ああええと、一生死ぬまであなたと生きて行きたい、だっけ、あれ、死ぬまで生きて居たい?あなただけを愛していますから?ああでも今江先輩ってすっごく真面目だし、責任感とかめっちゃすごいし、あ、そう言えば、総合進学部の人だから11月から自由登校になってるから」
とか話してますね。
「何だっけ、夏休みがキツイとか、ああ夏期講習?朝から夜までびっちりだとか、あれ、違うな、何だっけ、あ、呼び出し食らってるとかだ、まただとか言ってる時もう顔がゾンビですね、俺でも分かるゾンビ」
後藤君は仕事をしてるとすっごい人ですよ。自分がバイトで大変だった日と被ってるとなれば正確な日付を言えます。家まで来るとか、となっていけばもうおバカな後藤君はストーカーからの呼び出しとか言い出してます、今江俊樹が合格した防衛大学校の話もちゃんと出来ますが、その受験の邪魔をしたストーカーに殺されちゃう、とも言ってますね。
仁科母はふて寝してる瑠璃に向けてかなり本音を話してますが、途中で瑠璃は寝てますね。
この後は後藤君が今江家にお呼ばれとなりますが、ここで後藤貴斗がスパイじみた事をやってます。仁科母から頼まれた事です。
今江俊樹の本音駄々洩れ垂れ流し、という場面です。
もはや後藤君が今江を今江先輩ではなくてゾンビ先輩と呼んでますがね。
この時の今江俊樹の言葉ってのが長いけど、事実ね。時効だからいっか、とべらべらと喋ってますよ。
今江俊樹は将来は弁護士にと決めていた人生だったので、頭の中は法律関係の知識でいっぱいですが、五馬無動が医学の知識でいっぱいだったのと同じだね、
正確な日付や時間を記憶しておくというのも才能ではなくて当たり前の事。
だからかなりの証拠となりますよ。
でもですね、後藤がいい事を教えてくれました。バイト先の副店長さんの武勇伝。
かなりモテモテだった方みたいで、かなりストーカーをぶちのめして来たという副店長さんの言葉はたった一言。
「知らんがな」
だったそうです。でもこれが後々、生かされるんですよー!!
仁科は11月21日の朝、自分の朝ご飯が用意されてない事に憤慨しながら学校に行き、瀬下奉が専門学校合格となっているのをクラスメイトが喜んでいる場面に遭遇。
仁科だけボッチですね。
で、家に帰れば自分の荷物が玄関に出されてますので、激怒しながら荷物を全部持ち、修学旅行の時に使ったでっかいトランクケースに入れたんですね、愛用のモデルガンも持ちまして、今江宅に。泊めてくれってだけですが、今江厚樹と電話越しで断られます。それで仕方なくクラスメイトの女子とかの家を回りますが誰も仁科瑠璃を嫌いなので迷惑だなーと思いながら断ってきます。
最後となったのは何でだか五馬無動の自宅なんだよね。
でも留守に決まってるよ!
そうして仁科瑠璃はとぼとぼと歩いて公園があったのでそこのベンチで寝袋に入って寝る、となりますが、野宿ですけどね、その次の朝早くに寒いなーと思って起きたら、あれま、裸なんですけど?という状態です。
全裸です。着ていた服とかも寝袋も散らかってるだけで、全裸ですよー!!!
そして第伍話となれば感動的な話となりますが、もうこれ、別件にしようぜ!!