いざ!全国模試へ!!という話。 | HEVENSLOST

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以前、元就君が全国模試を受けてみるよ、となっていたのでその続きです。

そしてうはは、さっきの方が出てきますよ~。

 

エントリーを済ませて、元就君と無動君が当日、というところですね。

場所が全然分からないし、土地勘もない元就君、それに初めて受ける全国模試なので、

無動君がまじで先輩みたいな感じで付き添いみたいになります。

 

集合場所、無動君があれやこれやと考えてーの、学校正門前、です。

 

「おはようさん」

「ああ、おはよう」

「大丈夫か?結構朝早かったんだけど」

「最近母さんと早朝走り込みをしていたりするからね」

「ほう」

「母さんがちょっと、ね」

(ダイエット目的の為、です)

「いいお母さんじゃないの、息子と一緒に走ってくれるとか」

「ああごめん」

「あ、やめて?俺の蕁麻疹が来るからしんどいんですよ」

「ああ、そうだね」

(無動君は家族、お父さんとお母さんの話となると家族蕁麻疹が出ます)

 

「そんで、会場があそこ」

「おお、いっぱい人がいるよ」

「他校の生徒さんもいるからな、ああそれとはがき」

「持って来たよ」

「うーん、(俺と離れるなこの番号)ああそうだ、結構長丁場だから先にトイレ、それと今は少し体調面を気遣ってくれるから水分は持ち込めるんだけど、他の私物って荷物は全部ここだよってところに預けるんだ、しゃあないんだよ、不正行為ってやつを防がないとなんないから」

「へえ」

「そんで、…あ」

 

ここで無動君、発見でーす!!

 

「おお、五馬君じゃないか」

「どうも、今日はここですか」

五馬君と大島君、の再会ですね。

そして、

「あ、れ、大島君?」

元就君が大島君とすっごい再会ですね(奇跡的な)。

「おお、杵柄君か、へえ、全国模試には無縁だと思ってたんだけど」

「え、大島君だって無縁だと思ってたよ」

「ああ俺は陸上部でとかのスポーツ特待みたいな推薦じゃ嫌なんだよな、やっぱ学力でまじで一般試験に入りたいから、そんで思いきり陸上部ってしたいんだよ」

「あ、大島君、はがき見せてくれないか」

「ああいいよ」

ここで無動君がふむふむとなる。

「杵柄、大島君とは生徒会関係で知り合いだったんだよな」

「そうなんだ、大島君にここで逢えたのは奇跡だと思うんだ」

「実は大島君と俺って全国模試では旧知の仲という感じでさ、俺よりも詳しいだろうから大島君の学校の話でも聞きながら受けて来な」

「ん?」

「大島君、杵柄って今日が初めてなんですよ全国模試。席が隣同士だからいろいろと教えてやってくれませんかね、俺向こうなんで」

「ああそうか、オッケー。ああでも、昼くらいはあそこで、俺ちょっと五馬君に教わりたいとこあるんだよね」

「ああはい、じゃあな杵柄、知ってる人が近くにいると結構気楽だから、すげえいっぱい人がいるけどあんま気にすんな」

「うん、頑張ってみる」

 

大島君と元就君があれやこれやと話をしながら行く、というのを見送ってから、

「さーて、俺もがんばろ」

と無動君は自分の指定された場所へと向かいました。

 

一応、こっからはふっつーにマジな話として行きます。

 

(大島君と元就君側)

「そういや、杵柄君て全国模試、初めてなんだね?」

「そうなんだ、うちのクラスで受けてるのって五馬だけで」

「そうらしいよね、つか、杵柄君と五馬君が同じクラスとは、おかしいなあと思っててさ」

「どういう?」

「五馬君て医学部目指してるし、総合進学部って言ったらそっちの学力トップって場所だし、しかも2年7組だろ?何で五馬君しか受けてないのかなと不思議だったんだ、他のクラスメイトってまさか、進学しないって感じ?」

「ううん、クラス委員長の今江とかは防衛大学校とかだし」

「あれ、進学だよな、あーやっぱさっすが2年7組って感じかな、そうそう、神保篤麻君もいるじゃん、いい子だよな」

「篤麻の事」

「五馬君から聞いてたんだよ、ええと、飛び級して2年生になって、それで転部してから同じクラスになった、という経緯。でもまだ進学先を決めてないってのも、しゃーないよな、本当は1年生だったんだし、俺も今の志望先を決めたってのは2年の春だし、それまではあっちかなこっちかなとうろうろしてたんだよ」

「そうなんだ」

「で、杵柄君の進学先の志望って?」

「ああその、実は決まってなくて、でも全国模試を受けてみたかったから、五馬と同じとこにしたんだ」

「そっか、でもまだ2年だし、もうちょっとで3年になるけど、秋くらいまでにがちっと決めればいいんだし、まだまだ余裕だよ余裕」

「そうなのかな」

「杵柄君、俺は夏終わりまで、山だぞ」

「…ああ、山ね」

「どうすんの山、俺は高校時代をほぼ山で過ごして来たんだ…学校に帰れば後ろの誰かさんにいじめられてばっかでしんどい、誰も助けてくれないこのつらさ、…先週は地獄だった、季節外れのカブトムシの奇襲だよ」

「泉さんてどういう…」

「背中にどばばっとアブラムシ入れられた時は人間性を疑ったよ」

「あはは、事実だったんだね」

「俺は山で生きていく方がマシだと思ったな…教室だとそういう扱いだし、山には山の他の仲間達がいるしな」

「や、山の仲間達?」

「ああうん、結構な頻度で走り込みしてるから仲良くなったんだよ、熊とか狸とか、あ、1回だけ狐に化かされたって時があった、いいぞ、山!!」

「虫よりすごいんじゃないの」

「え、虫の方が怖い、蛇とか爬虫類とかがマジ怖い」

「熊とかの方が怖い」

「あはは、杵柄君て実際こうして話してるとふっつーじゃん、生徒会長同士ってなると堅苦しいかもと思ってたけど、ああでも全国模試って場所はみんなが同学年だし、結構人が居るけど目の前の試験に集中してればいいだけだし、ああちゃんと水分持ってきてるわけね、俺が隣だからいろいろ分からないとこあったら聞いてよ、出来ればあの虫に対する奇襲とかの相談にも乗って欲しいわ」

 

という感じで和気あいあいとなってますね。

 

(無動君側)

はああ、と無動君がため息。

「(ここにいる全員は何かしらちゃんと理由があって、希望とか願望があってでの受験だしな、俺とは別だ、未来に対して何かしら希望が持ててるってだけですげえな、でも杵柄の隣がまさかあの大島君だとは奇跡だな、大島君ってちょっと抜けてるとこあるけど多分俺の考えとか伝わってるだろうし、そういうところでさすがは向こうの生徒会長さんてわけだな)」

こうして、1教科目、となりました。

 

「(やっぱここのは捻りがあるな、癖が強い、序盤の数学からこっち系だし、学校でドタバタしてる戸津先生とやらも以前は通った道だろ、つーか大人ってすげえな、郷戸先生だって生物教師だし、学院長もやってるし、担任も兼務、北中学校では校長だったんだし、教育学部だろ、すげえな大人って)」

 

全然、全裸の事なんか考えてませんね。

 

「(あーここ多分大島君が悩む所だな、でもスポーツ特待だけで引く手数多という方が一般試験で入りたいってのはすげえ意志の強さだ、短大付属って去年は東大医学部合格者無し、次の年が長野先輩って方だったな、で、うちが天野先輩のみ、城善寺先輩がまさかの音大ってのが大穴だろうな、ああでも音大って進路変えたってのはそれは先輩の意志か、俺も自由に進路先くらいは決めたかったかな、…漫研があるとことか、でもいいか、俺は別にここに居る全員とは違うし、俺、別に進学したいとか、希望ないのに)」

 

こういう感じで考えているから、しんど、となってたわけですね。

 

そしてお昼でーす。

 

「…ああ、結構楽しそうじゃん」

どうもーと無動君が合流です。

「おお、五馬君お疲れ」

「そっちはどんなですかね」

「ああー序盤の数学のあそこが、ああでも杵柄君を欲しくなったぞ」

「え?」

「泉対策、でも杵柄君て熊よりゴキブリが駄目って偉人だな!!」

ばっしばっしと大島君が元就君の背中を叩いてます。

「五馬、大島君は何者」

「短大付属の生徒会長さんだろ」

「違うよ、山で熊と友達だって言ってるんだよ」

「ああ、大島君て陸上部だし、いいじゃん、例の防災頭巾として」

「あ、五馬君てどうにもこうにもだな、俺を赤ずきんちゃんと言いたいわけか」

「いやいや、防災頭巾ですって、さて疲れたから昼よ昼」

3人で外のベンチでお弁当です。

「あ、大島君、杵柄のお弁当、見てくださいよ」

「え?」

ぱこ。

「…な、何か、家庭的な問題でも抱えてたりするのか、もしかして本当に」

「『天変地異』…」

「すげえな、優しいお母さん手作りお弁当、すっごい海苔の切り抜き技術だと思いません?俺達クラスメイトが毎日、楽しみにしてるんですよ」

「へえ、確かにすげえ技術…杵柄君のお母さんって曲芸師とか?」

「いつも俺に対して殺人予告のような言葉を」

「でもそっかそっか、天変地異ってそっちかな、杵柄君がまさかっていう意味」

「だと思いますよ」

「おおー、いいお母さんじゃん!それに比べてうちのはこれ、うちは父親が何でもこなしちゃうって家庭だから、分かる?」

「普通のお弁当に見える」

「あああ、ええとこのおかず全部に絶対、プロテインが入ってます」

「そうなの?」

「そしてこれ…うはは、俺の大好物となってしまったチョコバー詰め合わせ、ああなんだよ、今回は3本か、あ、3本の意味分かる?」

「全然」

「と、ど、め、という意味なんだよ、ある意味俺の父さんは俺を改造人間にでもしたいんだろうな、山が恋しくなってきたよ」

「他の本数でも意味が?」

「4本だった場合、か、ん、ぱ、い、完敗だな」

「へええ」

「2本だった場合、き、き、危機だ」

「も、もしかして1本となると」

「おお、話が早いな杵柄君、1本ということは、し、つまり死、だ」

「最大で何本に?」

「4本。でもチョコバーの種類で意味が違う。今回のはこの青い袋だから4本だったら完敗になるんだけど、赤い袋のやつがあって、そっちの4本だったら、

が、ん、ば、れ、という言葉になるから、ああでもそれ、まだ1回しか見た事ない」

「すごいね」

「なんつうか受験とか試験とかちょっとした願掛けみたいなのがあるじゃん、ジンクスとか、俺も陸上部でいろいろな大会に出る時とか遠征とかってなると、相手が今は日本の選手だからちょっとは緊張するし、そういう時、俺は勝ってやるぞ、と固く決意するのを示すジンクスってやつが、熊のジョンに向かっての敬礼だったりな」

「ジョン」

「ああそれはまだだったなあ、熊もいっぱいいるからさ、ジョンとデンデンとサンブが3兄弟なんだよな、そんで別の家族にはジョンの奥さんっていうマリネがいたり、山はいいぞ山は」

「…へえ」

「杵柄君も今度、サンブとリイサの結婚式に出ないか」

「あはは、大島君って山ばっかりだ」

「陸上部に入ってよかったよ、山に仲間が出来たし」

こうして昼休憩が終わりです。

 

「じゃあ終わりの時間は同じだから、またその時は声掛けるからさ」

「ああうん」

「大島君、次が、物理ですよ」

「…はー」

「そういや杵柄、あの短気な教師の話、大島君にしたって」

「ああうん」

「じゃあなー」

 

続こうか。