ジーコ監督はW杯まで
日本代表監督のジーコ(52)は5日までに、リオデジャネイロで地元のグロボテレビに
「指揮を執るのは(来年の)ワールドカップ(W杯)まで。私の時間はそれで終わりだ」
と語り、2006年W杯以降は日本代表監督を続ける意思のないことを明らかにした。
同監督は当初からW杯までの前提で就任していた。
ジーコ監督はコンフェデレーションズカップでの日本代表の戦いぶりを「世界に存在感を示した」と評価する一方、課題の得点力不足については、緊張しすぎてシュートが決まらないことなど「失敗を恐れる日本の文化」が関係していると解説した。
日本で10数年プレーし、「日本サッカーの発展に協力できれば」と言い代表監督に就任した割に日本語が全くダメなジーコ。
ようやくその去就を語った。
僕は代表監督就任からジーコに対しては「?」だった。
これまでの監督はまず「戦術」ありきだった。
その戦術を最大限に活かすために、代表選手を選考する方法が常であった。
だから、大物であっても選考漏れすることもあり、また掘り出し物もあったわけだ。
しかし、ジーコはまず「黄金の4人」を形成することを名言した。
それは、中田英寿、小野伸二、稲本潤一、そして中村俊輔のことを指した。
トルシエ政権では不遇であったファンタジスタ中村を擁し、「日本のファンが見たい選手を選ぶ」という異例の発表だった。
この発表には違和感があった。
ジーコは代表監督になりたいんじゃなくて、オールスターの監督になりたいんじゃないか、と。
代表監督は衆愚に媚びてはいけない。
確固たる信念に基づいて選手を選ばなくてはいけない。
決して他人の顔色を伺って仕事をしてはダメなのだ。
また、基本はブラジル式のサイドバック(SB)を置く4-4-2で、中盤をボックス型にするという古典的なシステムであった。
これにも「?」があった。
日本は慢性的なSB不足であったからだ。
日本にはロベルト・カルロスとカフーは居ない。
三都主が適任だとも思えない。
三都主をSBに据えたことで、本来SBをJリーグでプレーしている選手に扉を閉ざしてしまった。
これでは優秀なSBは育たない。
そして、黄金の4人。
ジーコの現役時代とは現状が違うのに、なぜ「黄金」であることにこだわるのか。
ジーコ、ファルカン、ソクラテス、トニーニョ・セレーゾ・・・・・・
まったくタイプが異なる日本の4人を、その枠にはめようなどと。
現在では小野は怪我でリタイア、稲本は福西にそのポジションを奪われてしまった。
ドイツは来年。
既に1年を切っている。
選手の大枠は固まった中で、新戦力を期待するのは無理かも知れない。
しかし、SBとFWにはまだ若干の望みはあるかも知れない。
W杯本番までのジーコの「眼力」に期待することにしよう。